Mehveş Evinコラム:海外旅行は禁じられているのか
2012年04月15日付 Milliyet 紙

世界で最も高価なパスポートを所有し、西欧のビザ取得に長い間苦しんできたトルコ共和国市民が受けている刑罰は、未だ続いている。国外への出国に対する手数料と言われる税に対し、今さらに値上げが行なわれようとしている!

5年間のイギリス滞在を認めるビザが満期を迎えたため、新たに発行してもらおうとしたが諦めるほかなかった。もはや法外な料金にまで達したビザ手数料を目の当たりにした。かつての夫の住所を含め、そのような感じの悪いプライベートに関わる詳細まで尋ねてくるものだから、「イギリスのビザ?もう結構です!十 分イギリスのことはわかりましたから」と言って諦めてしまった。

シェンゲン協定に毎日と言っていいほど追加される、官僚機構の新たなくだらない手順を理由に、長い間ヨーロッパにも行っていない。そして遂にその日が来た。ドイツに行く予定である。あきれたことに、「ご所望の書類」を集めるだけに8回もとんぼ返りをくらった…。仕事や入国に関して提出した膨大な種類の書類ではまだ足りず、社会保障組織の証明書まで彼らは要求する。大概にしてほしい!近い将来、下着の提出を要求されることになったとしても、もはや驚かないだろう。

■国外への出国に対する辛抱

トルコ共和国市民の国外への出国に対する難儀は、ビザに限ったことではない。われわれの国家は、21世紀にもなって市民が国外へ出国することすら未だ税金獲得の方法と考えている。手数料を適用するというくだらなさだけでは事足りぬようで、なんと値上げの準備が進められているというのだ!

ええ、みなさん聞き間違えではないんです…。西側だけでなく、われわれの国家も自由な旅行を制限するために、できる限りのことをしようとしているのだ。 どうやら、通信手段からたばこ、電気、ガスといったように皆さんからとっている税金ではまだ足りないらしい!これを皮切りに、われわれの給料の半分に国が直接手をつけることになったとしても、もう驚きはしない。

そうでなければ、なぜ33%もの値上げを議題にするというのか?公正発展党(AKP)所属の議員9名は、法改正案を整え4月5日に国会に提出した。

市民のみなさん!出国に対する手数料は、世界で非民主主義とされる3~5ヶ国を除き、いかなる場所でも適用されていない。言い方を変えれば、市民の自由な旅行を食い物にする国など全く無いということだ。ではこれらの税金はどこへ行き、どれほど集められているのか、知っている人などいるのだろうか?

■世界で最も高価なパスポート

10年用の生体認証パスポートは、世界的に平均50ドル程度である。われわれのものはというと、なんと250ドルである!みなさんは成人用を購入しているだろう。子ども用のパスポート購入や、若者への割引といったものもない。

旅行の自由を求めるボランティア団体やバックパッカー団体は、「これは、もう我慢できない」といっている。「出国手数料を、『国外に出国させない』手数料に変えてしまってはいけない!」と。彼らは、憲法が保証する基本的人権の一つである移動の自由を侵害するこの税金が、完全に撤廃されることを要求している。

彼らは、世界で2番目に速いスピードで成長する国のパスポートの値段を世界的な平均値にまで下げること、国外への出国に対する手数料を撤廃すること、EU諸国による不公平なビザの適用と闘うことに、国会議員たちに求めている。

あなたもこのばかげた税金に「No」と思うなら、さあこちらへ、どうかご署名を。
http://imza.la/bu-sefer-olmaz

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:26084 )