スピーカーを使った礼拝呼びかけ禁止の動き―イスラエル
2011年12月13日付 Zaman 紙


イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルでスピーカーを使ったアザーン(モスクから流される礼拝の呼びかけ)の朗誦を禁止する新しい法案を支持した。

イスラエルのハーレツ紙の報道によると、アヴィグドール・リーベルマン外相率いる『イスラエル我が家党』のアナスターシア・ミハエル議員が「ミュエッズィン(アザーンを唱和する人)法案」を提出した。その内容は、アザーンが騒音を引き起こしていると主張し、イェルサレムをはじめとする国内のモスクでスピーカーを使った礼拝への呼びかけが禁止されるものである。ミハエル議員は、何千人ものイスラエル国民の声を聞いたとし、「法案は、信仰の自由が(他教徒の)生活を脅かしてはならないという、世界共通の観点から生まれたもの」と話した。ネタニヤフ首相もまた、与党リクード党所属の諸大臣との会合後に行った会見でこれに近い所見を述べ、「フランスやベルギーでは、スピーカーを使った礼拝の呼びかけが禁止されている。イスラエルがヨーロッパよりも寛大である必要はない」と話した。しかしこの法案はリクード党の一部の幹部から厳しい批判を受け、これについての党内での話し合いは延期された。

ダン・メリドー副首相は、このような法案は感情を逆なでするだけだと話し、リクード党所属のミハエル・エイタン行政サービス向上相は、「もし騒音対策を目的としているならば、モスク以外の場所(の騒音)も禁止されなければならないはず。しかしミハエル議員は宗教と戦おうとしている」と述べた。エイタン大臣は、この法律が生活環境よりもむしろイスラムと関係があると語った。リモール・リヴナット文化・スポーツ相もまた、騒音対策については現行の法律が存在し、これを適用すればいいと意見した。東イェルサレムのイスラエル化とムスリム系住民の追放に燃えるネタニヤフ内閣は、以前にも不法建築であるとしてパレスチナ人の家を数多く破壊し、通りの名前や地名を変更した。イスラエル政府は昨日も、イェルサレム近郊のパレスチナ人居住区に住宅40棟の新規建設を承認した。ネタニヤフ首相がパレスチナ人居住区への住宅建設を推し進めていることは、中東和平の進歩を妨げる原因となっている。またイスラエル警察は、アル=アクサー・モスクの庭に通ずる、嘆きの壁近くにあるマグリブの門を、「観光客の安全確保」を理由に閉門している。イスラエルのこれらの行動は、聖域「神殿の丘」の管理者であるヨルダンのみならずアラブ・ムスリム世界全体の反発を招くリスクを持つことが指摘されている。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:24834 )