Fikret Bila コラム:期待されるCHPの役割とは?
2012年06月10日付 Milliyet 紙

ケマル・クルチダルオール共和人民党(CHP)党首がテロとクルド問題についてレジェプ・タイイプ・エルドアン首相を訪問した後、いくつかの期待が生まれた。
デヴレト・バフチェリ民族主義者行動党(MHP)党首の四党委員会反対を受けて、与党内の党派はCHPとの二党委員会結成の提案への答えを待っている。
クルチダルオール党首の訪問と提案は、エルドアン首相に非常に重要視されている。
政府は今後のステップがCHPとともに結成される共同委員会の試みによって具体化することを望んでいる。しかし、このような委員会が作られなかったとしても、CHPが支持さえしてくれれば、同じ結論を生み出すだろうと見られている。

■アタライ副首相の示唆

ベシル・アタライ副首相は、CNNトルコでハンデ・フラト氏の質問に答えた際、エルドアン首相が今後クルド語と他のいくつかの問題において重要な説明を行うだろうと話した。政府周辺から得た印象では、クルド語の選択科目科という選択肢をはじめとして、政府はこの分野でいくつかの決定を発表する段階にいる。
さらに、着手されたことが知られている第4次司法改革の枠組みでも、この問題に関していくつかの新たな調整が行われる可能性が高いと見られている。
首相に近い筋からの情報によると、エルドアン首相が発表する新たな決定は、クルチダルオールCHP党首の訪問以前から取り組まれていた問題であった。
CHPがこのような提案と支持を試みていなかったとしても、政府は同様の決定を行なって同じ道を進み続けただろう。
しかしクルチダルオール党首の訪問の後、前述の決定に関してCHPからの支持1つすら政府はとても重要視している。
政府周辺の人々は、2人の党首の会談が世論に作りだしたポジティブな雰囲気がこのような支持によってより強化され、テロとクルド問題に関する決定とその適用の手助けとなると話している。

■原則は変わらず

エルドアン首相が以前明らかにした、「PKKとの闘い、平和民主党(BDP)との交渉」という原則に変化はない。
エルドアン首相はテロとクルド問題について、PKKと(オジャランのいる)イムラル島との交渉を閉ざしている。BDPとの交渉について主張していた条件も未だ有効である。
首相は、クルド語教育問題を始めとする踏み出そうと計画しているステップについて、BDPとも協議していない。
「PKKとの闘い、BDPとの交渉」の原則のもう1つの現れは、北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領との接触の濃密化である。アタライ副首相の説明によると、バルザーニー大統領は(PKKの拠点がある)カンディルと会談を行なっており、PKKの武装解除にも到達しうる選択肢が検討されている。
アタライ副首相のこれらの発言は、政府がイムラル島とヨーロッパを通してはなく、アルビール(の北イラク・クルド自治政府)とワシントン(のアメリカ政府)を通して、カンディルに圧力をかける方を選んでいることを示している。

■MHPとCHPへの見解

ケマル・クルチダルオールCHP党首は、デヴレト・バフチェリMHP党首が態度を変えることについて望みを捨てていないが、MHPからもたらされるメッセージは、門を閉じる方向のものである。CHPの試みへの参加はさておき、バフチェリ党首とMHPの参謀たちは、このプロセスが分裂を加速させるのではないかと懸念している。

メフメト・シャンドゥルMHP会派副代表はこれについて、CHPの立場を次のように評価している。
「クルチダルオール党首とCHP執行部は、これらの試みによってオジャランがロードマップとして提起した要求を正当化した。CHPはこの態度によってオジャランの要求を共有し、自らの見解として世論とエルドアン首相に提供した。今後は望んだとしてもこのプロセスから脱出することは難しくなるだろう。トルコの分裂を望む勢力の労力を減らす試みを行なったのだと気づくだろう。MHPがこのプロセスに反対するであろうことは明白である。このため我々が態度を変えることを期待する人々は、無駄な期待をしている。」

クルチダルオールCHP党首は、エルドアン首相の(2党でも委員会結成をという)提案に返答する前に、進展を見ることになるだろう。与党と最大野党の間で共同委員会が作られなかったとしても、クルド語教育を始めとする今後公表が待たれるエルドアン首相の決定に対するクルチダルオール党首とCHPの態度は、今後、このプロセスがどのように推移していくかのヒントを与えるものとなるだろう。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:26662 )