エジプト:タハリール広場の抗議行動の実態
2011年12月23日付 Al-Ahram 紙


■広場の子供たちは加害者か被害者か?
■子供たち:「タハリール広場には、飲み食いしたり、革命家を手助けしたりするため来た」

2011年12月23日 『アル=アハラーム』

【ドゥアー・ハリーファ】

未成年者が、広場での暴力や放火や乱闘を起こしていると非難されている。時には革命のイメージを損ねているとして、会議やシンポジウムが批判をしている。意見は同情的なものから攻撃的なものまで様々だが、広場の未成年者たちは何者だろうか、というのが問題だ。

なぜ彼らは行き、いつ暴力を振るうのか?彼らは本当に、社会全体の安全において加害者か被害者なのだろうか?大抵、理解や分析をする前に、判決や裁定をを下すのが急がれている。

「君は遠くにいろよ。国には物知りな君が必要だ。僕に君たちを守らせてくれ。奴らは広場を僕らから取り上げようとしている。僕らは奴らに立ち向かわなきゃ。」
革命の若者の集団に混じって、子供たちはこんな文を繰り返している。彼らは治安部隊の攻撃や(治安部隊への)ヒット・アンド・ランの時、前面に立つ。多くの場合、流血の衝突が起こって彼らの中から大勢の死傷者が出る。「子供たちは、すべての形態の社会的不正や家族の問題や治安部隊の暴力に苦しんでいる。」アラー青年は言う。彼はストリート・チルドレン(支援者団体の表現を借りるなら「逃げ場のない子供たち」)を保護する社会的施設の一つの出身者である。家族の扱いや、恒常的な虐待の結果、アラー氏はストリート・チルドレンと一緒に路上生活することを好むこととなった。しかし、アラー氏は状況を克服し、現在は専門学校生となり、1月25日革命の最初期の参加者の一人となった。「正義や慈悲や自由が欲しいから、僕は広場に行った。若者には、落ち着いてちゃんと勉強して仕事をして結婚して欲しい。」これがアラー氏が広場にいる理由だ。アラー氏は、治安部隊の逮捕や殴打や暴行に3度あい、内閣庁舎前の事件の際大理石が頭に落ちてきたことにより、頭に17針の怪我を負ったこともある。アラー氏は「多くの子供達が広場に飲み食いや、革命家の手助けをするためタハリール広場に行っている」と説明する。「つまり彼らは、安心感や優しくしてくれる人がいて、自分に価値があると感じているんだ。不正を感じているけど、だけどどういうふうに権利を取得すればいいか分からないんだ。」アラー氏は広場には色々な人間がいて、平和的なデモ隊もいれば、警察や治安部隊と衝突する者もいると語る。また、アラー氏は、「彼らは無学で、治安部隊は彼らを圧迫した。彼らは権利を求めに行った。彼らが焼き煉瓦、時には火炎瓶で(治安部隊に)応戦するのは、治安部隊が革命家に攻撃する場合など、治安部隊が彼らを殴るからだ。」と述べた。しかし、アラー氏は、衝突の時にデモ隊の中に紛れた年長者が、衝突を市街戦に変えようとしていると指摘する。アラー氏は、「治安部隊や軍の攻撃の時、僕らは自衛している。しかしあいつらは突然、破壊のために攻撃や放火をする。その時突然(破壊活動をする)要員が出てきて、中にはオートバイからガソリンを火炎瓶に補給して投げる者もいる。その後僕らに捕まらないように隠れる。」と述べた。アラー氏は人々に、(破壊活動をする)若者たちや子供たちは確実に雇われた者たちだと説明する。アラー氏は、「彼らは言う。『革命は自分たちの利益を損ねたので、騒乱を引きおこしたい、人々は革命を嫌っていると。』」と説明した。しかし彼はこう付け加えた。「僕らが火炎瓶を建物に向けている者を見れば、止めようとする。そして、ここはあなたの国であり、破壊してはならない、とわからせようとする。時々は我々がそいつを殴ることもあるかもしれない。しかし常に見ている訳でも止めることができる訳でもない。なぜなら彼は自分が危険だと思った場合は特に、こちらを殴ってくるかもしれないからだ。」

(後略)

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( 翻訳者:石川貴子 )
( 記事ID:24935 )