Derya Sazakコラム:逮捕拘留中国会議員問題を考える
2012年04月27日付 Milliyet 紙

昨年の6月12日の選挙からおよそ1年ほどにわたって解決されなかった「逮捕拘留中の国会議員」問題に、ついに法的措置で合意に至ったと伝えられた。刑事裁判法の第100条にある逮捕を要さない「例外規定」の中に国会議員が含められる模様だ。法律が改正されればエルゲネコン、バルヨズ、クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)などの裁判で勾留中の8名の国会議員が釈放される。

4月23日の特別会議で共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首はこの問題を「民主主義の恥だ」と発言した。(同日の)トルコ大国民議会(TMBB)の設立92周年記念行事の、特に議長主催の夜のパーティーで、首相がエミネ・エルドアン夫人を、公正発展党(AKP)の議員がスカーフをかぶった妻を同伴させたこと(注)は、「正常化」に向けた重要な一歩として認識された。

しかし新議会期をなす2011年の選挙以来、トルコに固有の矛盾は、「正常でない」ままである。CHP、民族主義者行動党(MHP)、そして平和民主党(BDP)は、起訴係争中で判決の下っていない数名を(選挙の)候補とした。高等選挙委員会(YSK)もこれらの候補を承認し た。前回の会期でサバハト・トゥンジェルは当選後、釈放された。問題のムスタファ ・バルバイ、メフメト・ハベラルとその他6名の議員は、当選後、他のいかなる決定も要せず釈放されるものと考えられていた。それ以降昨年1年間、裁判所はそうした方法を用いなかった。

CHPやBDPの「国会宣誓の危機」「ボイコット」のような行動も釈放を引き出せなかった。現政権 は、彼らが候補者となる前に裁判が障害となる可能性に注意する必要があると主張し、(擁立に)反対を唱えてきた。現在この強固な姿勢が崩れつつある。(上記の)4月23日の 「正常化」の反応として、ジェミル・チチェキTBMM議長はもう一期務めることとなった。反対派は代表者と共に昨日会合を開いた。サドゥッラー・エルギン法務大臣もTBMM議長と会談した。刑事裁判法の改正によって8名の国会議員の釈放に道が開かれる予定である。

問題が長引かず解決されることを願う。ススルルク裁判で有罪となったメフメト・アアルのために(ふさわしい)刑務所を見つけるため(注2)に費やした労力より少なく、逮捕拘留された議員に対する「民主主義の恥」は終わる。

4月 23日に見られる「正常化」が試されるさらに2つの分野がある:憲法委員会と「クーデタ調査委員会」の二つだ。9月12日(クーデター)裁判は、1982年憲法がもはや歴史のくずかごに放られるべきものであることを示した。(与党は)エヴレン(元大統領)を裁判にかけ、軍事体制(下で設けられた)諸機関によってトルコを統治することはできないのだ。市民的で自由で民主的な憲法の制定はもはや必須だ。1930年代に「ジャーミーを厩舎に転用した」(という与野党間の)議論を今日(の議論)に持ち越す代わりに、2010年代のビジョンによってクルド人問題の解決を初めとして新たな社会的協定を実現する必要がある。クーデタ調査委員会は「宗教裁判」に戻ってはいけない。悪霊狩りによって正常化は為しえないのだ!

(注)関連記事
「国民主権とこどもの日」国会レセプションに、スカーフ姿の首相夫人初参加
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20120424_072452.html

注2
ススルルク裁判で服役の元内相メフメト・アアル、刑務所を選ぶ
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20120425_071309.html

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:26216 )