イスタンブル開催のイラン核問題6カ国会議、終了
2012年04月14日付 Radikal 紙
アシュトン外交安全保障上級代表と、トルコ・ダヴトオール外相(右)
アシュトン外交安全保障上級代表と、トルコ・ダヴトオール外相(右)

イスタンブルで開催された、イランと「5+1」か国間の核問題協議が終了した。協議では、次回会議が5月23日にバグダードで行われることが明らかにされた。

リュトゥフィ・クルダル国際会議展示場で今日(14日)、国連安全保障理事会常任理事国であるアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスとドイツによる「5+1」か国とイランが、核協議のため交渉の席に着いた。EUのキャサリン・アシュトン外交上級代表は、イランとの核協議が「建設的かつ有益」で、「以前イランと行われた手紙のやり取りの精神に則した」ものとなったと述べ、5月23日にバグダードで各国が再び集まると発表した。

外務省職員らは、「昨日各国と行った2国間会談で我々が基盤を整えた肯定的な環境が続いたと思われる」と述べた。協議に参加したダヴトオール外相は、リュトゥフィ・クルダル国際会議展示場内に設けられた執務室で取り組みを続けている。ロシア側からも、イスタンブルでイランと行われた核協議が「肯定的な」雰囲気の中行われたとの声明が出された。ロシアのセルゲル・ラヴロフ外相の補佐官は、「イスタンブルでの核協議は実にうまくいっている」と述べた。

キャサリン・アシュトンEU外交上級代表のマイケル・マン報道官も、イランとの核協議は今日が最後とはならず、1つの過程が始められるための基盤を築くことを望んでいると述べた。マン報道官は会議が肯定的な雰囲気の中行われたと述べた。マン報道官は、協議の午前の部が建設的な雰囲気の中で経過し、各国が午後の部で2国間会談を行うことを明らかにして、午前のセッションで会談の新たな提案には着手しなかったと述べた。「5+1」か国は、イランに対しウラン濃縮を20%以下の濃度で行うことを要求している。さらに核開発を行なっている疑いのあるいくつかの軍事施設に対し国際原子力機関の査察を受けることが望まれている。

■ダヴトオール外相、アシュトンEU代表とジャリーリー・イラン代表を迎える

リュトゥフィ・クルダル国際会議展示場で協議が始まる前に、アフメト・ダヴトオール外相は、まずキャサリン・アシュトンEU外交上級代表を、また少し後にイラン国家安全保障最高評議会書記兼核交渉責任者のサイード・ジャリーリー氏をむかえた。協議は「5+1」か国を代表するキャサリン・アシュトン上級代表とイランを代表するサイード・ジャリーリー書記の主導によって行われ、他の国々から上級官僚が参加している。アメリカの支持を受け55年前に核開発を始めたイランは、1990年代以降ロシアの管理と支持の元で核開発計画を継続した。2000年代初頭以降、西洋の世論はイランの原子爆弾製造を疑い、テヘランに対し段階的に査察の実施と政治的圧力を始めた。55年前に核開発を始めたイランは、アメリカ、西ドイツ、フランスから支援を受けた。1979年のイスラム革命以降は核開発のためヨーロッパ諸国との協力を続けた。しかしアメリカの妨害とイラクとの間で続く戦争によって、1980年代には進展は見られなかった。このため1990年代初頭にロシアを志向するようになった。

イランの核開発に関する西洋世論の懸念は、2000年代初頭に急速に増加し始めた。イランと西洋諸国の間で行われた会談で結論が得られなかったことを受け、問題は緊張へと変わった。トルコはこの状況において両サイドの間で「進行役」としての役割を請け負い、外交的なアプローチを増加させた。しかし緊張の増大、軍事介入という選択肢が議論されたこと、問題が危機に変わる兆候が見られたことによって、トルコはイラン核問題プロセスの中での役割を増した。アンカラ政府はトルコ・ブラジル・イラン会談を主導し、「調停役」を請け負った。今日様々なプラットフォームで解決策の模索が続く一方、イランに対する圧力は増大し続けている。

■「核兵器」に関するファトワー

イラン政府は、核兵器製造を追求しているという主張は虚偽であるとする一方、高度な技術と電力の獲得が目的であると主張している。イランの宗教指導者アリ・ハメネイ師も核兵器の製造、保管、及び使用が宗教的に大きな罪であるというファトワーを発した。EUが取った決定によると、7月1日以降全てのEU加盟国がイランからの原油購入を断固として停止することが期待されている。イラン政府がこの措置の実施に対し報復を行うことによって緊張が増加することが懸念されている。さらに、アメリカ政府とイスラエルは、イランへの軍事介入という選択肢を未だ検討している。このため今日イスタンブルで5+1ヵ国のグループとイランの間で行われる会談は大きな重要性を持っている。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:26069 )