イラン中央銀行、外国為替市場の安定化に向けて対策
2012年01月04日付 Jam-e Jam 紙

中央銀行副総裁「外国為替市場は現在バブル状態にある。一部の利益第一主義者たちが市場を悪用しようとしている」

 最近の外国為替市場の動きに対応する形で、中央銀行は市場に介入すると同時に、預金利率や国債利率の改正を含む抜本的対策を「緊急に」立てる方針を決めた。

 中央銀行総裁は昨日、外貨の市場でのレートが高騰していることに対し、「中央銀行は外国為替市場ならびに金市場に対する最重要計画として、・魅力的な金融手段を利用すること、・市場を安定化させること、・心理的要因を管理すること、の三つを本年度末〔=3/20〕までの数ヵ月間に行う計画である」と述べた。

 同総裁は続けて、「魅力的な金融手段を利用すること」とは、具体的には預金利率や国債利率を上げることだと説明した。

 多くの専門家らは、今年の外国為替市場や金市場などが荒れた根本的な原因は、銀行の預金利率が引き下げられたことにあるとの見方を示している。銀行の預金利率は現在、5年ものの長期預金の15.5%が最大であり、〔イラン統計センターによれば24.8%にまで達したとされるインフレ率を考えれば〕投資家や余剰資産をもっている資産家らにとって、このような数字はまったく魅力がない。

 他方、国債の利率は17%に上昇しているものの、国債への人気も金融市場の関係者の間で高まってはおらず、発行された国債の多くが、発行者の手元に残ってしまっている。この人気のなさは、金融市場の当局者たちが提示しているよりももっと高いリターンを、投資家たちが期待していることを示している。

 言うまでもなく、預金利率を決定するのは、通貨信用評議会の権限であり、中央銀行はこの評議会のメンバーの一人にすぎない。数週間前にも、中央銀行は預金利率の引き上げを同評議会に諮ったが、同意を得られなかった。しかし最近の市場の動きを考えれば、〔‥‥〕同評議会が近日中に銀行預金利率の引き上げに同意する可能性も高いだろう。そうすれば、外貨や金の市場における投資家たちの利ざや熱にも、冷や水がかけられるかもしれない。

 このような中、バフマニー中央銀行総裁はファールス通信とのインタビューの中で、「中央銀行は安定と静けさを市場に取り戻したいと考えている。〔外国通貨や金の〕価格を低下させるよりも、バランスと安定、静けさを確立することの方を、優先課題としている。というのも、経済関係者は〔事業〕計画を立て、リスクを低減させるためには、何よりも安定を必要としていると、われわれは考えているからだ」と述べている。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:25070 )