1バレルあたりの最適石油価格とアラブの石油への思考の必要性
2012年05月16日付 al-Hayat 紙

1バレルあたりの最適石油価格とアラブの石油への思考の必要性

■1バレルあたりの最適石油価格とアラブの石油への思考の必要性

2012年5月16日『アル=ハヤート』

【アニス・ブン・ファイサル・アル=ハッジー】

「石油の適正価格」という言葉を発する人もいる。しかし、実際には適正価格の概念は、それぞれの自己裁量によって説明される漠然とした概念である。過去40年 間のOPEC閣僚の声明についての歴史的に振り返ってみると、OPECの閣僚は全員、石油価格を説明するにあたって何度も「適正な」という言葉を使った。ま た、あるものはこの言葉を50回以上使用した。

説明することが困難であるこの解釈は、1バレルあたり25ドルが適正価格であると責任者が述べ、数か月後に1バレルあたり28ドルが適正価格であると述べ、この表現が、価格が引き上げられるごとに繰り返 される時、意味を失う。この意味で石油価格は1バレルあたり60ドル、70ドル、80ドル、90ドル、100ドルであっても、適正なのである。また、ここには表現する際の「哲学」という問題がある。この文は非難への、あるいは、産油国が非難されているという単なる感情を擁護するために出てきたのではない。この解釈は、消費国に向けて、消費国 が不平を言う価格が「適正である」ことを示しているが、それは、暗に産油国が石油価格を操作することを意味している。また、暗 に産油国は非難されており、自己防衛せざるを得ないという感情が存在することを意味している。

実際、産油国を擁護すらする必要のあったときに、アラブの石油に関する思考が十分に出来ていれば(よかったのだが)。現在敷衍している石油に関する思考は、西欧的な思考で、西欧の政治的なサイクルの中での公式であり、さらにはカリキュラム、書籍、調査、修士・博士論文に形を変えた。そして、これは突然、西欧で学んだアラブ人までも が採用する「学問の法則」に変わった。

(後略)

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( 翻訳者:増田里紗 )
( 記事ID:26404 )