アフヨン県の「禁酒条例」、少し後退
2012年04月28日付 Hurriyet 紙

アフヨンカラヒサル県庁からの通達で、市内の駐車場もしくは市外のピクニック場での禁酒条例が後退を示した。イルファン・バルカンリオール県知事は、禁酒条例がピクニック場を含まないと説明を行なった。

アフヨンカラヒサル県は、2012/3号の決定で市内での屋外でのアルコール使用と販売を禁止した。県はこの問題と関わる通達の中で、県内の屋外および乗用車での飲酒が、周辺住民に迷惑をかけている原因になっているとした。通達では以下のことが書かれている。

「公共の駐車場、公園、建物のない広場、県内または市内の住宅地区、都市間の公道、公共の土地、公共のピクニック場、公園、万人が利用可能なピクニック場または荒地のような場所およびすべての車両内および屋外でアルコールの飲酒もしくは販売を禁ずる。」

また、駅、バスターミナル、広場、大通り、小路、歴史的・文化的地区、礼拝場所、廃棄された建物内、工事現場、銀行のATM、橋の下、墓地、観光地、24時間営業の商業ビル内の階段、空き地などの場所でのアルコール飲酒も禁じられている。

◆ピクニック場は禁酒条例から除外

禁酒条例がピクニック場を含んでいることに関して、イルファン・バルカンオール県知事は、通達からピクニック場は除外されたと明かした。禁酒条例がアフヨン県のみで適応されると述べる県知事は、「禁酒条例は罰則も含んでいる。昔の条項によるとピクニック場でのアルコール消費は禁止されていた。これを除いた。つまり禁止ではない。どの場所でも禁止されているかのような理解になったが、そのようなことはない。ピクニック場に関する書類が届いた際にそれのみを除外することとした。禁止区域は、除外したにもかかわらず、変更されずに通った。それを訂正した。許可されている区域での、屋内でのアルコール消費は禁止されていない。昔認められていたものは今も認められており、禁止されていたものは今も禁止する。禁止区域内の中にピクニック場はない」と話した。

◆フドゥルルク丘、聖なる場所

アフヨン県の数少ない娯楽の場所の1つがフドゥルルク丘であると述べるバルカンルオール県知事は、次のように述べた。

「ここは聖なる場所である。緑や森は人々が休み、楽しむ場所だ。しかし、夜になると何百人もの若者が車でここに来て車内、車外で飲酒をする。道路脇や交差点に車を停め、お酒を飲んでいる。飲酒運転もしている。このためトラブルが絶えない。こうした理由で公園に行けない人が大勢いる。廃墟ビルがあればそこは酔っ払いや暴漢のたまり場となっている。「10代の若者のたまり場になっている」といった苦情もよく耳にする。神聖な場所や駐車場での飲酒を禁じただけであって、公式にはフドゥルルク丘もピクニック場ではない。」

◆市民の異なる反応

アフヨン県が屋外でのアルコール消費を禁止したことを受けて、フドゥルルク丘に行く様々な人から異なる反応が返ってきた。街を高台から望めることで人気のあるフドゥルルク丘でキョフテ店を営むジェラル・ラフチュ氏は、この度の決定に非常に賛成であると述べた。同氏は「22年間ここで営業しているが、夜になると様々な面倒が起こっていた。あちこちに瓶が捨てられていた。公共の場所でのアルコール禁止は非常にいい結果をもたらしてくれる」と述べた。

◆街のイメージダウン

フドゥルルク丘へピクニックをしに来たアルソイ家とトゥルンチ家に質問したところ、禁止条例に対し異なる反応を見せた。メスット・アルソイ氏は、「アフヨン県は暖かい街である。アルコール使用に関して禁止とするのは街のイメージダウンにつながりかねない。これは罰則のなかにすでに記載されているのだから。「禁止」という形で条例の変更をする必要はなかった」と話した。メレク・アルソイ氏は、あらゆる禁止というものは禁止事項を助長するものだと言う。

フドゥルルク丘にきたサリハ・トゥルンチ氏は「どこまで禁止されるのだろうか?(オスマン朝の)ムラト四世も飲酒を禁止していたが、自身は飲酒していたと言われている。トルコでは発言の自由も表現の自由もない。禁止は解決策ではない。別の方法でこれを防いでいくことが必要」と述べた。ハサン・トゥルンチ氏も「この禁止条例の後ろに何があるのかは誰もわからない」と条例を批判した。

一方で、フドゥルルク丘では、禁止条例のずっと以前に、アフヨン自治体の通知が注目を集めた。フドゥルルク丘の様々な場所で掲載されている通知では、木、苗木、花をちぎる者、駐車場に残飯を捨てる者、一般駐車場で飲酒をする者、洗濯をする者、一般駐車場または公園で家畜を放牧させる者、芝生の上でバーベキューをする者、大音量で音楽を聞いて周りに迷惑をかける者に罰則とともに自治体の規律・禁止規則にしたがって罰則が与えられると通知されている。

◆アフヨン県知事、オルヤンティリング大会で「禁酒」のジョーク

トルコ・オルヤンティリング連盟により開催された「第3ステージ大会」は40の県からの972人の参加者とともにアフヨン県で開始した。大会の第1ステージにはアフヨン県のイルファン・バルカンルオール県知事も参加した。スタートラインからおよそ100メートル先にある目標に向かってスポーツウエアで歩いていた県知事は、トルコ・オルヤンティリング連盟のメフメト・ゲンチ会長から大会の説明を受けた。県知事はここで目下町の話題となっている禁酒条例に触れながらジョークを言った。「大会参加者の中に、お酒を持ち込んでいる人はいないですよね?」と、バルカンルオール県知事は言い、ゲンチ会長の笑いを誘った。

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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:26226 )