Taha Akyolコラム:4+4+4の義務教育
2012年02月24日付 Hurriyet 紙

ヌレッティン・ジャニクリ議員が国会に提出した初等教育法案について、非常に支持する点とともに真剣に不安を感じる点の両方がある。

もともとこれは、教育の専門家によって議論されたわけでもなく、ましてやこの分野の一番の管轄とされる国民教育省の教育委員会の意見すら聞くことなく提出された法案なのだ!
私が肯定的だと思う点をあげると、それはもちろん義務教育が12年に引き上げられるということだ。標準的な「一貫」教育に代わり、12年間の「習熟度別に分割された」、より柔軟なシステムが計画されたということも、もちろん肯定されるものだ。昔の産業化の時代の「標準化」願望の代わりに、あらゆる領域においてシステムは柔軟化されることは、現代のダイナミズムにふさわしいのとともに、学生たちの個人的な能力を評価するという観点からもより適当である。
一方、不安に感じた点としては、最初の4年間の教育を修了した10歳の子どもたちにとって「オープンな教育」、別の言葉でいうならば「家庭での教育」の扉が開けられてしまうことである。
この方法は、システムをフレキシブルにする以上に、子どもを「学校という環境」から引き離してしまうというような重大な問題をもたらしてしまう。

■女児を家に閉じ込める!

女の子たちは10歳になったら家で勉強するかたちで教育を続行すること!目的はこれなのか?
共和民主党から出された「教育:機会の平等、生涯学習」という名の報告書のデータによれば、2001年~2002年の学年度から2008年~2009年の学年度にかけて、公正発展党政権下において女児の学校就学率が初等教育では93%から97.9%に、中等教育では76.7%から89%に上昇した。
高等教育においては75.2%から80.1%に上昇した。この学校就学率の上昇のために政府は非常に努力した。
「女児を家に閉じ込める」という先入観を持ってこの問題をみることにより、本来注意されるべき教育学上の事項に目を向けることが妨げられるとともに、開発が必要な「才能あるヒューマンパワー」は柔軟な教育制度による教育でこそもたらされるという事実をも見失わせてしまう。
国民教育相のオメル・ディンチェル氏は昨日の会見で、この話題に触れつつ「家庭での教育」は「職業教育や障がいを持つ人のためにありえるもの」として説明した。不安を払拭するという観点からの肯定的な説明で、世界中のあらゆる場所で障がい者は特別な教育に頼っているというのもまた真実だが・・・。

■10歳の子どもたち

10代に入る男女児童の成長において「学校環境」は非常に重要である。
同世代との関係を発展させ、友達と遊び、飛び跳ね回って自信をつけ、そうすることで才能も明らかになってくる。子どもが学校という環境で社会性を身につけることは、家庭で教科書から学ぶことのできる知識よりもより重要なのである!
そう、法案においてはこのポイントは家庭での自由裁量とはされておらず、「どのプログラムがオープンな学習に関連付けられるか」という点については閣議決定されると但し書きがある。
言うなれば、閣議は、「徒弟(見習い)」教育を、最初の4年間の教育を終えた子どもたちのための「オープンな学習」と混同している。10歳で徒弟(見習い)を始めた子どもが、家庭で、あるいは休暇中に教科書を読み、目の前に続く4年間プラス4年間の教育を修了できるのか?この子どもは「徒弟(見習い)」の技能を学ぶ必要はあるが、年齢にふさわしい「アカデミックな」知識を得ることや「学校環境」で過ごすことは必要ないというのだろうか?
最初の4年間の段階を5年あるいは6年に延長すること、そして次の教育段階において計画されている職業的な知識も、子どもを学校から引き離すことなく習得させることのほうがより良いのではないのか?
急いではならないし、議論しなくてはならない。国民教育省の教育委員会、また教育の専門家の意見も聞く必要がある。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:25665 )