石油メジャーの目は、今、東地中海に
2011年12月14日付 Zaman 紙


トルコは地中海における支配権を保持するために動き出した。アンタリヤ湾についてロイヤル・ダッチ・シェル社と手を結んだ国営石油会社TPAOの「共同掘削調査」の呼びかけに、エクソン・モービル、トータル、ペトロブラス、シェヴロンが「好意的な」返答をした。掘削調査は3つの湾に集中して行われる。

ギリシャ側キプロスがイスラエルと共同で地中海における石油・天然ガス調査に乗り出したことに対してアンカラ政府は、同地域での活動を加速させた。これに関連して、トルコ石油会社(TPAO)は、先週シェル社との契約に調印しアンタリヤ湾でのボーリング調査へ最初の一歩を踏み出した。

国営石油会社は、イスケンデルン湾とメルスィン湾でも探査・ボーリング調査事業のために入札を行った。さらに、国際規模で23の企業への呼びかけを行った。そして同日、世界トップの石油会社のうちエクソン・モービル(米)、トータル(フランス)、ペトロブラス(ブラジル)、シェヴロン(米)がトルコとの地中海での石油探索事業へ名乗りを上げたとわかった。事前要求を受けた後、各企業との2者会談が始まり、今日までの当地域での地震データが共有される予定だ。この段階の後、TPAOにより「了承」を得た企業との話し合いが行われる。

上層部のある関係者は、「この会談の結果、2012年中旬にも国際企業とともに地中海での石油事業のために新しい契約が調印されうる」と述べた。TPAOが地中海での外国企業とのパートナーシップを実現させた場合、国際契約に基づき行われるボーリング調査の全支出は探索を行う企業が支払う予定だ。一方、発見された石油は一定の割合で分配される。TPAOは今日までに調印した契約において、少なくとも5割の配分を得ている。

同情報筋は、メルスィン湾で「岩塩下層」と名付けられた層が存在すると指摘し、「ブラジルで発見されたトゥピ油田に似た構造が存在する。地中海での事業はこの油田の採掘方法を踏襲する」と述べた。アメリカ企業エッソは1986年にイスケンデルン湾で石油を発見した。しかし石油価格が20ドル台であったため、採掘予算を賄うことができないとされ、発見された油井はコンクリートで閉鎖された。TPAOは、「地中海進出」と称されるこの新戦略に従い、この油井でも2013年に一回目のボーリングを行うことを目標にしている。TPAOは地中海において2007年から2010年の間に1万平方キロメートルの区域で2次元の、1千キロメートル区域で3次元の地震調査を行った。

エネルギー省に近い関係者筋は、メルスィンとイスケンデルン地域の「岩塩下層」が石油の存在という点で重要な証拠であるとし、「外国の企業がこの地域に興味を示している1つの理由もこの強力な証拠である。シェルがやって来た。他も関心を示している。この関心の根底にはその構造の特異性がある。外国企業が来ることは非常に刺激となる」と評価した。

1954年に設立されたTPAOはこの10年間、トルコの水域や国外では優先的に近隣諸国に重点を置いてきた。TPAOは黒海で2004~2011年に集中的な地震調査計画を実現し、得たデータの結果において、外国企業との協力体制をつくった。黒海では5つの超深海掘削をはじめ計で28の油井が掘削された。東黒海のシュルメネ-1油井では5480m付近で掘削が続いている。超深海掘削のうち2つでオペレーターとなっているトルコ石油は、超深海でこの仕事をすることができる世界の12の大企業に加わった。一方地中海で進められている地震・地質研究調査では当地域で炭化水素の存在可能性を明らかにするにあたって重要なデータが得られた。専門家たちは「地中海の(資源)埋蔵量について希望はある。しかし明確な数字は無い。掘削ののち明確化するだろう。トルコは海で1パーセント、陸では20パーセントの場所で探査が可能となっている。これも、探査活動が増加すれば石油発見の可能性も上昇するということが忘れてはならない」と意見した。ザマン紙の得た情報によるとTPAOが必要とする地震船に関する高等計画委員会の決定は調印を得るため閣議に付された。この調印が短期間で完了することにより地震船購入の入札日程も早まる。船舶は1億ドル前後の価格になると予想されている。

■98メートルのプラットフォームがチャナッカレを過ぎ黒海へ向かう

トルコは、地中海での石油探査事業に集中すると同時に、黒海でも同様の活動も推進している。昨日パナマの旗を付けた長さ98メートルの石油掘削プラットフォームが、チャナッカレ海峡を通過し、マルマラ海に出た。この間海峡では、安全のため双方からの船の通過が制限された。この掘削プラットフォームに湾岸警察に属する3隻のタグボートも同行した。ギリシャから出発し、72メートルのタグボートで黒海まで輸送されたプラットフォームは、イスタンブルでの海峡通過の準備のためにトゥズラに曳航された。

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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:24848 )