サウジ政府、オスマン朝期カーバ神殿に加えられたアーケードの取り壊しをトルコ企業に発注へ
2011年11月10日付 Hurriyet 紙


サウジアラビアのアブドッラー・ビン・アブドゥルアズィズ国王が承認した「巡礼者収容可能数増大プロジェクト」が発表された。この計画は、カーバ神殿を囲むオスマン朝期建設のアーケード取壊しを含んでおり、トルコ社会にショックを与えるようなものである。サウジ政府は、トルコ側に配慮し、取壊し作業をトルコ人に委託する。これにより、サウジ国王は、「オスマン朝が建設し、トルコ人が取り壊しただけだ」と言えることになる。総額費用4千万リラ(1,645,879,936円)の取壊しプロジェクトは12月5 日に開始する。

サウジアラビア建国者のアブドゥラーズィズ国王から現在まで、聖域にて大きな発展・拡大があった。しかし、現在のアブドッラー国王によって承認され、巡礼の時期が終わったらすぐに開始される予定のプロジェクトにより、カーバ宮殿のオスマン朝期の足跡は全て取り除かれることになる。開始日程も(発表はされていなかったが)とっくに決まっていた。取壊しはイスラム教徒にとっての新年、ムハッラム月の最初の日、12月5日に始まるのだ。

■サウジアラビアの秘密

ウンム・アル=クラー大学が進めるこのプロジェクトをビンラディングループが引き継ぐ。ビンラディングループは、オスマン朝期にカーバ神殿を守る為に作ら れたアジャド要塞を取り壊し、代わりに聖域のすぐ隣りにアル=ベイトタワーズを建設したグループである。

しかしながら、サウジアラビア関係者らが秘密にし、最後まで発表をひかえていたこの計画によると、ラディングループはこの取り壊しをトルコ人にやらせるつもりだ。ラディンクループ傘下の会社の筆頭にトルコ人を据え、取壊しを何千人ものトルコ人労働者へ命じるという。現在、工事の大部分が続行されているが、巡礼のために作業が停止しているカーバ神殿を囲む建設機械も、巡礼期間が終わればすぐに作業を再開する。カーバは巨大な工事現場へと変わるであろう。

オスマン朝期の足跡を聖地から消し去ろうとするサウジアラビア側は、恐らく予想される反発を排除し、「オスマン人が作り、あなた方トルコ人が取壊した」と 言って、本件の責任を逃れるつもりだ。オスマン人が作った作品を、(子孫の)トルコ人が自ら取り壊しただけ、ということになる。

■収容可能数の増大のために

アブドッラー国王に認可された総額4千万リラ規模のこのプロジェクトで、サウジアラビア側が本来恐れていたのは、アーケードのすぐ後ろにあるアラブ人が作っ た、「イムラーン・アッスウーディ」という名前の支柱も一緒に取り壊されることだ。サウジアラビア側は、アラブ人の反応を恐れている。新たな正面門にアブドッラー王の名前をつけることになるこのプロジェクトのおかげで、巡回(タワーフ)する人数が時間当たり15万人に到達する見込みだ。このプロジェクトでオスマン朝期のアーケードの線上から内側へ向かって20メートルの、アーケードに平行した地下階から天 井までにわたる新たな巡回場所が作られる予定だ。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:24498 )