コラム:NATO首脳会議出席のギュル大統領、インタビュー
2012年05月20日付 Hurriyet 紙

今年で、トルコがNATOに加盟してから60年になる。アブドゥッラー・ギュル大統領は、NATO首脳会議のためにアメリカはシカゴに滞在している。

金曜日、アンカラからシカゴへ向かう途中、ギュル大統領と話した。火曜日までシカゴで続けて二つの首脳会議が行われ、計60の国と国家首脳が会議に参加する。一日目はNATO通常会議、二日目はNATOが現在も継続している最大の責務であるアフガニスタンに関する会議が行われる。
NATOで話し合われる議題に、まずミサイル防衛計画の現状が挙げられる。主に技術に関してだが、マラティア県キュレジキに配備されたようなレーダー基地の、ヨーロッパへの配備についても検討される。これらは国際外交を活性化するものであり、特に国として会議に参加していないロシアの反発を招く恐れがある。
ミサイル防衛は我々に関係する二つの重要な側面がある。一つ目は、述べたように、防衛レーダーの一つはトルコにあるということだ。二つ目は、ミサイル防衛は、トルコを守るのか、守らないのか、ということだ。
トルコはNATOの南東の境に位置するため、トルコを標的にした攻撃における早期警戒の可能性が制限される。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、この問題に関する質問に対し、決然として「もちろん(ミサイル防衛は)トルコを守るものだ」と答えた。そして「これはとても技術的な問題である、そのため議論はかなり長引いた。外務省と参謀司令本部は細心の注意を払ってことを進めてきた」と話した。
これについてアフメト・ダヴトオール外務大臣も触れ、技術的話し合いについてわかりやすく説明し、「ミサイル防衛でトルコに関していくつかの盲点や、防衛の外におかれることがあるとして、NATOから追加措置の約束をとりつけた」と話した。
この追加措置は、トルコにパトリオットのような弾道弾迎撃ミサイルシステムを配備することを意味するかもしれない。

■「アフガニスタンに駐留する」、「パキスタンを招待させた」

アフガニスタンに関する会議は、おそらくNATO首脳会議と同じくらい重要である。アブドゥッラー・ギュル大統領は、「アメリカがアフガニスタンから撤退しようとしているのは知っているでしょう。そしたら、その後この国はどうなる?会議ではその問いへの答えも模索される」と述べた。
大統領は、トルコがアフガニスタンに持つ関心と献身はNATOから独立して続けられるだろうと述べ、「NATOがそこに残らなくても、我々は残る」と話した。
ギュル大統領は、「我々はアフガニスタンの安定のために行った」と続け、我々が強く求めたにも関わらず、それが何を意図しているのかを明らかにせずに「そこで将来的に他の事実が明らかになれば…」と話し始めた。
そしてこの話題は全てパキスタンにつながる。もちろん、パキスタンを考慮せずにアフガニスタンに言及することはあり得ない。
NATOのアフガニスタン関連の会議には60カ国が招待されたが、その中にパキスタンはなかった。ギュル大統領はこれを受けて、先週、パキスタンのザルダーリー大統領に電話をした。ザルダーリー大統領は、「呼ばれていないところには行かない」と話したそうだ。
トルコは、ギュル大統領を中心に仲介に努め、3日前にパキスタンは招待された。ザルダーリー大統領もシカゴに滞在している。ギュル大統領とも面会するだろう。ギュル大統領によれば、「他の事実」が意図することの一つもこれだという。

■ウルデレ事件で武器を使った責任は誰にある?

シカゴに向かうギュル大統領に話しかけた時に、目下の議論、つまりウルデレ事件の情報の出どころに関しての新たな話を無責任にも尋ねた。
ギュル大統領はアンカラから発つ前行った記者会見で述べたことを繰り返して、「書面による発表を信頼してください、参謀司令本部と政府の発表を信頼してください」と述べた。
これを受けて、ウルデレ事件に関する基本的な議論は情報の出どころについてではなく、これが検討されたことであるとし、間違った爆撃命令が与えられていたことを想起させ、「このような状況で武器使用の命令をだれが与えたのか、参謀本部か、それとも外部の機関か」と尋ねた。
大統領は、武器使用の権限は現行法におても最も念入りに整えられたと述べ、首相府と参謀司令本部の間で非常に長い議論の後、施行されたと説明した。しかしウルデレで34人の市民が空軍の飛行機による爆撃で亡くなった事件で、命令をだれが与えたのかについては言及しなかった。
わかったことは、武器使用の権限に関する規定が存在する理由は、この権限の本当の所有者である政府が、あらゆる軍事作戦や状況において、この権限を「行使した」或いは「行使しなかった」と言えないことにあるということだ。そのためには技術的な条件を明確に記し、軍に(権限を)移す必要がある。ウルデレ事件で何時間も情報についての検討が行われ、最終的にディヤルバクルから軍用機が離陸し、結局爆弾が落とされても、外部機関の承認は求められなかった可能性があるというのが私の意見である。
つまり大統領はこの件に関しては信頼できるのだ。

■オランド大統領と面会する

アブドゥッラー・ギュル大統領のシカゴでのスケジュールははとても密である。このような首脳会議では各国首脳との二者会談を行うこともできる。ギュル大統領も、オバマ大統領を含む多くの首脳と二者会談を行うだろう。
ギュル大統領が会談を行う首脳の一人はフランスのオランド新大統領である。
「前大統領と違い、オランド氏は日和見主義者でなく、より道義的に政治に臨むことを望んでいる。全世界は彼にそう期待している」とギュル大統領は話し、サルコジ前大統領への感情を全く隠さなかった。
これを受けてトルコのEU加盟への希望とフランスによって否定されたいくつかの項目が進展する可能性を聞いた。「重要なのはアプローチの問題である。それが良い意図のもとに行われるのであれば問題ない」と大統領は述べ、こう付け加えた:
「何年も同じことを言っている。EUを待っている代わりに我々自身がいくつかの項目を進め、後からその基準を実行し、条件を満たさなければならない。これを行っている。行うことで、力をつけている。私たちが力をつければ、EU自ら我々のもとに来るだろう。」

■「我々の最も重要な特徴は…」

ギュル大統領は、EUと改革について話す中で、とても興味深いことを言った:「我々の、つまりトルコの為政者の最も重要な特徴のひとつは、自分の欠点を十分に自覚していることだ。経済でも、法治国家や民主化の問題においても。そしてこの欠点をなくそうと努力している。我々がこれを行っていることを、国民は見ている。我々が欠点を減少させるほどにトルコが力をつけていくことも、国民は見ている…。」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:藤井彩香 )
( 記事ID:26444 )