トルコ国産車―ジュネーブ・モーターショーでお披露目
2012年03月07日付 Hurriyet 紙


カルサン社が、ニューヨーク市のタクシー入札のために開発をすすめた車が国際ジュネーブ・モーターショーで展示され、世界に発信された最初のトルコ製自動車の称号を得た。ザフェル・チャーラヤン経財相は「自動車部門に付加価値を生み出す『ババイーイト』ここにあり」と語った。カルサン社の重役であるジャン・ナフム氏も、2億ユーロを投資してこの自動車の大量生産に乗り出すと語った。

トルコ製の自動車部門は第82回国際ジュネーブ・モーターショーで存在感を示した。カルサン社はニューヨーク市タクシーの入札のために開発をすすめた V1の量産型自動車を、初めてジュネーブで発表した。デザインから動力装置まで100パーセントトルコ人のエンジニアによって開発されたこの自動車は、国外のモーターショーで展示された初めてのトルコ製自動車となった。モーターショーでは、フォード・オトサンが生産するコンセプトカー、トランジットや、ヒュンダイ・アッサンの新作i20や、オヤク・ルノーのメガーヌHBなども展示された。

■「ババイーイト」が今ここに

ザフェル・チャーラヤン経財相は、ジュネーブ・モーターショーでカルサン社のスタンドを訪れた。チャーラヤン大臣はカルサンV1を通じて、トルコ人エンジニアは全世界にメッセージを発信したと述べ、「我々の首相は経常赤字を減らし、自動車部門へ付加価値を与えるババイーイトのような車を求めていたのだ。まさに、そのババイーイトがここに」と語った。

■「娘婿」の下見が来る

常にトルコの自動車部門を支持していることを強調するチャーラヤン大臣は、カルサンV1がジュネーブ・モーターショーに展示されたことに、誇りを持っていると語った。 チャーラヤン大臣は以下のように語った:「いま、自動車の大量生産がトルコで始まろうとしている。私は昔、モーターショーに「嫁(他国の車)」をもらいに行っていた。今回は「娘婿(自国製の車)」の下見がくるようになった。トルコは初めて自国のデザインの製品を発表した。ニューヨークでタクシーの入札が行われて良かった。そうでなければ、このような 自動車は生み出されなかっただろう。イナン・クラチ、ジャン、そしてクラウデ・ナフムを賞賛したい。世界で最も大きな展示会で『俺もここにいるぞ』と言ったのだから。」

■精神的サポート

チャーラヤン大臣はカルサンV1は世界中で話題となるだとうと語った。トルコが自動車部門において重要な地点まで来ていることを強調するチャーラヤン大臣は、「他のメー カーも競争に加わるだろう。あなたたちは(自動車を)作ってくれ。精神的、物理的サポートは私たちがする。2023年の目標がある。世界10指の経済大国への道はここから始まっている。自身の自動車、自身の飛行機を生産すべきなのだ。新たな奨励法案を首相には提案した。これは外貨を支払うのではなく、その獲得を刺戟するシステムとなるだろう。」

■2014年にはコンベアから降りることができる車

カルサン社の重役であるジャン・ナフム氏は、1700万ドルを費やして開発した2つのプロトタイプをジュネーブで展示できたことは、大きな幸せだと語り、「2億ユーロを投資して2014年の前半までに新たな自動車を開発しようと考えている。初期段階で、最低でも2万台が生産される」と語った。また、「乗客定員が3名から 6名までのバージョンが生産可能である。世界で6億5000万の障碍を持った人々がいることに気付いた。さらに、老人、体重超過の人、妊婦もあわせて考えると、15億の運動能力に支障がある人がいる。私たちは世界初、これらの人々のための特別な自動車を生み出したのだ。これは社会の責任の一端を担うことができる自動車だ」とも語った。

■モーターも自分たちの手で

カルサンV1の90パーセントが国産であると述べたジャン・ナフムは、以下のように語った:「2.4リットルのガソリンを消費するクライスラーモーターは、現在国外から供給されている。しかし、2015から2017年の間にはモーターも開発し、国内生産へ踏み切る予定だ。カルサンV1は 国内自動車のプロジェクトとしても見据えていく。」

■スナからインスピレーションを得て、165日で60年来の夢を実現

カルサン代表取締役のイナン・クラチ氏は、コチを退職する際にカルサンV1生産の夢を描いていたことを明らかにし、「独立する際に、外国のパートナーを持たない構造でカルサン社を立ち上げた理由は、この夢を実現させるためであった。今は、その夢をさらに超えたところにいる。60年間この部門に関わっている。私の夢が実現したことに感激している。」

■前進

この分野で先進的であること、そして周辺の人々がこの状況に気付く前に早く道を切り開く必要があると言うクラチ氏は、以下のように語った:「この自動車を通じて訴えかけたことについて、もう政府や自治体は準備を始めている。この自動車が作り出されたことにおいては、スナ・クラチの病状がひらめきのきっかけになった。世界で同じような問題を抱えている15億もの人々がいることを忘れてはならない。」

■業界には何百ものメーカーがある

トルコで長い間、国産自動車について語られおり、期待されているものがすべて2万5000から3万リラの自動車であったことを強調するクラチ氏は、こう語った:「この業界には何百ものモデルが存在する。しかし我々は全く新しい世界を切り開くセグメントを作り出したのだ。トルコ人エンジニアが大きな段階を獲得したと確信している。165日で試作から実際に走る自動車を制作したのだから。」

■名前は「デリカンル(若者)」

ザフェル・チャーラヤン経財相は、ジュネーブでV1の名前も発表した。チャーラヤン大臣は、イナン・クラチ氏、ジャン・ナフム氏らに冗談を交え、V1の名前は「デリカンル(若者)」であるべきだと主張した。

■ヨーロッパは大損失、トルコもその影響を

コチ財閥の名誉会長ラフミ・コチ氏は、ヨーロッパが自動車や、他部門においても大きな損失を出していると述べ、「誰も将来どうなるかなどわからない。ただ稼働率に無駄がある。稼働率は47パーセントまで下がった。しかし、社会的権利の問題でだれも工場を閉鎖できずにいるのだ」と語った。さらに、 ヨーロッパはアメリカのようではなく、そのために深刻な問題を抱えているのだというコチ氏は、続けてこのように語った:「ヨーロッパでは稼働率が低く、企業が損失を被っていることがトルコにも影響している。設備稼働率の低下は新たな投資を目の前にして、大きな障害である。設備稼働率の低下は新たな投資を目の前にして、大きな障害である。これも私たちに、ヨーロッパの外に他の市場を見つけるべきだということを示している。トルコは今、経常赤字という分岐点に立たされている。需要は国内市場に焦点をあてるよりも、より外に向けて開発されるべきである。」

■自社史上最高の自動車

フォード・オトサンが6億3000万ドルの投資で、新たに開発しようとしているトランジットのコンセプトカー、「トルネオ・カスタム」が気に入ったと語るラフミ・コチ氏は、「この自動車はこれまでトルコで生産されたなかで最も素晴らしい自動車である。新たな顧客層を手に入れるだろう。42万台生産する。このモデルは新たに63バージョンが追加される。3年で15億ドルをフォードに投資する」と語った。

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( 翻訳者:奥 真裕 )
( 記事ID:25758 )