ネオナチ抗議のトルコ人実業家、ドイツを離れる
2011年11月29日付 Milliyet 紙

現在に至るまでドイツで多くの投資をし、数百万ユーロもの税金を納めてきた有名実業家のイルハン・ドアン氏は、ネオナチ殺人事件及びダブル・スタンダードに抗議の意を示すため同国を去った。

ドイツのミュンスター市近郊に位置する小都市ヴレーデン在住の有名実業家イルハン・ドアン氏は、ネオナチ殺人事件に抗議の意を示すため、ドイツでの全投資を取止め同国を去った。ドアン氏は、ヴレーデンにある自身の豪邸に巨大なトルコ国旗、ドイツ国旗と共に大きな横断幕を掲げ、横断幕の文面でドイツ在住の移民に対し用いられているダブル・スタンダードを非難した。以前、ドイツで実施した巨額投資と数百万ユーロの納税で知られるドアン氏の自社製品の宣伝には、カルメン・エレクトラ、ブルース・ウィリス、ラルフ・メラー、ボリス・ベッカー等、多数の世界的スターが参加していた。LR-International Cosmetic社会長という肩書きにまで出世した同氏は、大物トルコ人と呼ばれている。更に、ドアン氏はトルコで、ヒュリヤ・アヴシャル、ベヤズ、ムスタファ・サンダル等著名人らの名前を付けた香水のプロデュースを手掛けている。

■ ネオナチ殺人で我慢の限界を超えた

一昨日、トルコへ帰国し、ドイツでの全投資を取止めた事を公表したイルハン・ドアン氏は、以下の様に語っていた:「我々移民に対する誹謗中傷、またこの国でその誹謗中傷を黙認する者がいる事を遺憾に思います。私はドイツで生まれ育ち、現在まで何千人ものドイツ人を雇い、数百万ユーロを納税しました。そして、この税金の行方を今、目の当たりにしています。一部の政治家はトルコ人がこの国に溶け込むことはないと口にしています。50年前に我々の両親がこの国へ渡り、真面目に働き、苦闘しました。私自身、本職に就くまでにダブル・スタンダードを受け、数々の辛苦を味わい、もううんざりしました。恐らく我々はこの国で何をやっても、常に外国人でありつづけるのでしょう。ドイツがここまで良くなったのにはトルコ人の貢献があります、我々は、この国に多分に寄与しました。今日、この国で何万もの移民が雇用の機会を提供し、納税し、数十億ユーロもの年間売上高を達成しています。未だにトルコ人を批判する論調がある事に心痛みます。つい最近、トルコ系移民8人がネオナチ一味の手で殺害された事が判明した事で私は我慢の限界を超えました。この事件で、私はドイツを離れることにします」

■ 断じて事件を風化させてはならない

ドイツに残るトルコ人に呼びかけたドアン氏は、「悪を以って悪に報いてはなりません。もっとよく働き、もっと誠実になってください。こうすることで、あなた方はより一層強くなることでしょう。ドイツ在住のトルコ系政治家又は実業家はネオナチ殺人事件に対し十分に抗議を示していません。以前、メール(Möhl)事件、ゾーリンゲン(Solingen)事件がありましたが、忘れられてしまいました。今回の事件も恐らく、数ヵ月後には風化してしまうでしょう。この事件を断じて風化させてはなりません」と述べた。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:24695 )