スポーツ界、女性の活躍続く、その秘密は?
2012年04月01日付 Hurriyet 紙


この2週間、女子選手の競技が私たちに喜びと興奮を与えている。ヨーロッパの頂点でトルコのチームがプレーしているのだ。彼女たちはしばしば優勝カップを獲得し、しばしば決勝戦に進出している。ナショナルチームはオリンピックを目前にしている。各選手は世界選手権や欧州選手権でメダルを目指している。トルコのスポーツにおいて原動力となっている女子スポーツの成功の秘訣はなんであろうか。

■女性の快挙
・バスケットボール・トルコ代表、ヨーロッパ第2位
・バレーボール・トルコ代表、ヨーロッパ第3位
・フェネルバフチェ・ユニバーサル、バレーボールでヨーロッパ・チャンピオンに
・フェネルバフチェ・バスケットボール・チーム、欧州選手権でプレー
・ガラタサライ・バレーボール・チーム、欧州選手権で決勝進出
・バスケットボールとバレーボールのトルコ代表はオリンピックを目前にしている
・ボクシングのギュルシュム・タタル選手とシェムスィ・ヤラル選手、ヨーロッパ・チャンピオンに
・陸上でアスル・チャクル・アルプテキン選手が世界3位に
・2012年ロンドン五輪出場を決めた選手51人のうち25人は女性

■予算は男子の10分の1
・男子スポーツには年間10億ドルが費やされているが、成果はゼロである。女子に費やされた費用はこの10分の1である。こちらは毎シーズン優勝カップをもたらしている。
・トルコでライセンスを持つ選手198万人のうち女子は56万人のみである。
・バスケットボール欧州選手権で、男子は準々決勝にも進出できなかったが、女子チームはロシアと決勝を戦った。
・バレーボール欧州選手権では、男子は一次リーグで敗退したが、女子は第3位になった。
・今夏、バスケットボール・バレーボールともにナショナルチームはトルコでオリンピック予選を戦う。
・団体競技では、前シーズンはワクフバンク・ギュネシ・スィゴルタ・トルコ・テレコムがトルコにチャンピオンズリーグ優勝をもたらした。今シーズンはフェネルバフチェがこの勝利を維持した。
・フェネルバフチェ・バスケットボール・チームは16試合で連勝している。
・団体競技において、トルコチームは欧州で計23回決勝戦に進出した。このうち16回は女子チームだった。
・バレーボールでは1967年から今まで男子チームは14回準決勝に進出した一方、女子チームは29回進出した。

フェネルバフチェ・ユニバーサル・バレーボール・チーム、フェネルバフチェ・バスケットボール・チーム、ガラタサライ・バレーボール・チーム、ムラトパシャ市ハンドボール・チーム、アスル・チャクル・アルプテキン選手、ギョクス・ウチュタシュ選手、チャーラ・ドネルタシュ選手…このチームと選手のリストは伸びていっている。このリストの共通点は、この数週間に勝利を得てトルコスポーツ界で歓喜を生み出し、また今も生み出し続けていることである。また、次のことも言える。すべて女子選手なのだ!男子がサッカーを筆頭に敗退し、決勝リーグ進出に苦戦し、さらにフィールド外での問題に取り組んでいる間に、女子競技は史上最高の時代を迎えている。

この2週間をとって見ても、バレーボールでフェネルバフチェ・ユニバーサルがチャンピオンズリーグに勝利し、ガラタサライはチャレンジカップで決勝に進出した。フェネルバフチェとガラタサライはイスタンブルで行われたバスケットボール欧州リーグ準々決勝でチャンピオンを脅かした。KASKİはユーロカップ決勝第2試合で敗退し、優勝カップをライバル・ロシアに委ねた。

実のところ、この2週間のプロセスにトルコスポーツのここ数年が集約されている。男子スポーツはサッカーを筆頭に年に10億ドル近い投資を呼びこんでいるが、ナショナルチームもクラブチームも国際的な試合で概して勝利がない。

サッカーに目を向けると、トルコのチームが欧州で準々決勝に進出して以来4シーズンが経過した。ナショナルチームはどうか?最近の2つの大きな決勝戦には出場しておらず、今後への出場も疑わしい。バスケットボールでは今シーズン、欧州リーグでの3チームの予算合計は6000万ドル超であった。そのうちの1チームすら準々決勝に残れなかった。ここ10年で、例外的に成果を収めた男子団体競技は2つである。2010年のバスケットボール世界第2位と、アルカススポルのバレーボール決勝進出である。

これに対して、女子のほうが常により多く勝利している。バレーボールでは、ワクフバンク・ギュネシ・スィゴルタは3つの優勝カップを一気に獲得した。ガラタサライは、2009年にバスケットボールで女子チームとして初めて優勝カップを獲得した。さらには1シーズン前にはハンドボール・チームのムラトパシャ市も欧州で決勝に進出した。

