シリア経済、制裁措置の適用を受けて後退へ
2011年11月28日付 al-Hayat 紙

■ シリア:衰退し苦境に陥る経済

2011年11月28日『アル=ハヤート』

【ロンドン:本紙】

シリアの経済規模は2010年、5.5%成長して約600億ドルに達した。シリア経済は多元的な経済であり農業、工業、商業、観光業、サービス業、石油・ガスに依存している。シリアのムハンマド・アル=ジャリーラーティー財務相は9月に今年1%の経済成長を予想したが、国際通貨基金(IMF)と国際金融協会(IIF)はアメリカ、ヨーロッパ、アラブ諸国の経済制裁が段階的に適用を開始されたことに伴って、シリア経済は2011年末までに2〜3%縮小すると予想している。

シリアの公式統計によると、中央銀行の外貨準備高は180億ドルに達するとされるが、別の推計では155億ドルを超えていないと指摘されている。

シリアはかつて毎月4億5千万ドルに相当する石油を輸出していた。また、観光収入は年間約60億ドルあったが、現在は完全に途絶している。それと共に、年間13億ドルに達するヨーロッパからの支援金も停止している。

シリアは、121億ドル規模の輸出全体のうちアラブ諸国への輸出規模が昨年は48億ドルに達したと述べている。同様に、アラブ諸国からの投資規模が、昨年末までに350億ドルに増加したと指摘している。IIFは、外国からの (アラブ諸国および諸外国からの)投資が9月までに47%後退したことを指摘していた。シリア・ポンドは今年3 月中旬以降、対ドルで8%価値を低下させつつ未だに抵抗を続けているが、 原因はいわゆる「戦争経済」と過剰輸入の停止、あるいは報じられているイランからの60億ドル相当の借款にあるもようだ。

シリアのムハンマド・ニダール・アッ=シャウアール経済相は2日前、シリアがここ数年で最悪の経済危機に苦しんでいることを認め、AFP通信に対して、「(経済危機が)全ての人々や工場、ビジネス環境に降りかかっている」と述べた。また、経済が惨状に陥るだろうと予想した。

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( 翻訳者:井上剛 )
( 記事ID:24677 )