ウルデレ事件、参謀本部の発表に平和民主党反発
2011年12月29日付 Zaman 紙

参謀本部はその発表で、「事件が起こったのは、分離主義組織(PKK)のメインキャンプがあり、一般市民が居住していないイラク北部のシナトーハフタヌンの地域だった」と述べた。

参謀本部は、「村人たちが殺害された」との主張を受けて行った発表で、テロ組織の首謀者たちが、最近行方不明者のために、グループの仲間たちに報復命令を出し、これを受け、特にイラク側のシナトーハフタヌンに軍事力強化のために多くのテロリストが送られたという情報を入手していたことを強調した。

発表では、「いくつかのソースから得られた機密情報や技術分析の結果、組織の首謀者を含むテロ組織メンバーが、その地域で集合し、国境警察やトルコ軍基地がある地域に向けて襲撃の準備をしていたことが判明し、関係する部隊に警告した」と述べた。

■テロ組織により頻繁に使用されていた場所

過去の分離主義テロ組織による襲撃において、テロリストが使用した重火器、武器弾薬、起爆剤が運搬用の動物でイラクから運ばれトルコ国内に持ち込まれたことが、降服したテロリストの証言から明らかになったことも伝える参謀本部の発表では、以下のように述べられた。

「分離主義テロリスト関係者がイラク北部から来て、国境近くにある警察や軍事基地を攻撃するという情報が増えたため、監視活動が国境地域で強化された。こうして、2011年12月28日18:39に、無人空軍機により、イラク国内でトルコ国境に向かうあるグループの動きが確認された。そのグループが確認された地域は、テロリストによって頻繁に使用されている場所であり、夜中にトルコ国境に向かう動きが確認されたことを受け、空軍機により空爆の必要があると判断され、21:37から22:24の間に標的を空爆した。事件が起こった場所は、分離主義組織のメインキャンプがあり、一般市民が居住していないイラク北部のシナトーハフタヌン地域である。」

発表では、事件が起こった場所が、分離主義テロ組織のメインキャンプがあり、一般市民が居住していないイラク北部のシナトーハフタヌン地域であることが強調されるとともに、事件について行政及び司法の調査が行われていることも強調された。

■平和民主党(BDP):参謀本部の発表は、虐殺の隠蔽工作だ

BDPの共同党首であるセラハッティン・デミルタシュとギュルテン・クシャナックの署名入りの声明では、シュルナックのウルデレ郡にあるオルタス村の近くで昨夜起こった事件に関し、参謀本部が行った発表は虐殺を隠蔽するためのものだと主張した。

BDPが行った書面の声明では、爆撃により亡くなったとみられる者の大部分は15〜20歳であるとし、「これは、明らかに民間人の虐殺である。ウルデレ虐殺事件はムスタファ・ムーラル陸軍大将が、1943年にヴァンのオザルプ郡で33人の村人を銃殺した事件と同じだ。残念ながら歴史は、その殺人鬼と同じ発想を68年たった今また繰り返し、今回はシュルナック県のウルデレでこの事件を起こしてしまった。20歳以下の35人の子供たち、若者たちが無残にも殺されてしまったのだ。今、この虐殺が隠蔽されようとしている。参謀本部の公式発表は、完全にこの虐殺を隠蔽する目的のものである」とした。

声明では、「この虐殺を強く非難する。国民とともに、広場で民主的な反発をさらに強め、この虐殺やこの虐殺を実行した者たち、この虐殺の責任者たちを逃しはしない」と述べられた。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:25007 )