シリア:アレッポではバレンタインデーはなし
2012年02月14日付 al-Watan 紙


■アレッポではバレンタインデーはなし

2012年02月14日『アル=ワタン』

【アレッポ:ハーリド・ザナクルー】

今日[14日に]訪れるバレンタインデーを祝う光景はアレッポの町では消えた。先週金曜日[10日]に町を狙った2件の爆弾テロで亡くなった犠牲者たちや、国内のいくつかの地域で起きた暴力行為によって犠牲となった、軍人、市民のシリア人犠牲者を悼んでのことである。この時期を祝う場所の責任者たちは、かれらの一部はすでにバレンタインに向けて準備して、通りの看板や新聞に広告を出していたのだが、殆どは二流であるミュージシャンとサインした契約をキャンセルするなど、お祝いの企画をやめた。「アレッポで血が流れたのに、バレンタインデーを祝うのは時期がふさわしくない。そこで、我々はショーをやめて、アーティストとの契約をキャンセルした。そして、時期に合わせた特別なイベントを提供しないで、ほかの日と同じように夕食をとることに限ったんだ。」と、あるレストランのオーナーは本紙に語った。

爆発が起きたここ数日、レストランやカフェの需要は最低に落ち込んだ。オーナーたちは今日のバレンタインデーに目立った予約は望めないとしている。「犠牲者の家族との連帯から、それがどんな機会に対するものであろうともお祝いの光景はない。」とその考えを支持する医者の一人は述べた。

商店のショーウィンドウは暗い色の掘り出し物やプレゼント、洋服などがディスプレイされていて、暗く感じられる。アレッポのような保守的な社会の慣習には、刷新といった類のものはそぐわないと以前はみていた社会階層の間で、バレンタインデーを祝うことが定着したここ10年は、いつも赤い色に染まったのだが。

「この時期に特別に買うクマやハート型の赤いプレゼントのディスプレイは取り除きました。人々がお祝いを慎み、犠牲者を悼むと言っているのに合わせて、不適切なこの時期にディスプレイしようという考えは捨てたのです。」と、アル=ジャミーリーヤ地区にあるギフトショップのオーナーは話した。ほとんどのばらを売るお店が、バレンタインを表す赤いバラのディスプレイを控えている。通りからそれを売る姿が消えた。いつもはバレンタインの2日前には活気づいていて、これまでなら良い数字を売り上げるのだが。

また、恋人たちの好みを満足させるためにこの時期に準備されていた赤い色の服もお店のショーウィンドウから消え、そこを暗い色が占めている。「恋人たちのお祭りの特別な衣類の販売損失に耐えてでも、人々の気持ちに応え、尊重しているのです。」とアッ=ニール通りのある店主が本紙に語った。

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( 翻訳者:松尾愛 )
( 記事ID:25547 )