Hasan Cemalコラム:平和・共存のメーデー祭典に政府は追いついていない
2012年05月03日付 Milliyet 紙

今年の5月1日が大いに盛り上がり、何事もなく過ぎていったことや、社会的多様性が明るく反映されたことは喜ばしい。「通常化」、「成熟」というにふさわしい。しかし、この国で政府は未だ後方にいる。なぜなら今も、自由によって国民一人一人をでなく、禁止によって政府自身を守り続けているからだ。

今年の5月1日が大いに盛り上がり、華々しい雰囲気の中で無事終わったこと、あらゆる社会的多様性が明るく反映されたことは喜ばしい。
正常化、成熟と言うのにふさわしい。
自由が広がるごとに、誰もが望んだようにする発言するごとに、そして社会の中にある多様性が自由に表面化するごとに、我々は安心し、平和な気持ちになるだろう。真の平和は自由を叫ぶことで扉が開かれるのだ。
誰もが望むように生きさせるがいい、誰も誰かの生活に干渉すべきでない。
誰もが自分自身であれ。
「反資本主義ムスリム青年組織」もスローガンを掲げて行進した。
「泥棒のムスリムはいらない!」
「財産も偽りのもの、資産も偽りのものだ!」
新約聖書を引用しながら叫んだ。
「神と金、両方に仕えることはできない」
「僕に仕える者は恥を知れ」
「最低賃金で働く者の劣悪な状態…」
「洗練された資本主義に反対!」
ムスリムらが奮闘する一方で、左翼の人々もスローガンを叫んだ。
「ファシズムに対しともに戦おう!」
ラズ人達もラズ語のスローガンを掲げ行進した。
チェルケス人も、ポマク人(ブルガリア系ムスリム)も…
クルド人も…
アレヴィーの人々も…
ガラタサライ派も、フェネルバフチェ派も…
ベシクタシュの商店組合も…
クズルバシュ(アレヴィー)の人々も…
ホモセクシャルの人々も…変革的な学生達も…
役者も…
シンナー中毒の人々も…
労働組合の人々も通り過ぎて行った。役人組合も…
あらゆる人々がすべてそこにいた。
スカーフを着用している者も、していない者も5月1日のメーデーに広場で自由に叫んでいる。
ミッリイェト紙の見出しにあるように
5月1日に全ての多様な人々が道にあふれている!
しかも事件は起こらなかった。警察が誰かを殴ることはなく、催涙ガスも使われなかった。
なんて素晴らしいのだ。
社会は正常化へ向かっている。
成熟している。
自由の範囲が広がっている。
5月1日から得られた教訓は、以下の2文へ集約することができる。
社会は進んでいる…
政府はそれに追いついていない…
政府が邪魔をせず、与党が自由を広げながら社会の多様性がより認められるようになっていけば、我々はこの地で穏やかに、平和に暮らすことができる。
首相らが、奇妙だと言って像を壊させなければ…。首相らが芸術家達へ脅威を与えなければ…。
知事が人々の飲酒や生活へ干渉しなくなれば…
行政が演劇に一定の芸術解釈を押しつけなくなれば、演劇家の創造性を鈍らせければ、「地獄の沙汰も金次第」と要約できる浅はかさに陥らなければ…
新聞記者が刑務所にいなくなれば…
言論の自由が完全になれば…
国民がみな平等になっていけば…
与党は、知識人や芸術家に敵対行為をしなくなれば…

さらに書き続けることができるこれら文章は、この国で政府が遅れていること、今も自由によって国民一人一人ではなく、あらゆる禁止によって政府自身を守り続けていることを示している。
5月1日の教訓。
社会は進み、政府はそれに追いついていないのだ…
そうだ、政府は未だに市民社会へ足並みを揃えていない、それどころか邪魔をしている。
一方で、エルドアン首相と公正発展党の指導部、たとえばヒルミ・ヤヴズ氏の以下の発言に注目してみても良い。
「ムスリムは知らぬ間にケマリストになった。ケマル主義がネクタイと帽子を主張すれば、イスラム主義もスカーフへと立ち返った。
公正発展党は、社会的問題においてダブルスタンダードを取っている。スカーフ問題については、公正発展党にとっての社会とは市民社会のことである。アルコールの問題については、社会とは国家のものとなり、干渉する。
芸術における唯一の限界線は美である。芸術が指摘する問題は、美の名において追及されるものであって、道徳によってではない。芸術は道徳や慣習によって追及されるものではない。
市立劇場が政府の劇場にはなってはならない。これらは自立すべきで、政府はそのように支援すべきである。政府と芸術の関係が、給料を得ている役人ようなものになってはならない。」(以上、ネシェ・ドゥゼル氏の「月曜対談」より抜粋、2012年4月30日付、タラフ紙)
ヒルミ・ヤヴズ氏はこう述べている。
「平和、民主主義と自由の名のもとに、素晴らしい5月1日を我々は過ごしたが、さらにすべきことがまだたくさんある。」

しかし、今日のところはいいじゃないか。どうか、人々が望むように生活できますように!

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( 翻訳者:榎本有紗 )
( 記事ID:26314 )