イラクのクルディスタン民主党幹部「ノールーズに独立宣言」報道を否定
2012年02月07日付 Radikal 紙


トルコに滞在中のクルディスタン民主党外務担当ハウラーミー氏は、「バルザーニー北イラク・クルド自治政府大統領がノールーズにクルディスタンの独立を宣言する」という旨の報道を否定した。一方、公正発展党(AKP)のオメル・チェリキ副党首は、北イラクにあるクルド自治政府をあらゆる側面から支援するとし、「PKKテロ組織によるトルコの治安を脅かすテロへの対応で、北イラク政府の支援は大変重要だ」と述べた。

チェリキ副党首は、北イラク自治政府与党のクルディスタン民主党(KDP)外務担当ヘミーン・ハウラーミー氏を団長とする代表団と、公正発展党本部で会見した。

会見ののち共同記者関会見をひらき、そのなかでチェリキ副首相は、AKPとKDPの関係強化をたいへん重視していると述べ、KDPの党大会にAKPが代表団を送ったこと、またエルドアン首相のイラク訪問の際にも北イラクのクルド自治政府のメスート・バルザーニー大統領と重要な会見を行ったことに言及した。
チェリキ副党首は、ハウラーミー氏との会見により、KDPとAKPの間の幹部会談のひとつがさらに実現したとのべ、会談でトルコとイラクや北イラクとの関係、AKPとKDPの関係について意見交換が行われたと述べた。そして、「AKPとして、KDPとの関係強化を考えている」とし、次のように続けた。

「この協力関係は単に政党間の形式的な関係に留まらない。両党の女性支部や青年部の間での交流を進め、人々の融合を目指した関係が築かれることを目指している。文化、経済、政治など全体的な交流を行う。トルコは、北イラクの安全、発展、経済的な向上を重視している。我々は、KDPの地域問題への戦略、イラクの一体性を維持する戦略を重要ししており、支持している。この地域で重要な変化がおこりつつある現在、KDPは、その平和的な戦略により、地域の多くの政治運動に対しその手本となるべき将来像を提示している。最近では、バルザーニー大統領がシリアのクルド人と行った会合は、イラクで示した平和的な戦略をシリアサイドが検討する上で、重要な機会となった。」

また、PKKによるトルコの安全を脅かすテロ(への対応)に関しても、北イラク政府からトルコへの支援は重要であるとし、次のように続けた。

「バルザーニー大統領による「PKKはトルコと北イラクの関係発展を阻害している」という発言は、トルコの人々に深い感銘を与えた。PKKテロ組織による、トルコの安全を脅かすテロに対し、北イラク自治政府からトルコへの支援は大変重要だ。イラクのマーリキー政府による宗派主義的政策が、イラクとトルコの関係に与えたダメージについては、エルドアン首相により明確かつ鮮明に表明された。イラクの安定、イラクの明るい将来のためにも、イラクの政府は、常に民族や宗派にもとづく政治の強行を回避しなくてはならない。イラク中央政府の宗派や民族の対立をあおる展開に対し、北イラク自治政府が、イラクの位一体性を重視し、一体性を確保する方向で行った発言は、非常に重要である。

イラクの危機が交渉により解決するよう、各政治グループのリーダーが一堂に会するよう求める。バルザーニー自治政府大統領の呼び掛けによる会合がアルビルで開催されることをトルコは支持する。イラクにはいくつかの問題地域がある。それらの地域に関する問題の解決に関し、トルコは建設的な役割を担う用意がある。トルコ系住民の権利を監督するという役割をになう。北イラクのクルド人兄弟が、スンナ派アラブ人やトゥルメン(トルコ系住民)との関係を好転させるよう、できる限りの協力を行う。KDPとの協力関係は、最大限のレベルであらゆる分野で実現される。」

■ハウラーニーKDP外務担当

北イラク自治政府のKDP外務担当ヘミーン・ハウラーニー氏も、AKPとKDPの関係強化のため今回の訪問を実現させたとのべ、この良き関係を平和のために使いたいと述べた。

「我々からのメッセージは、平和、そして民主主義のためのものである」とするハウラーニー氏は、暴力が誰の役にもたたず、いかなる政党であろうと暴力では平和は保てないと述べた。

トルコが北イラクやイラクの現状にとって非常に重要な戦略的パートナーであるとするハウラーニー氏は、トルコとより強固な政治的経済的関係を築きたいと述べた。

KDPとしては、イラクの現在の問題の解決のために努力しており、イラク憲法にもとづく問題の解決を望むと発言し、「イラクは、かつてのように、1人の人物、1人の政党によって統治されてはならない。全民族集団が統治に参加すべきだ。それが、イラクをより強固なものとするだろう」と述べた。

シリアのクルド人については、KDPとしていかなる主張も強要するものではないとするハウラーニー氏は、シリアのクルド人は自分たちの将来を自分たちで決めるべきだと信じると述べた。

ハウラーニー氏は、「我々は彼らが統一したシリア、民主的なシリアであることを望む」と述べた。エルドアン首相が、地域の問題に関し、非常に勇気ある行動をとっており、それを称賛すると述べたハウラーニー氏は、「アルビールで、クルド人が差別される時代は終わった。シリアでも、問題が暴力で解決される時代は終わった。我々KDPは全ての問題が平和的手段で解決されることを望んでいる」と述べた。

ハウラーニー氏は、新聞記者からの「バルザーニー自治政府大統領が、ノールーズにクルディスタンの独立を宣言するという報道がある。これは本当か」という質問に対し、「これらは、根拠のない報道だ。北イラクは、イラク憲法にもとづきイラクの一部であり続ける」と返答した。

チェリキ副党首は、他の質問に対し、シリア問題ではアラブ連盟の決定をまっており、シリア問題解決のために国際会議がトルコで開かれることになればうれしく思うと述べた。チェリキ副党首は、会議になるべく多くの参加者が得られることが有益だと述べた。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:25470 )