エルドアン首相、中国を訪問
2012年04月08日付 Zaman 紙


トルコ‐中国関係は、タイイプ・エルドアン首相の歴史的な訪問で大きく加速するだろう。

トルコの首相として27年ぶりに中国を訪問するエルドアン首相は、5人の大臣、多くの実業家の代表団、60人を超える報道関係者とともに出発し、首都北京の他に、上海と新疆ウイグル自治区も訪問する。エルドアン首相は、両国間の最も敏感な問題であるウイグル人が多く住む地域から訪問を始める。エルドアン首相は、ウルムチで関係者と会談した後、現地での設立が計画されているトルコ工業地域とビュユク・モスクを訪問する。中国での最初の訪問地が、新疆の首都であるウルムチであることは大きな重要性を持っている。訪問は、ウルムチがトルコ‐中国関係における架け橋であることに関して両国が一致したことを示している。この状況は同時に、2009年7月にウイグル人と漢族の間で起こった民族衝突後に後退した関係の正常化であると解釈されている。エルドアン首相は、出発前に行った会見で、中国にいる同胞が、(国民)統合の中で弾圧を受けずに生活できるような取り組みを行う必要があると述べた。

中国で最大の面積を持つ行政区画である、人口2000万人の新疆に、800万人のウイグル人が居住している。エルドアン首相はウルムチ訪問の後、首都北京に移動し、胡錦濤国家主席、同国の将来の指導者と目される習近平国家副主席、温家宝首相と会談する。訪問の間、原子力協定、相互の投資の促進と保護を目指す声明書、鉄道事業での協力に関するプロトコルのような一連の協定に調印する。両国間の協定に加え、民間部門の間でも石炭、エネルギー、輸送の分野で多くの新たな協力プロジェクトが議論される。

訪問の間、両国関係と並び、シリア問題とイランの核問題も議題にのぼる。中国は、シリア問題でロシアと共に国連案に反対した。北京でビジネスフォーラムに参加する予定のエルドアン首相は、その後中国の金融の中心で、最大の都市である上海に移動し、主要な企業の経営者らと会談し、中国企業にトルコへの投資を呼びかける。エルドアン首相はここで他に、大学のトルコ語学科開設に参加し、上海のモスクを訪問し、中国訪問を終える予定だ。

中国とトルコの間で、2001年に9億ドルだった貿易総額は、2011年には242億ドルに達した。この数字は、年末には300億ドルに達するとみられている。中国は、ここ10年間の成長の結果、ドイツ、ロシアに次ぐトルコの第3位の主要貿易相手国となった。しかし、中国の大幅な黒字という貿易不均衡が存在する。これの是正を目的とした相互の対策が、今回の訪問の間に議題に上るとみられる。去年、中国に対して220億ドルの赤字となったトルコは、これに関して中国に新たな対策を要求する。

中国政府は、この訪問でエルドアン首相から、「一つの中国」の立場と、中国が、「テロ、分離主義、宗教過激派」を「三つの悪の力」としていることに関して支持を求める。中国は、西アジアと北アフリカで、戦略的協力関係を持った最初の国であるトルコの、近年の発展を注視している。温家宝首相の、2010年のトルコ訪問で戦略的協力関係が始められ、習近平国家副主席が今年の初めに行った訪問でも重要な前進があった。中国企業は、アンカラ‐イスタンブル間の高速鉄道の線路の、第二区画の建設といったプロジェクトを実行している。中国はまた、イスタンブルに建設されるボスフォラス第三橋と鉄道、エネルギー・プロジェクトといった、大規模インフラ整備プロジェクトを注視している。今後数年、両国間のインフラ整備プロジェクトにおいて戦略的な協力がなされるとみられる。政治、経済関係と並び、軍事関係も発展を見せている。トルコは、中国が空軍の軍事演習を行った最初のNATO加盟国である。2年前、中国の戦闘機は国境を初めて超え、トルコに来て、アナドル・カルタル(アナトリアの鷲)軍事演習に参加した。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:26007 )