中央アジア・トルコ系諸国家で「共通歴史教科書」編纂へ
2012年04月12日付 Zaman 紙

トルコ系諸国家間の更なる協力と協調を強化することを目的として設立されたトルコ系諸国会議は、8月に(キルギスの)ビシュケクに集まる首脳会議において、教育・文化・科学の分野における重要な決定に署名すべく準備をしている。

参加国の学校で共通歴史教科書が教えられること、共通アルファベットへの移行がこれらの決定の主眼になっている。あるグループの新聞記者に話をしたハリル・アクンジュ・ トルコ系諸国会議事務総長によれば、会議のおかげで初めて自発的に集まったトルコ系諸国は、今後「一緒に」歩むことを学んだ後、「適切な歩調で」 歩み続けるであろうということだ。

アゼルバイジャン、カザフスタン、トルコやキルギスの首脳が2009年、(アゼルバイジャンの飛び地である)ナヒチェヴァンに集まり、設立の合意に署名したこの組織は、4ヶ国が参加し、人口1億300万人の人口と、1兆2億8700万ドルの経済規模を有している。ウズベキスタンとトルクメニスタンも参加国となれば、トルコ系諸国会議の人口は1億4000万人、経済規模は1兆5000億ドルに達するであろう。全参加国による資金援助によって活動を続けている組織の事務局はイスタンブルに置かれている。

2国間貿易を困難にする輸送と税関における賄賂のような具体的な経済問題に優先権を与え、活動を開始したと述べるハリル・アクンジュ元駐ロシア大使は、20 年間で行われた過ちを分析した後、各国の平等で自発的な参加を土台としながら、長期間のプロジェクトに関し知恵を絞ったと強調した。トルコ系諸国会議は順調に動き出したと述べたアクンジュ事務総長によれば、10年から15年間の展望においては外交政策での協働、経済関係の強化、近隣諸国ならびにそこでマイノリティとして生きているトルコ系の人々との良好な関係を発展させることがあるという。

アクンジュ事務総長は「トルコが中央アジアを失った、という解釈には私は同意しません。我々はまるで千年間も共にいるようでした。長い間離れ離れでしたが、 ゆっくりと近づいています。当面はただちに成果がでなくてもいいのです。首脳会議で得られた決定は、全ての参加国によって政府の決定となり、進められます」と述べ、優先事項の1つが国際関係において共に行動するということ、単独で他国と敵対しないこと、この方向で顕著な歩み寄りがあったと述べた。またアクンジュ事務総長は、20年前、トルコは世界でかなり孤立していたが、今は国際機関における活動のために1つのプールを形成し、継続的かつ相互の議論を行っていると述べた。

13世紀までは互いに容易に意思の疎通を行っていたチュルク系民族間で、言語とアルファベットの統一を確かなものにするために取り組みを行っていると述べるハリル・アクンジュ事務総長は、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、トルクメニスタンが小さな違いはあるもののラテン文字に移行したこと、これに他の国々も追随するであろうろうということ、共通言語の問題においては用語から始め、専門家レベルで研究が行われてきたことを話した。

さらにハリル・アクンジュ事務総長は、トルクメニスタンのラテン文字への移行に関して1000~1500万ドルの援助をトルコが行っており、同国の教科書はトルコで印刷されていると述べた。独立を勝ち取ったトルコ系諸国家において、ナショナリズムと共にイスラムへの転換も増加していると指摘するハリル・アク ンジュ事務総長は、1970年代に行ったウズベキスタン訪問において、あるモスクへ行くことを望んだ時に、60歳以下は入ることを許されていないモスクの周囲が当局によって包囲されていた様を自ら目撃したと話した。アクンジュ事務総長は、この精神的な転換は正常なものであるが、祖先崇拝の高まりは懸念をもたらすものになると強調した。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:26045 )