二つのイラン―対トルコ対応二転三転
2012年04月07日付 Hurriyet 紙


エルドアン首相はイランに対して「イランが使っている言葉は外交上のものではない。何か他の言葉だ。そしてその言葉も私には相応しくないものだ」と苦情を述べていたが、その背景をヒュッリイェト紙は調査した。エルドアン首相の机にある報告書は、イランが核サミットの開催地をなぜまずイスタンブルを希望し、その後放棄したかを説明している。

国家の全関係部門が関与し、ヒュッリイェト紙の重要な部門に届いた報告書は、この2週間の間に西側世界、トルコ、イランの間で興味深い外交攻勢と戦略があったことを表している。以下はレジェプ・タイイプ・エルドアン首相の机にあった報告書の中の衝撃的な部分である:

■まず誰がイスタンブルを望まなかったのか

イランの政治展開をみるとトルコに対して2つのイランがある。宗教指導者や大統領、外務大臣からは、核サミットの場、またはマラトゥヤ所在の対ミサイルレーダー基地に関しても否定的な見解はなかった。否定的見解は、トルコとの関係の進展を望まず、イランのトップを困難な状態にしたいともくろむ一派からきている。イランはまず国内でのバランスをとらなければならない。

双方が再度会談をもつよう折衝が続く中、実際にP5+1(国連安全保障理事会の常任理事国とドイツ)内部でもイスタンブルを無視する動きがあっ た。特にフランス(大虐殺を主張して過去を口実にしている)とロシア(シリアとミサイル防衛レーダーのために)であった。「アメリカはイスタンブルを望んでいない」という噂が広がっていた。イランはこれがP5+1の総意であるとのことで対応を行い、西側に対してイスタンブルを拒否した。アメリカのヒラリー・クリントン国務大臣はシリア友好会議に訪れた際、なぜ核会議がイスタンブルで行われるかについて次の3項 目を挙げて説明した。

■クリントンはなぜ「イスタンブル」と言ったのか

1- ロシアに対してP5+1のもともとのパトロンはアメリカ合衆国であることを示すため、 2-「アメリカはイスタンブルを望んでいない」という噂を消すため、 3- イランに対して「よろしい。西側世界はイランが望む場所ですぐに会う準備ができている。誠意があればイスタンブルに来るように」というメッセージを与えるため、である。

P5+1の名の下、会談を行うEU外相のキャサリン・アシュトンは、バグダード開催は不可能と語った。イラン国内での反トルコの一派は、バグダードのほかダマスカスとベイルートでの開催を考えているが、これはシリアの政治情勢ゆえに西側とトルコに対する外交ショーになってしまうため不可能とした。

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( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:26054 )