イタリア5都市でPKK逮捕劇―「革命税」徴収チームか
2012年03月27日付 Radikal 紙

イタリア6都市で実施された一斉捜査におけるPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)メンバー5名の逮捕に関する詳細が明らかになってきた。イタリア警察は、容疑者らがクルド系実業家らから「革命税」の名の下で資金調達を行っていたと発表した。

ヴェネツィアの検察当局の指示で決行され、ヴェネツィアを始めとした、首都ローマ、ペーザロ、パドヴァ、モーデナ、そしてウーディネの住宅及びオフィス8ヶ所を対象に実施された強制捜査は、国家警察統合捜査特別作戦部(DIGOS)により進められた。作戦本部であるヴェネツィアDIGOSのエツィオ・ガエタノ本部長は、本件でトルコ警察から多大な支援を受けたと伝え、捜査の守秘義務に則り、当件に関する詳細を公表しないことが望ましかったと述べた。

■ 逮捕者名

一方、ヴェネツィア警察のインターネットサイトでは、本件の詳細が公表された。同サイトで逮捕されたPKKメンバー5名の身元は以下の通り公開された。1972年生まれでPKKのヴェネト地方責任者とされるタフスィン・デュズギュン、ハイリ・ギョク氏(34歳)、アブドゥッラフマン・テキン(26歳)、 エムレ・イレズ(22歳)、ムラト・サイ(26歳)。

■ 資金は反トルコ政府活動に利用されている

同サイトでは、イタリアにおけるテロ組織PKKの組織化において、クルド系実業家から徴収される「革命税」という名の資金収入は、トルコ政府に対するテロ活動への利用目的でトルコに送金されていると強調された。一方、当捜査が、ヴェネツィアで資金提供を拒否したことで拷問を受けたあるケバブ屋店主の訴えをもとに開始されたことが明らかになった。更に、PKKが特にイタリア北部のヴェネト地方、イタリア中部のトスカーナ地方で組織への資金確保を目的に頻繁に暴力的な行為に出ていることが浮き彫りとなった。また、調達された資金は全て武器調達及びトルコ南東部における戦闘計画の完遂に投じられていることも言及されてい た。

■ イタリア国内のヒズブッラーとの関連がある

イタリア当局は、同一斉捜査が国内外を揺るがす国際テロを対象に行われたと伝えた。今朝、行われた一斉捜査は、2月にテルニ市で実施されトルコ人を含むヒズブッラーのメンバー9名が逮捕された一斉捜査と同じ枠組みにおいて行われたと発表された。これにおいて、ヒズブッラーのメンバーが、イタリアへの不法入国希望者らから調達した資金をトルコのヒズブッラー組織に送金していたことが明らかにされている。

■ ヴェネツィア警察はPKKを懸命に追跡している

ヴェネツィア警察は、イタリア国内で組織化するPKKを懸命に追跡している。ヴェネツィア警察は、2010年にヴェネツィアの共和国検察局の指示を受け多くの都市で特定されたPKKのキャンプに対し捜査を実施している。PKKへの勧誘目的で行われたキャンプ名が「düğün(結婚式)」であったため、捜査作戦名も「düğün」に決定された。ピサ近郊の小都市ヴァルデーラの観光施設が捜査対象地域の一つとなった。強制捜査でトルコ人10名を含む11名が逮捕され、イタリア当局はテロ組織PKKが組織への勧誘・訓練を施す目的でイタリア国内のキャンプを利用していたと発表した。

またフランス警察も、昨年「革命税」の名の下で資金調達を行うPKKに対し壊滅的な打撃を与えている。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:25924 )