マルマラ地方で大停電
2012年01月14日付 Hurriyet 紙

イスタンブルで停電によって地下鉄と路面電車の運行が数時間停止した。イスタンブルの多くの区、イズミト、アダパザル、エディルネ、クルクラレリ、テキルダーで停電が発生した。トルコ最大の県があるマルマラ地方では6県で2000万人以上が影響を受けた。トルコ電気株式会社(TEİAŞ)は19時15分に通信システムが正常化したことと停電が終わったことを発表した。イスタンブル広域市の担当者は、停電によって天然ガスの供給が止まっているとして、ボイラーを止めてしばらく使わないようにと警告した。

ブルサの天然ガスコンバインドサイクル発電所で起こった不具合によって相互接続システムが壊れ、イスタンブル、サカルヤ、コジャエリ、テキルダー、クルクラレリ、エディルネの各県で一時停電が起こった。冬の凍るような寒さの中、約3時間暖房がとまり、交通麻痺が発生して地下鉄も止まった。工業施設では生産が停止した。ブルガリアから購入された電力が相互接続システムに接続され、アムバルル火力発電所から供給されることで居住区に電力の供給が再開された。

トルコの電力供給の10%を占めるブルサ天然ガスコンバインドサイクル発電所の配電装置で13時43分に不具合が起こった。これによってトルコ電力株式会社のブルサとアダパザルの高圧線で不具合が起こりこの送電線から電力供給を受けるマルマラ地方の広域でエネルギーの供給が止まった。さらにリュレブルガズ・ハミタバト・コージェネレーション発電所の15万ボルトの変電所で不具合の影響によってイスタンブルを始めとしてサカルヤ、コジャエリ、テキルダー、クルクラレリ、エディルネの各県で停電が発生した。

■ブルガリアから購入の電気、流通へ

ブルガリアからのエネルギーの購入によって14時15分以降地域に電力の供給が再開された。イスタンブルと周辺都市にはイスタンブル・アンバルル火力発電所から供給が行われた。16時30分には停電の80%は解消され、19時には90%が解消された。

トルコ電力株式会社の担当者は全ての居住区に継続して電力を供給する努力を続けると述べた。

■工業生産に打撃

トルコの工業の原動力となる施設があるコジャエリとイスタンブルでは停電によって多くの施設で生産が止まった。500以上の大規模な工場があるコジャエリでは停電によって、備えのなかった工業施設で生産が停止した。予備発電機を持たない工場は生産を完璧に停止させ、ディロヴァスの金属工場では製鉄所の生産が止まり、溶鉱炉も冷めた。

■地下鉄・路面電車の運行が数時間停止

停電によって13時43分から地下鉄と路面電車の運行が停止した。地下鉄と路面電車の停留所にやってきた市民は他の公共交通機関に向かわされた。運行が停止された地下鉄と路面電車の路線のルートで市民はバスとミニバスを代替としたため交通機関では混雑が起こった。

イスタンブルでの停電によってカラキョイでは路面電車が路上で停止した。市民の一部は路面電車を諦めず長時間、電力の回復を待った。駅員らも状況について市民に警告を行った。
16時30分から全線で地下鉄と路面電車の運行が再開された。

■信号不具合によって幾つかの路線で地下鉄運行停止

停電後、地下鉄のシシハネ・タクスィム・ハジュオスマン線で信号トラブルによって運行が停止していた。

■停電で交通が混乱

イスタンブルで降った雪も交通に混乱をもたらした。降雪に加えて起こった停電は交通機関の状況を更に困難なものにした。この原因は「信号機の停止」だった。停電によって大通りの信号機が機能しなくなった。信号機の停止によってどうすべきか混乱した運転手らが交通の支障をもたらした。

■電力の供給再開

イスタンブルの多くの郡で14時45分から電力の供給が再開された。

■停電の原因

トルコ電力株式会社(TEİAŞ)は発表を行い停電の原因を次のように述べた。「13時42分に天候の悪条件によってブルサ天然ガス発電所でアダパザル送電線に属する配電装置の爆発によってハードウェアの不具合が起こり、これによってアダパザルからイスタンブルに至る送電設備で不具合が起こった。この結果アダパザルからババエスキまでの電力システムで停電が起こった。14時45分から徐々にシステムの回復が始められ16時15分にはシステムの80%の部分で電力が供給された。残る地域でも早急に電力復旧が完了される。」

■ブルサで不具合の連鎖影響

ヒクメト・トゥランTEİAŞサカルヤ支部長は、ブルサ発電所の高圧配電で不具合によって38万ボルトのシステムが停止したと述べた。トゥラン支部長は、これがサカルヤ、コジャエリ、イスタンブルとトラキヤ全域に影響を与えたと明らかにした。

ヒクメト・トゥルハン支部長はアダパザルがイスタンブル・アナトリア双方につながる全ての送電線の通過ルートであると説明し、「ブルサでの爆発後連鎖反応が起こり14時にはアダパザルで切断されたことで地域的な停電が発生した。16時にはこの不具合も解消され地域の電力システムが回復した」と述べた。

■イスタンブル住民にボイラーに関する警告

不具合によって天然ガスも使用できないため、休日を自宅で過ごす市民たちは帰宅している。イスタンブル広域市は、「天然ガスが供給できていない。ボイラーを停止し、しばらく使用してはならない」と警告した。

イスタンブル広域市による発表では次のように述べられた。「ボイラーを停止しなければ停電の解消後、止められたシステムが一度に動き始め天然ガスの需要が一気に跳ね上がる。この高騰は建物の前のガスメーターに悪影響を与え様々な不具合を引き起こす。イスタンブルガス公社(İGDAŞ)はこの問題について必要な対策を取り、必要に応じて補強チームを形成し起こりうる不具合に緊急に備える準備を完了させた。契約者がこの問題に関心を持ち、電力が回復するまでボイラーを停止させておくことが重要である。」

■知事「技術的な問題」

ヒュセイン・アヴニ・ムトゥル・イスタンブル知事は停電に関して、「技術的な問題であり短時間で解決される」と述べた。

■配電各社の電話がパンク

停電後市民が担当の配電会社に電話をかけたことで電話回線がパンクした一方、ボスフォラス配電公社(BEDAŞ)を始めとするいくつかの配電会社のwebサイトにも一時的にアクセス出来ない状態になっている。

■世界はヒュッリイェト紙を情報源に

トルコの停電を世界に最初に配信した国際ニュース機関はAFP通信だった。

AFP通信は情報ソースとしてヒュッリイェト紙のwebサイトhurriyet.com.trを示し、トルコ北西部の5つの都市で停電が発生しイスタンブルでは地下鉄と路面電車の運行が停止したことを伝えた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:25201 )