世界で年間8億ドルもの偽造紙幣の取引、イスラエルはその最たるもの
2012年04月26日付 Al-Ahram 紙

■世界で年間8億ドルもの偽造紙幣の取引、イスラエルはその最たるもの

2012年4月26日『アル=アハラ―ム』

【カイロ:ムハンマド・アッ=スィッディーク】

詐欺、不正資金浄化、テロリストへの資金提供撲滅のための第二回国際会議は、現在まで多くのアラブ諸国に広まっている詐欺問題に取り組むため、精力的な団結の必要性と民間セクター活用の必要性を呼び掛けた。

詐欺と偽造対策アラブ連合の事務総長フサーム・アブー・アル=アラーは、年間で8億ドルを超える偽造・模造紙幣が、近代的技術によって印刷されているため発覚を免れ取引されたことを明らかにした。
 彼は最も目立った偽造ドル紙幣はイスラエルのドル紙幣だと説明し、それは印刷の際安全な紙の利用されていることやセキュリティ保護が施されていること、そしてこれらのドル紙幣が密輸のため南アメリカやいくつかのアフリカの国からアラブ諸国に流入していることから、専門家によってさえも発見することがとても難しいためであると加えた。
そして偽造の実行は、サウジ・リヤルも含んでおり、特にウムラとハッジの時期の前に顕著であることと、この件に関する認識不足により、多く人が偽造による被害を受けていると指摘した。
 また彼は、偽造と不正による5年毎のアラブ諸国の損害は約2億ドルに上り、それは商品や物品、証明書、公的文書やその他の偽造によるものだと推測した。

 偽造・不正撲滅アラブ連合代表のムトゥラク・アル=イタービーは、エジプト支援のため、連合が、偽造と資金洗浄からの世界の救済とテロリズムの撲滅のためのサミットという表題の下、エジプトで会議を開催することを決定したと述べた。
また、アラブ世界を向上させ得る行動に焦点をあて、この機会に、多くのアラブ諸国における混乱や治安の空白の時期に、広範に拡がってしまった偽造や偽造行為に対して、アラブ民衆の意識を広めることが求められていると説明した。
そして、いかなる偽造と不正の拡大をも阻止するために、アラブ政府系組織間の協力と事例・経験等の情報交換が必要であると強調した。

また、アラブ議会の副議長イサ―ム・アル=イリヤーンは、偽造と不正行為の問題の深刻さを強調し、アラブ議会は法律の見直しと、会議で発案予定の勧告を行い、そして偽造と不正問題に対処する会議の目標を実現するため、これらをアラブ連盟と専門機関に提案することを明らかにした。

またさらに、湾岸商業会議所連盟の事務総長代理のシーリーン・アッ=デイシーはアラブ諸国の経済における偽造と不正の蔓延の危険性を強調した。またこの現象の撲滅への取り組みへの参加に向けての私的部門との集中対話の重要性を訴えた。

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( 翻訳者:尾崎仁美 )
( 記事ID:26188 )