Güven Sakコラム:貧困とシンナー中毒の子どもたち
2012年02月21日付 Radikal 紙

トルコでは子どもの4人に1人が貧困家庭で育っている。児童貧困のOECDの平均値は12.6%である。

OECDのデータによればトルコは児童貧困(率)のもっとも高い国のトップに位置している。首相は先日、「あなた方は若者たちがシンナー中毒になることを望んでいるのか」と野党に向けて発言した。私はそんなことを望んでいないし、首相だって望んでいないことはわかっている。
しかし来て見てほしいのだが、データは現実を示している。シンナー中毒者は貧困下の子どもたちだ。路上に暮らす子どもたちだ。
児童貧困はOECDのデータによれば、トルコにおいてここ10年間で増加傾向にある。
今日はこの数字から私が何を理解したかを説明しよう。中学校のディベートのように、意味もなく話し合い何かを提案する代わりに、これらの数字を検討し政策を作り出さねばならない。私も協力しようではないか。「知っていたのに何で言ってくれなかったんだ」とは言わせない。

OECDの児童貧困報告書の最新版は昨年末に刊行された。この報告書はOECD各国を児童貧困の観点から比較している。
報告書では18歳未満の子どもたちで、世帯の可処分所得に資することなく生計を一にする必要があるものたちを対象にしている。その上で、世帯の可処分所得を世帯人員数を考慮しながら比較できる等価インデックスに調整する。世帯の可処分所得には金銭的支援も含める。そして最終的に、等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯の子どもが貧困児童と定義される。つまり、この児童貧困とは、18歳未満で、総児童人口のうち、貧困世帯で育つ子どもを定義するためのものであるといえる。
OECDの報告書によれば、トルコにおける児童貧困率はおよそ23.5%の水準にあるという。
これは何を意味するのだろうか。
トルコにおいて4人に1人の子どもが貧困世帯で育っていることを意味している。OECDの児童貧困率の平均は12.6%だ。
トルコは2008年のデータによれば、何はともあれ、そのOECDの平均値の2倍である。北欧諸国では児童貧困率は一桁水準にある一方、トルコ、イスラエル、メキシコ、アメリカは20%を超える水準である。
1995年から2008年にかけて、もっとも増加率が高かったのは12.1%でイスラエルである。トルコにおける児童貧困の増加率は、同時期に3.9%を示している。
この報告書はhttp://bit.ly/bk52kpで参照することができる。

報告書の図表をみれば、人はいくつかの結論を出したくなるものだ。
最初の結論は明らかだ。トルコでは貧困世帯における子どもの数が増加している。これを、貧困世帯における出生率はほかより高い、と読み替えることも可能だ。同じ数字の分布からは、例えばディヤルバクルにおいて児童貧困が非常に重要な問題になっているということも確認できる。
児童貧困はトルコにとって最重要問題になりうるものである。国家の今日ではなく、明日にとって。
そして言い忘れたが、路上で暮らしシンナー中毒になるのは基本的にこのグループから生じている事実があるのだ。
貧困世帯の子どもたちは、競争に何歩か遅れて後ろから参加するために、教育やヘルスケアといったものからも十分に恩恵を受けられずにいる。結果的に国の能力が先細りしてしまう。これが1点目である。

2つめの点に移ろう。
なおも先ほどのOECDの示すところによれば、母親も就労する世帯が増加するにつれ児童貧困率は低下する。つまり、トルコのような女性の労働力参加に深刻な障壁がある国では、今後、児童貧困は減少ではなく、増加が見込まれているということだ。
貧困世帯の数が減少すれば、貧困世帯で育つ子どもの数も減少する。
このことは次の二つの方法で取り組まれる:一つは母親も就労を開始することで出生率の低下がなされること。そしてもう一つは女性が就労することで世帯収入を増加させることだ。児童貧困は失業問題とも密接に関係している。

そして3つめの点はこうだ:貧困世帯の出生率が高いにもかかわらず開始されようとしている「子どもは3人必要」キャンペーンには何を意味するのか?
それとも親愛なるわが首相は児童貧困を減少させるため、貧困世帯の数が減らせないことがわかったために目下、裕福な世帯の子どもの数を増やそうとしているのか?
問題に解決策をもたらす代わりに、(問題を)覆い隠そうとしているのか?
トルコでは貧困世帯で育つ子どもの数は増加している。
社会政策の策定における優先事項はこの枠組みで検討されねばならない。
さもなくば、トルコはただでさえ良くない人的資本の先細りに対して何もできず傍観するしかなくなる。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:25644 )