婚前のエイズ検査、いまだ実施されず
2012年01月07日付 Jam-e Jam 紙

新生活を始めるにあたり、結婚前にエイズ検査をうけないのは危険であると考える人たちがいる一方で、専門家らはこの検査を不要と指摘

【社会部・マストゥーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】近年のエイズ感染者数の増加は、あらゆる人々に懸念を与えているが、しかし新たにエイズに感染していることが判明した人の50%以上が25歳以下であることが発表されたことで、こうした懸念は特に〔子ども・若者のいる〕家庭で数倍にもなっている。というのも、婚前にエイズや肝炎のような病気の強制的検査が行われていないために、結婚する人の多くが自らの病気に関して無知〔なまま所帯を持つ危険性〕があるからだ。〔‥‥〕

 婚前エイズ検査の義務化に賛成する人々は、「この病気に感染した人の数が増加しており、また結婚適齢期にある若者の人口〔が多いこと〕を考慮するならば、この検査を義務化することで、一方でHIVウイルスに感染した子供の誕生が予防され、他方で家庭に安心を与えることができる」と考えている。

 現在、国内の最新のエイズ感染者数は約23,125人である。WHOの発表によれば、どの国でもエイズ感染者の実際の数は公式統計の約4倍であるとされる。

 この統計によれば、イランのエイズ感染者の内訳は、女性が8.5%、男性が91.5%である。また、エイズの感染経路は麻薬常習者の注射のうち回しが69.8%、母子感染が0.8%、不明が18.3%で、性的接触が10%と報告されている。

 現在、若いカップルは結婚前にサラセミアや麻薬常習に関する検査結果を結婚登録所に提出しなければならないが、結婚のためにエイズ検査を受けることは義務化されていない。

 しかし、〔婚前のエイズ検査を〕家庭が歓迎していることに鑑みるならば、次のような疑問が提起されるだろう。すなわち、エイズ検査の義務化の実現可能性はあるのか、そしてこの検査の結果はどのくらい信用できるのか、という疑問だ。

信用できない検査

 エイズの強制検査は世界中でもほんの一部の国で実施されているにすぎないようだ。一方で、HIVウイルスもそう簡単には「尻尾を出す」ことはしない。

 保健省感染症センター所長のモハンマド・メフディー・グーヤー博士は、婚前のエイズ検査実施〔の義務化〕は不要との立場を取る一人である。同氏はジャーメ・ジャム紙に、「こうした検査は、子どもを作れる年齢層におけるエイズ感染者の数が5%に達する国々では義務化されているが、現在我が国では、子どもを作れる年齢層でのこの病気の患者数は、まだ1%以下である」と述べている。

 グーヤー氏はまた、「その一方で、ある人のエイズ検査の結果が陰性であっても、その人は症状が出ない時期にいるだけである可能性もあるのだ」とも指摘する。

〔‥‥〕

検査よりも教育

 婚前のエイズ検査の義務化については賛否両論があるものの、すべての若者にエイズ感染の予防法を教え、婚外交渉の自制を促し、危険に満ちた行動の抑止の必要性を周知させるべきだという点で、いずれの立場も一致している。

 こうした意見によれば、婚前のエイズ検査は健康についての安心を得るために、各カップルが自主的に行うべきものであり、〔国としては〕青年層向けの公共教育に必要とされる道具立てを整えることが適当だとされている。

Tweet
シェア


関連記事(バンドペイ議員、結婚前のエイズ検査の義務化を提案:「結婚週間」を控え)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:25245 )