80年クーデター裁判始まる―ケナン・エヴレンは出廷せず
2012年04月04日付 Milliyet 紙


1980年9月12日の軍部によるクーデターの責任者を裁く裁判が始まった。
第7代大統領であり当時の参謀総長ケナン・エヴレン退役将校と退役空軍司令官タフスィン・シャーヒンカヤ空軍大将は、憲法体制を崩壊させたとしてアンカラ第12重罪裁判所で審問される。裁判の初公判は(クーデターの)被害者とその他の補助参加人が参加して始まった。初公判には60人の補助参加人と3人の被告弁護士が参加する。
法廷が満席になると裁判官は立っている人に被告席に座るよう提案したが、この提案を受け入れる者はいなかった。ケナン・エヴレンの弁護士は憲法が書かれた冊子を見せ、「9月12日に起こったことはクーデターである。この裁判所には裁く権限はない。エヴレンを裁くことはできない」と述べた。


アンカラ第12重罪裁判所で開廷される9月12日訴訟の初公判では、被告席は空席であった。憲法体制を崩壊させたとの罪に問われている当時の参謀総長ケナン・エヴレン退役将校と退役空軍司令官タフスィン・シャーヒンカヤ空軍大将は公判に出廷せず、被告弁護士が出廷した。エヴレンは治療を受けている病院で転び肩を打撲したため公判に出廷できないと明らかにされた。


■法廷前での抗議

アンカラ第12重罪裁判所で始まった「9月12日裁判」で裁判にかけられる当時の将校ケナン・エヴレンとタフスィン・シャーヒンカヤに抗議するため、何千人もの活動家がアンカラ裁判所の前に集結した。活動家は「エヴレンだけでは不十分だ。拷問者らを裁判にかけろ」とスローガンを投げかけた。

1980年9月12日のクーデターを実行した当時の参謀総長ケナン・エヴレン退役将校と退役空軍司令官タフスィン・シャーヒンカヤ空軍大将は「力づくでトルコ共和国憲法の全容または一部を変更・撤廃しようとし、憲法により定められたトルコ大国民議会(TBMM)を廃止、もしくはその任務遂行を妨害しようとした」罪でアンカラ第12重罪裁判所での裁判の初公判が今日開始された。裁判の被告者と1980年クーデターを実行した当時の責任者全員に抗議するため、何千もの活動家が裁判所前に集結した。裁判所前では活動家らによる「最後の言葉は抵抗する者が発するのだ。我々は今までもいたし、今もいる。これからもい続けるだろう」「クーデター実行者らに良心と正義に基づき仕返しをするため、我々は法の番人の前にいる」「2人の『9月12日』について責任を追及する」と書かれたプラカードが掲げられた。

裁判所の前には、社会党、自由・相互扶助党(ÖDP)と9月12日裁判プラットフォームが抗議デモ用のバスを準備し、そこで当時被害を受けた者と1980年クーデターの過程で命を失った者の家族らが演説を行った。デモは活動家が抗議デモのバスの上から1980年過程で亡くなった者の名前を読み上げ、活動家らも「我々は傍にいる」と答えることから始まった。その後クーデターの過程で亡くなった者のため1分間の黙祷が行われた。抗議デモのバスの上で演説をした当時の被害者は、ケナン・エヴレンとタフスィン・シャーヒンカヤの裁判が9月12日過程を明らかにするのには不十分であり、当時の全責任者を裁く必要があると主張した。

演説者は、「2人の将校のみが裁判にかけられるのでは不十分だ。全ての共犯者、全ての拷問者が裁かれなければならない」と語った。この間活動家らは「どんなに悪い状況でも、どこかに希望の光はあるものだ。公正発展党(AKP)は国民に明らかにしてくれる」とするよく知られたスローガンを変え、「どんなに悪い状況でも、どこかに希望の光はあるものだ、クーデター実行者は国民に明らかにしてくれる」という形で使った。「この裁判はきちんとした裁判である。パシャ(大官)でも誰でもここですべてを明らかにすることになる」と書かれたスローガンとともに裁判所の前に集まった群衆は、声を裁判所に届かせるため、皆が声を合わせ「クーデター実行者の責任を革命家が問う」と叫んだ。抗議活動は、当時の被害者と亡くなった人々の家族・親戚が抗議デモのバスの上から演説をしながら続いている。

■抗議活動への参加者

裁判所の前で行われた抗議活動には、多くの労働組合、市民団体、政党が支持している。活動を支持する団体の中には、78年抗議団体、78年連合、アレヴィ・ベクタシ連合、公務員組合連合(KESK)、革命労働組合連盟(DİSK,)、トルコ技術者建築家会議所連合(TMMOB)、トルコ医師会(TTB)、社会党、自由・相互扶助党(ÖDP)、労働党(EMEP)、公平民主党(EDP)、自由・社会党(ÖSP)、国際労働団結機構(UİD-DER)、パルチザン、非抑圧者社会主義党(ESP)、社会主義者若者連合、ピール・スルタン・アブダル文化協会が参加した。


■弁護士による裁判所には権限がないとの主張は却下された

アンカラ第12重罪裁判所の裁判官は、被告弁護士ビュレント・ハイリ・アジャルの「裁判所はそれを裁く力も権限もなく、捜査と裁判が無効であると決定が下されており、これ以前の裁判手続きも無効とされている」との要求を却下した。


■法医学報告書の提出

9月12日裁判の被告ケナン・エヴレンとタフスィン・シャーヒンカヤの健康状態に関する法医学報告書が裁判所に提出された。
アンカラ第12重罪裁判所で行われた裁判の初公判には、被告であり当時の参謀総長ケナン・エヴレンと退役空軍司令官タフスィン・シャーヒンカヤは出廷しなかった。被告の健康状態に関しアンカラ法医学協会の報告書が審問時に裁判所へ提出された。報告書では、エヴレンとシャーヒンカヤの健康状態がイスタンブル法医学協会により調べられる必要があるとされている。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:25985 )