サンタクロースの衣装で子供を励ました医師に、取り調べ!
2012年01月13日付 Radikal 紙


ブルサのムダニヤ郡で、年明けに手術を受けたゼイネプ・スデ・カヤちゃん(8歳)を励ますため、一般外科のイルケル・シャーヒン医師は、サンタクロースの衣装を着用し、看護師たちと一緒に彼女の自宅を訪問した。これについて、「病院で(不審者が)サンタクロースの衣装を着て歩き回った」との苦情があり、取り調べが始まった。

保健省により「こども病院」に認定されているムダニヤ・シャズィイェ・リュシュテュ国立病院で、イルケル・シャーヒン医師は一般外科医を2年半務めている。彼は、低出生体重や低身長を特徴とする「シルバーラッセル症候群」と闘うゼイネプ・スデ・カヤちゃんに対し、年明けに治療の一環で、顎を大きくする手術を行った。シャーヒン医師は、手術は成功したものの、新年を祝えなかったゼイネプ・スデちゃんを励ますため、彼女の治療に関わる全部で15名の看護師と他の医師の同僚とともに、サプライズをすることに決めた。

彼女の母、アイスン・カヤさんのサポートで、看護師ごっこをしていたゼイネプ・スデちゃんのために新年のプレゼントを用意した一行は、病院でサンタクロースの衣装を着たイルケル・シャーヒン医師とともにゼイネプ・スデ・カヤちゃんの家へ向かった。勤務時間外に行ったこの訪問の際、医師がサンタクロースの衣装を着ているのを見て、袋いっぱいのプレゼントをもらったカヤちゃんは、とても喜んだ。小さな少女は、その気持ちを「あなたは世界でいちばんカッコいいお医者さんだわ。サンタクロースの衣装を着て、プレゼントを持ってきてくれてありがとう」と話した。

■2週間後、「取り調べ」の衝撃

小さな少女を喜ばせ、幸せな気持ちで家を離れたイルケル・シャーヒン医師と同僚らは、その2週間後、(この少女の)自宅訪問によってブルサ県保健局から取り調べを受けることとなり、ショックを受けた。ブルサ県保健局は、病院内でサンタクロースの衣装で歩く必要性について捜査を始め、イルケル・シャーヒン医師は昨日(13日)病院を訪れた捜査員らに事情を説明した。シャーヒン医師は、「病院内をサンタクロースの衣装で歩き回るようなことはしていません。自分の部屋で衣装に着替え、ゼイネプ・スデちゃんの自宅に行くため同僚たちと一緒に病院を出ただけです。この捜査は何の意味もありません」と主張している。

捜査員はイルケル・シャーヒン医師と一緒に、ゼイネプ・スデちゃんを喜ばせるため、一緒に彼女の自宅を訪問した他のスタッフたちの説明も聞いた。また手術のため、6か月間寝たきりで、鼻から栄養をとる必要のあるゼイネプ・スデ・カヤちゃんを病院に連れてきて話を聞いた。質問に答え、気を落としたゼイネプ・スデ・カヤちゃんは、家族によって気をとりなおし、病気の治療をここで行うため、イスタンブルのマルマラ大学医学部病院に搬送された。

■「苦情を受け、捜査を始めたのです」

事件に関する捜査をの開始を通達した、ブルサ県保健局長のオズジャン・アカンは次のようにコメントした:

「我々は市民の『病院でサンタクロースの格好をした人が歩いている。どういうことなのか』という苦情を受け、捜査を開始しました。この人物が誰で、なぜそのような格好をしていたのかを知るために行ったことです。小さな少女を訪問することに関する情報はありませんでした。ゼイネプ・スデちゃんが説明を行うために病院に連れてこられたという報告は受けていません。この件に関して必要な調査を行いましょう。」

イルケル・シャーヒン医師と15名の同僚が関わったこの事件は、実話をもとにした映画「パッチアダムス」に似ている。ロビン・ウィリアムズが主演したこの映画では、一人の医師がユーモアのある方法で治療を行う一方、病院関係者がそれを妨害するというストーリーになっている。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:25183 )