昨日、国連およびアラブ連盟のシリア問題特使のコフィー・アナン氏とイラン当局者の間で協議が行われた。こうした中、我が国の政府関係者らはシリアに対する外国の干渉が続く限り、同国に平穏が戻ることはなく、同国における変化はシリア政府によって起こされねばならないとのスタンスを強調している。
シリアは2011年3月中旬より不安定な状況にあり、シリアの反体制グループ及び西洋諸国は、シリア騒乱による被害の責任を同国の軍に転嫁している。その一方で、シリア政府は叛徒や破壊者たち、武装集団などが同国における血にまみれた暴力の原因であるとの見方を示し、これらの騒乱は外国から組織されたものだと強調している。
こうした中、シリアにおける騒乱の激化に伴い、コフィー・アナン国連・アラブ連盟特使が6項目からなる和平案をシリア政府に提示、同国における武力衝突の終結を呼びかけた。今日から正式に実施されるはずのこの和平案は、シリアにおける暴力の停止の呼びかけの他にも、停戦、人道支援機関の〔紛争地域への〕アクセス〔の許可〕、及びシリア政府と反体制派との間の政治的対話〔への呼びかけ〕を含むものとなっている。
〔‥‥〕こうした状況下で、アナン氏はイランを訪問、我が国の当局者らと会談し、イランがシリア危機の解決の一翼を担うことへの期待を表明した。この訪問で、前国連事務総長はホルモズガーン州を訪問中のマフムード・アフマディーネジャード大統領と、ゲシュム空港のVIPルームで会談した。アフマディーネジャード大統領とアナン特使の会談で最も重要な中心部分は、地域・国際情勢、特にシリア関連問題の検討だったものと考えられる。
アナン氏は2日間にわたる訪問で、テヘランにおいて最高指導者代理のサイード・ジャリーリー国家安全保障最高評議会書記と会談、シリア情勢に関して話し合いを行った。またアリー・アクバル・サーレヒー外相との記者会見も行った。
サイード・ジャリーリー書記はアナン氏との会談の中で、「イラン・イスラーム共和国は、〔アナン氏が〕同国〔=シリア〕の現実に寄り添い、民主的原則を行動において守るよう、すべての当事者たちに義務づけた場合にのみ、国連大使のミッションは成功するだろうと考えている」と語った。
同氏は、地域・国際情勢に対してイラン政府が取っている人民主権〔の尊重〕というアプローチについて言及した上で、「イランは常に、シリア問題が同国人民の願望に基づき、外国の干渉を排除する形で、平和的に解決されるべきであることを強調してきた」とも述べた。
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アリー・アクバル・サーレヒー外相と会談し、同外相と共同記者会見に臨むことも、アナン氏のイラン訪問のプログラムの一部であった。
この合同記者会見で、イランのサーレヒー外相は再度、イランはシリア内政への外国の干渉に反対していることを表明し、「シリアにおけるいかなる変化も、同国政府によって行われるべきものだ」と明言した。
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サーレヒー外相は、イラン・イスラーム共和国はこれまで何度もシリア問題に対する自らのスタンスを表明してきたと指摘した上で、「われわれの考えでは、シリア人民はその他の国々と同じように、政党の自由や選挙の自由などあらゆる権利を享受している」とも述べ、「もちろん、われわれはシリアをはじめとする各国の内政への干渉には反対であり、シリアにおけるいかなる変化も、同国政府によって行われるべきものだと表明してきた。実際、シリア政府、そしてバッシャール・アサド本人が、変化を約束し、憲法の見直しや政党の数、自由選挙等について、人民の願望に応えることを約束している」と語った。
我が国の外相はその上で、「これらの変化が自然な形で、シリア国内で、同国の政府によって、そしてバッシャールのリーダーシップの下で起こるための必要な機会が、シリア政府に与えられるべきだ」と述べ、さらに「これが、われわれ(イラン)が一部の地域諸国や西洋諸国に対して持ちうる倫理的〔立場の〕概要である。もしかしたら、彼ら〔=西洋諸国等〕の考えはある意味で異なるものかもしれない。彼らは異なるスタイルで、変化というものを見たいと考えているのだろう」と続けた。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:26080 )