シリア石油相:35000トンの軽油を積んだベネズエラのタンカー到着
2012年05月24日付 al-Hayat 紙

■シリア石油相:35000トンの軽油を積んだベネズエラのタンカー到着

2012年5月24日『アル=ハヤート』

【ダマスカス:サマル・アズマシュリー】

シリアの石油相スフィヤーン・アラーウは、「ヨーロッパとアメリカの制裁実行の結果」シリアの石油部門の、昨年の9月から現在までの間の損失は、40億ドルに上ると推定し、約35000トンの軽油を積んだベネズエラのタンカーが一昨日(22日)シリアに到着したことに触れた。

同相は石油精製品、特に家庭向けのガスの輸入におけるシリア政府の困難を説明した。家庭向けガスは、シリアでの必要量の50%を国内生産している。
シリアは軽油とガスの入手危機に苦しんでいる。しかし、同相は、昨日開かれた石油省内での記者会見において、軽油は「不足することはないであろう」と強調し、35000トンの軽油を積んだベネズエラのタンカーが一昨日シリアに到着したことに触れた。これは、三艘目であり、軽油の四番目のタンカーが近々シリアに向けて出発する予定であることも明らかにした。

同相は、家庭向けガス確保についても、イランとアルジェリアとの間で議論が進んでおり、「シリアの全ての所轄機関が、不足を補い、国民のための物資を確保するために、使える手段全てを用い、多大な努力を行っている」と明らかにした。この分野でのロシアの援助に関する質問では、同相は、シリア・ロシアの合同委員会がモスクワにおいて、シリアへの軽油と家庭向けガスの供給のための長期契約を結ぶ可能性についての協議を行っていることも明らかにした。

また、シリアは昨年、200万トンの軽油と約45万トンのガスを輸入したことを明らかにし、制裁にも関わらず、今年の四半期まで、国内需要を満たしているとした。そして。「しかし、彼らは政府が事態を掌握し、国民に必要なものを確保していることが気に入らないようだ。そして西側が「燃料会社」に制裁を課す手続きをとることを当てにしている。しかし、この会社は国立であり、ガソリンや、家庭向けガスや軽油や燃料などの石油精製品を分配することに責任を持っている。この会社は単なる生産者ではなく国への出資者でもなく、国の資金を使って、国民に資する機関なのである。

我々には、多くの会社とすでに締結済みの契約があった。そして、今年の末まで軽油とガスに関して、我々の需要を確保するためのクレジットが開かれていた。しかし、これらの会社は会計が確保されているにも関わらず、ヨーロッパの諸当局より受けた禁止令や脅しの結果、停止してしまった]、と述べた。

同相は、民間部門は、私企業からガスの必要量の入手・確保をすることが許可されていることを指摘した。これは、これは政府よりも簡単に行える可能性があるからである。また政府はこれら民間部門から余剰分をどんな価格であれ買い取る用意があることを表現した。また、同相はシリア人に、ガスに代わるものを探るように要求し、31の民間のスタンドでキロシンが手に入ることを示すとともに、シリアは「戦争状態」の中にあることから、前向きに、建設的な心をもって事に当たることの必要性を促した。

そして、危機は収まり始めたことから、この期間というのは長続きしないということを確約しつつ、シリアは、国民のために石油精製品を獲得したり、その確保を行う努力はしないであろう、と述べた。
アメリカは昨年の8月18日にシリアの石油部門との取引の禁止を含む制裁決定を下し、9月の始めにはEUが同様の制裁を下し、このことで15の制裁が全ての石油部門に及ぶことになった。

さらに同相は、「我々のスタッフは、複雑な技術にもかかわらず、油田、特にガス分野での操業を継続した。しかし、彼ら(ヨーロッパ人とアメリカ人)はスペア・パーツや経験の供給を禁じた。目的は、シリア・アラブの民衆を最も重い度合いの包囲作戦により包囲することなのである」と述べた。

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( 翻訳者:山﨑やよい )
( 記事ID:26485 )