ジン使いの夫婦、3億8千万トマーンを騙し取る
2011年08月23日付 Jam-e Jam 紙

詐欺師夫婦、ジンが被害者夫婦の子供たちを「手術」したと主張

 ジン(精霊・悪霊)に通じていると言っては、ある資産家の夫婦から3億8千万トマーン〔およそ2900万円〕を騙し取っていた詐欺師の夫婦が逮捕された。

 この占い師夫婦は2回に分けて、子供たちはジンによる「手術」を受ける必要があると言っては、被害者夫婦から3億8千万トマーンを受け取り、そのお金で自宅や自家用車、土地を購入していた。

 刑事警察社会問題担当副長官のアブドッラー・ガーセミー大佐は、このニュースに関してジャーメ・ジャム紙に対し、次のように語った。

昨年末、ある人物がイラン北部の某州の警察を訪れ、「自分たちは天使やジンと繋がりをもっている」と語る占い師夫婦の罠にかかり、これまでに3億8千万トマーンを支払ってしまったと訴え出た。訴えによると、占い師夫婦はなおも、何かと理由をつけてはこの人物から金銭を詐取しようと企んでいるとのことだった。

 ガーセミー大佐によると、訴えを起こした人物は自分と占い師夫婦の関係について、「私の夫は精神病を患っていました。いつも自宅で幻聴を訴え、苦しんでいました。このことを知ったある知人が、『ジンを操ることのできる夫婦を知っている。彼らなら旦那さんの問題を解決してくれるはず』と言ってきました」と語ったという。

 この人物はさらに、「その占い師夫婦に会うと、彼らは『自分たちはジンや天使と繋がりがある。非常に深い繋がりなので、ジンたちのことは『兄弟』と呼んでいる…』と言っていました」と付け加えたとされる。

 イラン治安維持軍刑事警察の社会問題担当副長官は、「〔…〕占い師夫婦は被害男性の資産状況を知るや、自宅にジンが憑いていると主張し出したことが分かった」と述べ、さらに「被害者夫婦に恐怖を植え付けた上で、占い師夫婦は、問題を解決しジンを祓うためには、財産の5分の1を自分たちに支払うよう要求、この手口でまず5500万トマーン〔およそ420万円〕を被害者から騙し取った」と付け加えた。

 同副長官はさらに、次のように続けた。

占い師夫婦は毎日のように、何かと理由をつけては被害者夫婦から金を巻き上げていた。例えば、〔5500万トマーンを詐取したのとは〕別に、ジンを操ることができると称していた女は被害男性に対して、「ジンがお子さんのお腹に卵を産んでいますよ。お子さんはジンの手で手術を受ける必要がありますね。普通の目では、この手術を見ることは出来ないんです」などと言って、年端もいかぬ男の子を被害者夫婦から預かり、後日この子を気絶させた状態で両親の元に返し、ジンによる子供の手術が行われたと主張して、6500万トマーン〔およそ500万円〕を騙し取っていた。

 ガーセミー大佐はさらに、次のように述べた。

刑事警察による捜査が続く中で、さらに、占い師夫婦は被害者夫婦の間で生まれた女の赤ちゃんの胃に「けば」がないと言い掛かりを付けては、ジンによる手術を行うとの理由で赤ちゃんを自宅に連れ込み、後日3500万トマーン〔約270万円〕を詐取して、赤ちゃんを両親に返していた、という事実も判明した。

 ガーセミー氏はその上で、「これらの情報を入手した上で、当局はついに2日前、この詐欺師夫婦を逮捕した。捜査の結果、彼らは被害者夫婦を恐怖に陥れ、ありもしない主張をすることで、合わせて3億8千万トマーンを騙し取り、自宅や自家用車、土地の購入にあてていたことが判明した」と述べた。

〔‥‥〕

 ガーセミー副長官は市民への警告として、「民衆の〔信仰上の〕逸脱の素(もと)を作り出すこうした連中を信頼することは、犯罪拡大の第一歩なのである」と述べた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:23798 )