ドイツで、極右テロで殺されたトルコ系市民らを悼む追悼行事
2012年02月23日付 Hurriyet 紙

ドイツで極右テロの犠牲となったトルコ系市民の追悼式が、ベルリンで行われた。犠牲者を悼むため、ドイツにある公的機関の建物では半旗が掲げられた。そして国全体で1分間の黙祷が行われた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相はベルリンでの追悼式の間、犠牲者であるハリト・ヨズガトさんの父イスマイル・ヨズガトさんとハリトさんの兄弟の間に座った。

コンサートハウスでの追悼儀式で話したメルケル首相は、人種主義的殺人を行った国家社会主義地下組織(NSU)をテロ組織として非難した。
メルケル首相は、「ドイツの首相としてこの殺人事件の真相究明、その背後関係の解明、裁判においていかなる努力も厭わないことを約束します」と話し、このような事件が2度と起こらないように必要な措置を取り、多数の調査委員会が設立されたことを述べた。

■犠牲者の親族に謝罪した

メルケル首相は、世論で「ケバブ屋殺人」として知られる事件の犯人が長い間解明されていないということに対し悲しみを口にした。メルケル首相は、犠牲者の親族にも謝罪を述べた。
追悼式にはメルケル首相のほかに、連邦参議院議長のホルスト・ゼーホーファー大統領代行、ノルベルト・ランメルト連邦議会議長、ヨアヒム・ガウク大統領候補、極右テロで殺害された犠牲者の親族、トルコ大国民議会人権調査委員会長のアイハン・セフェル・ウストゥン氏、委員のネヴザト・パクディル氏、ムスタファ・エルデム氏、マリク・エジデル・オズデミル氏、トルコ在ベルリン大使のフュセイン・アヴニ・カルスルオール氏と緑の党のジェム・オズデミル共同党首を含めた約 1200人が参加した。

メルケル首相は追悼式の間、2006年にカッセル県で人種差別殺人で犠牲となったハリト・ヨズガトさんの父親のイスマイル・ヨズガトさんと21歳のとき殺害されたトルコ人の若者の兄弟の間に座った。メルケル首相は追悼式の会場をイスマイル・ヨズガトさんと共に後にした。
極右テロで一番はじめの犠牲者となったエンヴェル・シムシェキさんの娘のセミヤ・シムシェキさんと、最近犠牲者となったメフメト・クバシュクさんの娘のガムゼ・クバシュクさんは追悼式でセーフォーファー大統領代行とランメルト連邦議会議長の間に座った。

また追悼式の一環として、メルケル首相の演説後にオーケストラがジェマル・レシト・レイの作品を演奏した。その後、アフメト・ムヒプ・ドゥラナスさん、エリチ・フ リードさん、ベルトルト・ブレフトさん、ヨセフ・レディングさんの詩を、ドイツ人俳優のイリス・ベルベンさんとエロル・サンデルさんが朗読した。

<中略>

■トルコ人8人、ギリシャ人1人、ドイツ人1人

ドイツのNSUメンバーのウウェ・ムンドロス、ウウェ・ボーンハルドト、ベアテ・ズシャエペらは、2000年から2006年までに8人のトルコ人と1人 のギリシャ人を含めた9人の移民を、2007年にも1人のドイツ人の警官を殺害した。9人の移民を同じ武器を使って殺害した人種差別主義の殺人犯は犠牲者が亡くなる瞬間もカメラに記録していたことが判明している。

■12本のろうそく

儀式では犠牲者の追悼として12本のろうそくが灯された。ろうそくのうちの10本はNSUテロ組織が殺害した犠牲者のために、また、1本は以前殺害された犠牲者たちを象徴した。残りの1本のろうそくは、将来人種差別的な殺害が行われないように、国を明るく照らしてほしいという願いをこめて灯された。

■1分間の黙祷

セミヤ・シムシェキさんとガムゼ・クバシュクさんは、追悼式の最後に、学生たちの列に加わり、「ウムト」という名づけられたろうそくをシンボルとして一緒に会場の外に運んだ。この間、すべての参列者は起立した。
コンサートホールの前での集会に参加した者たちも、犠牲者の名前が書かれたプラカードを掲げたり、犠牲者の名前が記されたTシャツを着た。ミーティングでは犠牲者の名前が一つ一つ読み上げられ、最後には黙祷が行われた。
アナトリア通信社の知らせによると、ドイツ全国で現地時間12時に犠牲者のために1分間の黙祷が行われた。数多くの会社で犠牲者のために黙祷が行われ、公の建物では半旗が掲げられた。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:25652 )