チャーラヤン経済相、「トルコは中国に片思い」―習近平国家副主席来土
2012年02月22日付 Hurriyet 紙


世界で台頭してきている大国、中国の次期主席となることがほぼ確実視されている習近平国家副主席は、トルコ・中国経済・貿易投資協力フォーラムのため今日イスタンブルにやってきた。
習氏をトルコに迎えたザフェル・チャーラヤン経済相は、フォーラムのスピーチで中国・トルコ関係について冗談を交えながらも不満を漏らした。


アブドゥッラー・ギュル大統領の招待でトルコを来訪し、アンカラに立ち寄った後イスタンブルを訪問した習国家副主席には、中国系企業58社の首脳100人が同行した。これにトルコ側の関係者、実業家、学者、新聞記者を加え、ヒルトン・コンベンションセンターの大会場は満員となった。

中国人が、行く先々で実践している「自国の国民の安全は自分たちで守る」という原則により、フォーラムでは厳重な警戒態勢が敷かれた。この警戒態勢に大勢の参加者による混雑が合わさり、特に入り口付近でいろいろな問題が起きた。

全員が会場に入るのに手間取ったため、フォーラム開始に遅れが出た。朝9時に開始予定だったスピーチは9時50分になるまで開始されなかった。1時間半割り当てられていた最初のセッションが40分で終了すると、プログラムの終了に間に合わせることが可能となった。

■立ち上がり出迎えた

習氏はアリ・ババジャン副首相とザフェル・チャーラヤン経済相と共に両国国歌に合わせ会場に入場した。会場内の人々は3人を立ったまま拍手で迎えた。

チャーラヤン経済相が習氏へ感謝の辞を述べ始めたスピーチでは、3日間に渡る訪問の間に140億ドル規模相当の契約に調印がなされ、トルコと中国の協力関係が具体化すると述べた。

2ヶ国間の貿易量が2001年以降急速に伸びており、約24倍になったと強調したチャーラヤン経済相は、特に2010年にレジェプ・タイイプ・エルドアン首相と中国の温家宝総理の間で調印された戦略的協力関係合意がこのプロセスにおいて非常に重要であると明らかにした。

■「片思い」への不満

しかし、チャーラヤン経済相は不満に思っている問題を説明することも忘れなかった。同氏はトルコの中国からの輸入と中国への輸出の間に大きな貿易不均衡があるとし、「これは片思いに少し似ています。我々を満足させていません」と語った。
これに関してはチャーラヤン大臣だけではなく、トルコ輸出業者会議の議長を務めるメフメト・ビュユクエクシ氏とトルコ中国商工業者協会の会長ムラト・スングルル氏も、同じような問題を強調した。
「トルコは中国から年間約200億ドルの製品を購入しているが、それと引き換えに行われている輸出は30億ドルにも達していない。つまり、貿易額は増加しているがトルコの貿易赤字も増加している」

習氏も演説の中で同問題に触れることでトルコの不満に回答をだした。中国はこのような均衡の取れていない関係は望んでいないことを強く述べ、「相互の利益に基づいた協力関係」の原則を強調した習氏は、この状況を打破するためトルコからの投資家には、フェアで展示スタンドを立てるときに割引を適用するなどの便宜を与えると述べた。

■3000万の観光客のうち中国人は10万人のみ

トルコ・中国間の協力関係の可能性が十分に活用されていないことも共通のテーマとして話題に上った。

チャーラヤン経済相は、中国の外国投資におけるトルコへの割り当てが非常に少ないことを指摘、「中国は世界に投資したがトルコでは出し惜しみをしている」と述べた。同氏は特に世界のリーダーである中国の建設業者をイスタンブル運河とボスフォラス第三大橋プロジェクトへの参加へ招待した。
昨年トルコを訪れた3000万人の観光客のうち中国人はたったの10万人であったことも、同分野でなすべきことが多くあるということを示すものとして提示された。

両国の関係者の間で意見が一致していることがもう1点ある。中国人はトルコを、トルコ人は中国のことを知らない。しかしこの問題を解決するのに非常に大きなチャンスがある。すなわち2012年はトルコにおける中国年。同様に2013年は中国におけるトルコ年を祝うことになっている。

■陶器と猫

この他の話し合いで、中国とトルコの長きにわたる今までの関係や過去から今に続く友好関係が度々強調された。シルクロードの歴史やトプカプ宮殿にある中国製の陶器が度々話題となった。

トルコ人関係者は、中国人関係者に印象付けようと、中国人知識人の言葉を度々引用した。さらにスングルル氏は「中国には素晴らしい言い回しがあります。猫が黒であるか白であるかの重要性はない。重要なのは、猫が鼠を捕まえるということだ」と話し、会場にいる人を笑わせ拍手喝さいを浴びた。

■政治の話はなし

この他誰も政治の話題を持ち出さなかったことが注目された。

ババジャン副首相は、トルコと中国が国連、世界貿易機関、G20において協力関係を築いていると言うに留まった。しかし特にシリアに関し予断を許さない状況が続いている一方で、トルコと中国の態度が違うということは話題にも上らなかった。

つまり、トルコと中国は今日経済協力関係の様々な可能性を一歩先へと進めたのだ。しかし全員の共通見解は、なすべきことが多くあるという点で一致している。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:25648 )