エルドアン首相、文明間連帯フォーラムに向けたメッセージ
2011年12月11日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、自分たちの地域だけでなく、世界中で平和を構築するために、中東における慢性的な問題が解決され、もはや中東で血と涙が止まらなければならないと指摘し、「中東で国家テロが続き、和解に向けた努力が滞り、無辜の子供たちの下に爆弾が落ち、無実の人々が屋外刑務所で捕らえられ続ける限り、平和は存在し得ないのです」と述べた。

エルドアン首相は、会議に参加できないことを残念に思っていると明かし、「そこに身を置いていなくとも、ドーハの興奮を、そして世界の平安で豊かな未来のためになされたひたむきな努力を心から感じていると伝えたいです」と述べた。

エルドアン首相は、カタールの首都で行われた文明間連帯ドーハフォーラムの開会式に向け、動画メッセージを送った。エルドアン首相のメッセージは、会場から大きな拍手を受けた。

エルドアン首相は、初めにカタールのシェイフ・ハマド・ビン・ハリファ・アル=サーニ首長や国連の潘基文事務総長、サンパイオ上級代表、そして全ての参加者へのあいさつから話し始め、「皆さんに、トルコから、イスタンブルから、心からの気持ちを込めてご挨拶申し上げます」と述べた。

■「そこに身を置いていなくても・・・」

エルドアン首相は、文明間連帯ドーハフォーラムで参加者と共に、興奮や熱狂、希望を分かち合う事を強く望んでいたが、先々週に受けた手術により家で安静にしていなければならないため、今日参加者と共にいられない事を残念に思うと述べ、次のように続けた。

「そこに身を置いていなくても、ドーハの興奮や、世界の平和で豊かな未来のためになされたひたむきな努力を心から感じていると伝えたいです。実際、私の代理のベシル・アタライ氏も私のこの気持ちを皆さんに伝えてくれると確信しています。したがって、シェイフ・ハマド・ビン・ハリファ・アル=サーニ首長様と、シェイハ・モーザ・ビンティ・ナスル・エル=ミスネド王妃様へ、文明間連帯第4回フォーラムの開催国となられた事に、感謝いたします。

6年前に、親愛なる友人、スペインのサパテロ首相と共に国連の枠内で始めた文明間連帯の試みがこれ程の参加者を迎え、これ程歓迎された事に私は非常に興奮を覚えています。私たちは今年の5月に、ブラジルのリオ市でサミットを行うことで、文明間連帯の試みの声を、アメリカ大陸まで届けました。今日、カタールのこのサミットで、この試みはもはや中東にまで広まった、ということを世界中に示しています。今後は極東やアフリカをも組み込み、私たちの声をこれらの地域にも行き渡らせるようなサミットを目にしたいと思います。

今日、ドーハでのサミットに多くの民間団体や代表者が協力した事を知り、非常に喜ばしく思っています。130以上の国と国際機関だけでなく、もはや民間団体もこの試みに参加していることが、ますます私たちの決意を強めることになっています。」

■「涙は止まらないといけない」

エルドアン首相は、トルコとスペインのひたむきな試みが世界的規模の大きな人道的運動へと変化した事を非常に誇らしく思い、興奮を覚えていると述べ、(2010年)5月にブラジルのリオ市で行われた文明間連帯サミットのすぐ次の日に、地中海で重大な海賊行為が行われたことに言及した。

首相は、ガザの虐げられ、貧しく、空腹な人々への人道支援物資を運んでいたマーヴィ・マルマラ号が地中海の公海上で「国家テロに遭い、9人の罪のない支援関係者が亡くなった」ことに触れ、次のように続けた。

「私たちがリオで世界的な平和、平安、幸福、正義の名の下、希望を持って闘っている一方で、残念ながら地中海で平和や平安、幸福、国際法が侵害され、壊されました。私たちがサパテロ氏と共に文明間連帯を公式に始める前に、目標に向けて取り組むための高等委員会が設置されました。この委員会は重要な報告書を公表しました。

報告書は、西洋とイスラーム世界の間の緊張を和らげ、除くために文明間連帯が必要だと強調する一方、この緊張を常に高める主な要因が中東問題であることを特に指摘しています。そうなのです、私たちの地域だけでなく、地球上の全ての場所で平和を築くために、中東の慢性的な問題が解決され、中東の血と涙はもう止まらなければならないのです。

中東で国家テロが続き、和解に向けた努力が滞り、無辜の子供たちの下に爆弾が落とされ、無実の人々が屋外刑務所で捕らえられ続ける限り、平和は存在し得ないのです。また同様に中東で、自国民に銃口を向け、多くの自国民を殺し、あらゆる反対意見や運動を認めない独裁者たちがいる限り、平安と安定は実現しないのです。」

■パレスチナ

エルドアン首相は最近の重要な出来事にも言及しようとし、最近パレスチナのユネスコ加盟が承認されたことを受けて、アメリカがとったふさわしくない決定を残念に思ったと語った。首相は、トルコとカタールは、自分たちのとるべき責任を果たす覚悟ができていると述べ、メッセージを次の言葉で締めくくった。

「私は、文明間連帯を支持する全ての国が、ユネスコの活動がなんらかの経済的問題に直面することなく続くよう支援すると信じています。私たちは一時も絶望したことはなかったし、これからもしないのです。もともと文明間連帯(ファーラム開催)の試みは、私たちの平和への希望、平安や安定、正義への希望が具体的に結実したものなのです。

忘れないでください。今日、カーブル、バグダード、ダマスカス、そしてガザの人々は皆さんの事を見ています。アフリカの貧しい子供たちの、そしてソマリアの罪のない子供たちの心は今日ドーハで高鳴っているのです。忘れないでください、ドーハは今日、文明間連帯サミットの開催地となり、地球の鼓動する心臓となったのです。

サミットは全世界にとって良い結果をもたらすと、私も心から信じています。もう一度、首長様と尊敬すべき王妃様方に感謝を申し上げます。全ての参加者の皆さまに、ご協力してくれた全ての友人たちに感謝をし、サミットの成功を祈り、皆さまに愛と尊敬をこめてご挨拶申し上げます。皆さんに平安と、神のお慈悲、祝福があらんことを。」

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:24817 )