Mehmet Y.Yilmazコラム:義務教育12年化の真の狙いは、宗教系学校中等部の復活だ
2012年01月06日付 Milliyet 紙

国民教育省が8年間一貫の義務教育制度を段階別に分けた制度に変える法案を準備していることが明らかになっている。これが成立すれば、義務教育期間は12年に延び、「中等教育(訳者註:日本の高校にあたる)」も義務化される。

新しい制度では、すでに義務化されている初等教育が4+4の2段階となり、さらに中等教育の4年間も義務化される。これにより、義務教育制度は4+4+4の12年となり、「基礎教育」という名称に変更される。
このような制度がなぜ必要なのかというと、前期4年間の課程を終了した生徒が、希望した場合に他の学校の後期課程で教育を受けることができるようにするためである。
職業学校(リセ)の中でかつて「中学校(オルタオクル)」と呼ばれていた課程が新たに復活し、生徒が希望すれば、義務教育前期4年の後に職業学校に通うことも可能となる。
目的はもちろん、「職業教育を希望する生徒に低学年から機会を与えること」とされている。
しかし、実際の目的は宗教系学校(イマーム・ハティプ学校)の中等部を復活させることだ。
1997年から始まった12年間の義務教育により、生徒らがこの学校に通うのが可能になるのは、教育を受けてから13年目からであったが、今後は希望すれば5年目からこの宗教系学校に通うことができるようになる。
これは、国民教育省がすべての教育システムを近代化しようと努力せずに、問題を単に「宗教系学校の問題」に矮小化しようとすることの結果である。
我が国の職業教育は、今日の社会の求めに応じたものとはなっていない。真剣に対処することが必要である。
教師の質を上げることや職業教育が必要とするあり方を見いだしていくという問題は、またもや置き去りにされている。
生徒たちを未熟なまま大学の門のところまで連れて行き、そこに置き去りにするようなシステムが、あたかもとてもいいシステムであるかのように守られている。
国民教育省が予算審議の際、予算を増やし、この新制度への移行に必要な費用の獲得を図るということは見落とされている。
つまり私が言いたいのは宗教系学校のことばかり考えているということだ!彼らが興味を示すテーマはこれだけなのだ!
トルコの最も価値ある宝とみなされるべき若者を、時代の必要性に合わせて教育することをせず、宗教教育をそれよりも優先するというのは、トルコの将来を裏切ること以外の何物でもないのだ!

(中略)

■KPSS(公務員試験)スキャンダルを質問した人はいたのか?

国家諜報機構(MİT)のハカン・フィダン次官は昨日記者らをMİTに迎え入れ、いろいろ語ってくれた。
私は大変気になった。彼に次のような質問をした人はいたのだろうか。
「首相はKPSSで問題を盗んだものを見つけ出してほしいと望んでいた。しかし、いまだに検察にはこの件に関する情報が渡されていない。MİTは、多くの情報ルートを持っているのに、この件において情報を得ていない理由とは何なのか?」

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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:25089 )