シリア反政府派新リーダー、イエメン方式を一定評価
2012年06月11日付 Hurriyet 紙

シリア国民評議会(SUK)の新議長に選ばれたアブドルバセト・シダ氏は、「イエメン方式」と呼ばれるプランに部分的に賛成した。

シダ議長はアナトリア通信の取材に対し、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領はファルク・アル=シャラー副大統領に権限を譲るべきと考えていることを明かした。シリアで起きている大虐殺に関して、シダ議長はアサド大統領の側近グループに責任があるとし、このグループと交渉をするのは不可能だが、虐殺と直接関係のないグループとなら交渉が可能であると述べた。
この会見から、アメリカがロシアを説得するために提案した「イエメン方式」が反体制派によっても受け入れられていることが分かる。アメリカ政府は、シリアの政治体制の一新を諦める代わりにアサド大統領の政権の退陣を求めていた。

■「イエメンとシリアは違う。」

「アサド大統領は副大統領に権限を譲るべきだ。副大統領が虐殺に直接関与しているというような確信はまだない。我々が虐殺に関与していない政権側の人物と交渉するのは、彼らに権限を譲るためでなく、彼らが権限をいかにしてどのような形でどういった方法でそしていつ放棄するのか決定するためである」とシダ議長は述べ、シリアとイエメンの構造は異なっていると付け加えた。

シダ議長は、「イエメンとシリアの問題は類似していない。イエメンでは部族と政権が均衡状態にあった。軍が二つに分裂していた。イエメンではシリアのような虐殺はなかった。さらにイエメンでは政権側と反体制派に話し合う用意があった、話し合うよう強いられていた。しかしシリアの政権ではそうではない。たとえば『我々はアナン・プランを受け入れている』と言った後に虐殺を続けた。イエメンで用いられた解決策は参考になるだろう。しかしシリアの問題は大きく異なっているため、私はこの方法が大変効果的であるとは思わない」と述べた。

■反体制派を支援している国々に感謝

シダ議長は、シリア国民評議会の議長に選ばれてから最初の会見でシリア国民を支援している国々に感謝した。
シダ議長はイスタンブルで開かれた記者会見で、国連とアラブ連盟の合同特使であるコフィー・アナン氏の尽力を非常に高く評価していると述べた。また同氏は、「アサド政権を止めるためには国際社会が努力を継続することが重要である。トルコの兄弟たちに、シリア国民の革命を支持し、骨の折れる継続的な活動を行ってくれていること、また難民を客としてもてなしてくれたことに対し感謝している」と語った。

■国連憲章第7章に言及

ロイター通信の報道によると、シダ議長は国際世論がシリア市民を守ることと国際連合で有効な決定が下されることを望み、大国が「(国際連合憲章の)第7章に従い有効な決定を下し、殺人マシーンを止めること」を求めた。
シダ議長は、国連安全保障理事会が合意に至らなかった場合、加盟国は国連の決定の枠外でも行動できると述べた。

■ロシアと中国に呼びかけ

シダ議長は、ロシア政府と中国政府に国際社会の尽力に加わるようにと呼びかけ、イラン政府に対してもシリア国民の意志を尊重するよう訴えた。
同氏は、イラン‐シリア関係は両国の利益に基づく新たな時期を迎えるであろうと述べ、イラン政府はこの時期に備える必要があると語った。

■「バアス党は支配権を失った。」

AA通信のインタビューに答えたシダ議長は、シリアで49年間政権を握ってきたバアス党が、この一年間で国民に対し行なってきた激しい弾圧政策の結果、シリア全土で支配権を失ったと主張した。
シダ議長は、「現在、大都市の大通りでのみで攻撃しているだけだ。我々はこの政権はもはや最終段階に到達したと思う。そのために、ますます攻撃的になるだろう」と話した。

同氏は組織運営原理の点でシリア国民評議会の内部を刷新したことを明かし、他の反体制グループと協同して活動することを目指していると述べた。
シリア国民評議会議長は、「アサド政権は国際社会が自分に責任を問われないと思うと、この状況を時間稼ぎのための新たな好機と見るだろう。したがって(より圧力を強み)アサド政権に国際社会の決定に従うほかないことを理解させる必要がある」と話した。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:26674 )