これらの成功はクラブチームのみに限られたものではない。昨年バスケットボール・トルコ代表は、モンテネグロとフランスを破り、欧州選手権で決勝まで進出した。バレーボールチームも同様にセルビアで開催国に準決勝で敗れ、欧州第3位となった。これによって前年に獲得した世界第6位の実力を証明した。両チームとも6月・7月にトルコで行われる予選を突破すれば、オリンピックに出場することになる。こうして60年を経てトルコチームは各種目においてオリンピック出場権を獲得することになる。

以上は団体競技の話であった。しかし個人競技でももはや女子のほうがより安定している。最初の100年間にオリンピックに出場したトルコ人女子選手は32人のみであった。この10年で男子とのバランスは少しではあるが改善された。2012年ロンドン五輪出場が確実となった51人の選手のうち25人は女子選手である。例えばギョクス・ウチュタシュ選手は、トルコ人体操選手として初めてオリンピックに出場することが決定している。チャーラ・ドネルタシュ選手もまた女子セーリング選手として初めてこの成功を獲得した。いくつかの種目でこのような人数は増加するだろう。団体競技で出場権を得れば、ついに女子選手の数は初めて男子選手の数を上回ることになる。

■女子選手成功の5つの主要因
・緒連盟の根強い投資:特にバレーボール連盟とバスケットボール連盟は女子ナショナルチームで長期計画を立てている。このお陰で15年前は無名だったバスケットボール・トルコ代表チームは欧州第2位までその順位を上げた。バレーボール・トルコ代表は10年に渡って上位ランクにいる。欧州選手権・世界選手権の常連である。

・サッカーがないこと:トルコでは女子サッカーは未だ無名である。ナショナルチームの新たな選手はアマチュアである。このため男子競技では予算の多くを割かれているサッカーがないため、女子競技においては資金が直接バスケットボールやバレーボールに充てられている。さらに、サッカーがないために最も才能のある女子選手はバレーボールやバスケットボールを志向している。

・スポンサー:エジュザーネバシュ・ホールディングスは約40年間女子バレーボールの原動力となっている。あらゆる事業から撤退したが、バレーボールのスポンサーは降りなかった。さらにワクフバンクは20年間 女子バレーに出資している。また、近年の病院の競争はどうだろうか?まずアジュバーデムが、続いてユニバーサル・グループもバレーボールに参入した。

・フェネルバフチェ:15年前にはサッカー以外の言葉を知らなかったこのクラブは、2010年代にヨーロッパで最も意欲的で大きなスポーツの1つとなった。バスケットボールでヨーロッパを目標にし、4年間準々決勝で敗退した。今年初めてベスト4入りを果たした。バレーボールでは2年間欧州選手権初戦で敗退したが、今シーズンは優勝カップを掴んだ。

・外国人選手の充実:これらのクラブは、特にバレーボールとバスケットボールにおいて、世界で最も優れた外国人選手をトルコに獲得している。もちろんこのために財布のひもも緩めている。これらの選手に多額の報酬を与えている。今シーズンにアメリカ代表チームの中核をなしていたバスケットボール選手はトルコ・リーグで競技している。またバレーボールの名門イタリアと同様にトルコ・リーグを好んでいる。

■オリンピック種目でメダルが増えている
■アヴァス・スポーツ研究所グレッグ・カンタン所長
オリンピック種目でトルコ女子選手が獲得したメダル数は2006年から2011年に著しく増え、3個から13個になった。しかしこの合計数の中で金メダルの数は少ないため、私たちが毎年行なっている国別ランキングの中での順位は大きく上昇していない。42位から54位の間で移り変わっている。これにはトルコ人女子選手が世界選手権で5・6種目でしかメダルを獲得していないことも影響している。より多くのオリンピック種目でメダルを獲得すれば、トルコのランキングにおける位置も良い方向に変わる。

■若者も活躍
まだ注目されていない種目にも注目:テニスではイペキ・ソイル選手(15)が世界ジュニアランキングで75位まで上りつめた。さらに水泳のハザル・サルカヤ選手(15)は同年代の間でヨーロッパで最も優れた選手の1人である。

■3つの問題点の指摘
・女子選手は成功しているが、マネジメントにおいて女子への配分が非常に少ない。マネージャーとトレーナーとしてもっと多くの存在を示すために何が必要か?
・トルコにおける外国人選手の数の多さは、バスケットボールを筆頭にトルコの若者の前途を遮ることになるか?
・リーグ試合での観客の少なさとメディアにおける視聴率の低下はスポンサーに不満を抱かせるか?

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:25957 )