この写真のせいで、展覧会中止に―イズミル
2012年01月11日付 Radikal 紙


イズミル広域市のイズミル芸術センターで開催された展覧会において、3点の写真作品が複数の報道機関で批判され、これにより市が作品を除外したことが芸術家たちの波紋を呼んだ。展覧会を主催するイズミル写真家連盟(İFOD)のメンバーは今回の措置が検閲にあたると訴え、問題となった作品以外についても展示を撤回したため、展覧会は中止に追い込まれた。

イズミル写真家連盟(İFOD)は今回の展覧会開催にあたり、「矛盾」というテーマの写真を同メンバーに募集していた。展覧会には48人の写真家から作品が寄せられ、İFOD本部はそのうち33作品を選出した。展覧会は1月3日にエキシビジョンセンター内にあるイズミル芸術センターで開会した。しかし、1月6日に、トルコ国内の報道機関が同展覧会の3作品について、宗教的、社会的価値観に反するという内容を含む記事を掲載した。また、1月8日(日)には別の国内紙2紙も「宗教的価値観に対する侮辱を含む写真展にトルコは大騒動」という見出しでこの展覧会を取り上げた。1月9日(月)にはイズミル広域市の担当者が当該の3作品を撤去した。

イズミル写真家連盟(İFOD)メンバーは今日(11日)、イズミル広域市のイズミル芸術センターの前に集まった。İFODメンバーは、問題となっている3作品とともに他の作品も展覧会から撤回することで今回の処置に対する批判を表した。また、İFOD代表ベイハン・オズデミル氏は次のように話した。

「様々な報道機関による根拠のない扇動的な記事を受けて、イズミル広域市は(作品に対して)検閲を行った。そして、İFODの認知もないままに3作品を展覧会から撤去し、お蔵入りさせてしまった。イズミル広域市の担当者らは、これらの写真が、市の権限により展覧会から撤去され、展示は許可できないと述べている。これにより、広域市の職員の傍には、芸術の専門家と検閲組織が控えていることを私たちに示した。民主主義の下ではこうした行為を『検閲』と呼ぶ。」

■ 「İFODは四半世紀の間このような検閲を受けたことはなかった」

イズミル写真家連盟(İFOD)のベイハン・オズデミル代表は、(自分たちは)以前から何百回も展覧会を開催しており、世界中のあらゆる場所で様々な写真展を行ってきたと話し、「今回の検閲を受け入れることはできない。私たちは写真家として、決して宗派の差別を行ってこなかったし、そもそもそんなことは出来ない。しかし、いくつかの写真作品が一部の人を不快にさせたようだ。今回の検閲の実施に抗議するため、我々はエキシビジョンセンター内にあるイズミル広域市イズミル文化センターでの写真展『矛盾』への出品を撤回すること決めた」と話した。

「好ましくない」とされた作品の中には、スカーフを巻いた女性のビキニ姿の写真や2人の男性が口づけする写真、髪をスカーフで覆った2人の女性が互いの唇を近づけている瞬間を収めた写真がある。2人の男性の口づけの写真を撮影したバルシュ・バルラス氏は、「メキシコを訪れたときに撮った実際の写真だ。メキシコ滞在中に地下鉄でここに写っている1組の男性がキスするのを目にし、写真に収めた。これはトルコでは不適当な行為ではある。しかし、多くの国では標準として受け入れられていることだ。この写真がなぜこんなに波紋を広げているのか、私は意味を見いだせない」と語った。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:25154 )