ファズル・サイ、宗教侮辱で被告席に
2012年06月01日付 Milliyet 紙


イスタンブル共和国検察が、有名ピアニストファズル・サイに対し懲役1.5年を求刑した起訴状で、サイ氏の問題の文章が「宗教的価値観を貶める意図」で書かれたとされた。

イスタンブル検察がピアニストのファズル・サイに対し、「国民の一部の層の人々の宗教的価値観を貶めた」として提出した起訴状は、裁判所により受理された。起訴状によると、サイは6か月以上1.5年以下の実刑が求刑され、彼の文章は思想表現の自由の範囲を超えており、「宗教的価値観を貶める意図」で書かれたものであるとされている。エルハン・ギュルジャン検事が準備した起訴状では、サイは「イスラムやこれを信仰する信者たちを、ひどく侮辱し、宗教的価値観を公然と貶めた」として、調査を始めさせたことが明らかにされている。

■神聖な対象への攻撃

エルハン・ギュルジャン検事は起訴状の法的根拠について、世界人権宣言、欧州人権条約、憲法における思想・表現の自由の項に言及しながら、思想・表現の自由がこれらの法により守られていることを述べた。彼は、欧州人権裁判所の「オットー‐プレミンジャー・インスティテュート」と呼ばれる今回と類似した判決にも言及し、この問題における合法的判決において、「他者を理由なくひどく傷つけ、人間関係の発展に役立つ市民の議論にどのような形であれ寄与しない振る舞いはすべきではない。よって宗教的観点から神聖とみなされる対象にたいし、不必要な攻撃を防ぎ、制裁を加える必要がある」と述べ、強調した。

ギュルジャン検事は、刑法第216条項(サイ起訴の根拠となった条項)の目指すところは、「人々が、自らが帰属すると見なし愛の絆により結びつきを深めている宗教が、神性と見なしているアッラー、天使、預言者、聖書、最後の審判、天国と地獄のような概念や、こういた宗教の祈りの呼びかけや礼拝場所、礼拝様式に対する人々の感情を守ることで、社会の平和を守ること」であると述べた。

起訴状には次のように書かれていた:「イスラムだけでなく、キリスト教やユダヤ教に共通する価値観であるこれらの概念に関し、人々は考えや批判を自由に口にできるいっぽう、こうした宗教を信仰すると考える人々の宗教的信仰が必要とし、拠り所とする価値観が貶められず、こうした形で人々を傷つけないことが必要である」
起訴状では、サイが「一部の人々が拠り所とする宗教的価値観を広く貶めた」罪で、6か月以上1.5年以下の実刑を求刑し、刑に服すべきだとした。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:26584 )