シリア人の観客が日本代表を応援!?
2012年02月05日付 al-Quds al-Arabi 紙

■アンマン競技場でシリア人サポーターが日本代表を応援。アサド大統領支持者は応援を中断して大統領を賞賛するシュプレヒコール

2012年02月05日 『クドゥス・アラビー』

【アンマン:マナール・シャミラ】

シリア国民が抱えている矛盾がヨルダンの首都アンマンのサッカー競技場に伝染したことは、奇妙であると同時に非常に注目を集めた。 反政府派のシリア人らは日曜日〔5日〕の昼、自国の公式なサッカー連盟に属する代表チームと対戦した日本オリンピック代表チームの方に声援を送った。数十人のシリア人が母国と対戦する日本を応援したことに対して、数十人のバッシャール・アル=アサド大統領支持派は大統領の大きな写真を何度も振り回し、試合を差し置いてアサド大統領を賞賛するシュプレヒコールを叫ばざるを得なかったと、両者の矛盾を観察していた『ハッビルニー』新聞は電子版の特集記事で伝えている。試合は2対1でシリアチームの勝利に終わった。本紙が把握したところによれば、自国チームを応援していたわずか15人の日本人は、数十人のシリア人が日本チームのために声援を送ったことに驚いたという。この自国民の敵チームに対する声援は、シリアチームの闘志に火をつけた。なお、試合はアンマンで二番目に大きいクワイシマ・スタジアムで行われた。

ヨルダン・サッカー連盟は、昨今の情勢のためにシリアでの試合開催が不可能なことから、開催場所を提供する準備をしていた。

一方、現地の報道によると、過去2日間でシリア人家族数十世帯がヨルダンに避難してきたという。両国間に位置するジャービル検問所は、混雑と非常に多忙な状況に悩まされており、ヨルダンの国境・税関当局は、シリア人家族数百世帯の受け入れのために職員の増強を余儀なくされた。というのも、先般ホムスで起こった虐殺の直後から、自発的にヨルダンに向かう動きが増えたためである。

ヨルダン政府は、今のところいかなるシリア人避難民の受け入れも拒否していないようだ。政治的な決定によりシリア人に対して入国と滞在に関して便宜が図られている。また、ヨルダン東部地域の近くでは、少なくとも2万人のシリア人避難民を受け入れるために3つのキャンプの設置準備が終わった。国際的な支援を受けるこれらのキャンプは、非常に際だった設備を備えている。

これらのキャンプは、貧しいシリア人避難民に割り当てられることが想定されている。一方で中間業者によれば、首都アンマンの郊外に裕福な資産家世帯が数多く避難してきたことにより、ヨルダン不動産市場は幾分活気づいているという。

ロシアと中国による悪名高い拒否権に対して、ヨルダン国内のシリア人反体制派運動は、座り込みと抗議活動の場所を、厳戒態勢が敷かれているシリア大使館からアンマンの国連事務所の入り口へと移した。一方でヨルダンのイスラーム運動は初めて大衆運動を組織し、中国・ロシア製品のボイコットを呼びかけた。これは、4日に〔同国の〕ムスリム同胞団の最高監督者ハマーム・サイード師が出した声明の趣旨に応じて行われた措置である。

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( 翻訳者:石川貴子 )
( 記事ID:25484 )