ベシル・アタライ副首相は、ヴァンへの支援金が現時点で3億240万トルコリラ(約124億円)集まったと述べた。また、ヴァンとエルジシュでは村落部も含め、明日(2日)から初等・中等教育機関が再開されるとし、宗務庁で集められた3500万トルコリラ(約14億円)を用いてヴァンに新たなモスクが建設されるとも伝えた。

地震発生後に行なわれた取り組みを視察するためヴァンを訪れたベシル・アタライ副首相は、現場視察後にヴァン県知事府にて記者会見を行なった。

同副首相は、ヴァン県知事ミュニル・カラロール、ムスタファ・ビリジ及びファティフ・チフチ両ヴァン県選出公正発展党(AKP)国会議員も参加した記者会見にて、あらゆる件において迅速に対応し、冬の間も常時住める住宅(の建築)が継続されていると発表した。

■「村落部における移住の斡旋は完了した」

現在に至るまで、ヴァンには17000のコンテナが運び込まれ、村落部での移住の斡旋も完了したと述べたアタライ副首相は、さらに以下のように述べた。 「ヴァンでは通常だと、6000のコンテナが必要とされていた。しかし11月9日の地震がその需要を高め、その数を12500にまで上げた。ヴァンの市街地では22ヶ所にてコンテナによる街が建設されている。1月8日までには、それらへの移住斡旋の完了を予定している。」

また同副首相は、エルジシュや村落部では損壊の確認作業が終了し、異議申立て期間も数日内で完了すること、そしてヴァン市街地における確認作業も終了したと述べた。アタライ副首相は、さらに以下のように話した。

「異議申立て期間の終了後、400人の技術チームが損壊した建物にて再調査を行う。大規模に損壊した居住住宅のすべてを、集合住宅局 (TOKİ)が立て直す。建設される住宅の所有者には、資金貸し付けがおこなわれる予定だ。(最初の)2年間は支払いが免除され、その後20年間は利息なしでの返済が義務となる。(また)大規模な損壊を受けた仕事場に関する調査は、現在継続中である。中程度の損壊の建物では、2年間は支払いが免除され、その後10年間を返済期間として15000トルコリラ(約61万円)が貸し付けられる。必要な住宅を、われわれは必ず建設する。損壊の少ない建物に対しては、1200トルコリラ(約５万円)を見舞金として出す予定だ。」

■「新たに3984棟の住宅の入札完了、15000棟の建築計画が環境・都市開発省に提出」

地震発生前から建設が継続されていた1708棟の住宅が、迅速に建設完了されたと述べたベシル・アタライ副首相は、新たに3984棟の住宅(の建設のために受注企業にむけ)入札が実施されたとした。また15000棟の住宅建設のために環境・都市開発省に書類を提出したと付け加えて、さらに以下のように話した。

「都市を移転させることはない。常時住める住宅を地盤のしっかりした場所に建設したいと考えている。(そのため)現在の都市は残ることになる。大規模な損壊を受けた建物は非常に多い。取り壊しの必要な建物は、躊躇うことなく取り壊す予定だ。さらには、非常に多くの場所を占有している公共の建物も、都市の周縁部に移転することを考えている。」

アタライ副首相は、大学が早急に通常の状態へ戻るように6700万トルコリラ(約27億円)、県知事府やその他の組織に対しては9650万トルコリラ(約39億円)の資金を送ったとし、以下のように続けた。

「支援金として集められたのは3億240万トルコリラである。これらも毎回公表している。(この額の内訳は)首相府で2億300万トルコリラ(約83億円)、宗務庁で3500万トルコリラ、クズライ(赤新月社)で6440万トルコリラ(約26億円)である。この額は、2012年1月1日時点、つまり今日の時点のものである。現在まで震災のために、緊急支援の助成金も含めて送られたコンテナやその他は、合計で6億4600万トルコリラ(約265億円)相当である。なお、宗務庁で集められた支援金により、ヴァンには新しくモスクを建設する予定だ。」

■「あそこでは市民らに関しておこなうべき事柄があり、それらを行うつもりだ」

記者会見にて記者らの質問にも答えたアタライ副首相は、ある記者がイラク国境での事件(注)に関して質問したに対し、今日はヴァンや地震に関することについてお伝えしたいとし、以下のように答えた。

「事件に関してわずかでもコメントすれば、(この事件のニュースが)地震に取って代わるだろう。この件に関しては別の機会に話そうと思っていることが沢山ある。あそこでも多くのことをおこなうことになるだろう。私は1週間後、再び現場に赴く予定だ。県知事は尽力している。あそこでは市民らに関しておこなうべき事柄が多数あり、それらを行うつもりだ。」

(注)ウルデレでの爆撃事件。

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（ 翻訳者:指宿美穂 ）
（ 記事ID:25040 )