クルド語、5年次からの選択科目に?
2012年06月11日付 Radikal 紙

(国民教育省)教育指導局は、全ての選択科目プログラムと指導要綱に関する(見直し)作業を6月末までに終わらせる予定だ。5年次からクルド語が選択科目となる。

ワタン紙のクヴァンチュ・エリアチュク記者の報道によれば、エルドアン首相が13日の公正発展党グループの集会で行う予定の会見の後に、クルド語の授業プログラムの詳細が公表される予定である。クルド語の授業は、学校の4+4+4(小学校4年間、中学校4年間、高校4年間)システムにおける中学校から、すなわち二番目の4年間から行われ、一週間に3,4時間程度(の授業)が計画されていることが明らかになった。クルド語選択科目は、その分野で資格ある教員がいないため、初期の段階では「専門教育者」らが任用される予定である。

民主的イニシアティブの新しい歩みとして、クルド語学習の緩和が議題となったといわれる。政府は、学校でクルド語が選択科目として学べる規模が新たな民主化の期間において拡充すると予測している、と説明した。ベシル・アタライ副首相は先週、「母語教育」の名のもとで明らかにした、この新しい取り組みに関する詳細は、エルドアン首相が発表する予定である。

■クルド語選択科目

ディンチェル国民教育大臣は、4+4+4会合の間、「中等教育のために準備している選択科目の中にはクルド語もありえる」と話した。ベシル・アタライ副首相の「母語教育」会見の後で注目されたのは、クルド語がどのように教えられるようになるかであった。入手した情報によれば、教育指導局は全ての選択科目プログラムと指導要綱に関する(見直し)作業を今月末までに終わらせる予定だ。選択科目の中にはクルド語もある。国民教育省の高官は、クルド語指導要綱は今週までに明らかにされると話した。クルド語が次の教育年度で選択科目として登録される場合、特に東部、南東部の多くの学校で(クルド語が)選択されることが予想されている。

■中学校から開始される予定

国民教育省の取り組みでは、クルド語選択科目は5年次から、すなわち中学校から開始される。教育指導局が作業を終わらせた後、ディンチェル国民教育大臣へ提出される(指導要綱)プログラムを、同大臣が承認したならば、指導要綱は小学校の最終学年から、すなわち第4学年から始められる。しかし、計画では中学校(第5学年から)から行われると説明されている。

英語、ドイツ語、フランス語のような外国語とともに選択可能なクルド語授業は、中学校では学生が他の言語クラスを選択したか否かにより、一週間に4~6時間程度おこなわれる。一方、学生が英語のような他の言語を学習する代わりにクルド語の授業を選んで、さらに多くの授業時間をこの授業にあてることできる。クルド語選択科目はリセ(高校)の段階にもあり、そこでも、さらに一週間に3あるいは4時間があてられることが明らかになった。

■DVDを使っての授業

クルド語の授業で学生が言葉を習得するために、書籍とともに、CD、DVDのような補助教材も利用する。DVDでは題材を補強するために文化的情報も取り上げられる。授業の「全体的目標」、「通常の速さの話し言葉を理解できること」、「聞き取り」、「自然な速さ、トーン、アクセントの位置及び正しい発音で話せること」、「その言葉が話されている地域の文化的価値の違いを認識できること」、「感情、思考、印象を、はっきりと、理解できる形で書いて説明できること」、「自身の文化を意識すること」、「アタテュルクの思想と革命を説明できること」などが準備される。

■クルド語教育

国民教育省が、選択クルド語授業とともに、いくつかの民間あるいは財団の学校に「英語」、「フランス語」の言語教育を行うことを許可するのと同時に、クルド語教育を行う権利も検討するが、しかし、この段階では(民間あるいは財団の学校への)許可が議題とならないということが強調された。教員が適切なレベルに成長した後、(クルド語教育を)行いたい民間あるいは財団の学校は、他の民間の学校の例にあるように、トルコ語以外の言語で教育する権利を有するであろう。これらの学校のために国民教育省から別途許可が与えられ、特別プログラムが承認される予定である。

クルド語の指導要綱が公表された後、これらの授業にはどの教員が当てられるかという別の問題がある。教員はどの分野を卒業すればどの授業を担当することができるのか、教育指導局の「第80号の決定」で明らかにされている。これではまだクルド語が言及されていない。教育指導局は第80号の決定に関して判断を下す必要がある。ディンチェル国民教育大臣は、「クルド語授業を担当する教員を見つけることができますか?」という質問に対し、「何も心配いりません。私たちが見つけます」と答えた。

■初めての卒業生は2015年度に

一方、マルディン・アルトゥクル大学、ムシュ・アルプスラン大学では、高等教育機構(YÖK)の決定により「クルド語とクルド文学」学科が開講された。バトマン大学では同様の学科ついてYÖKに申請し、承認を待っている。アルトゥクル、アルプスラン、ビンギョルの各大学においては、修士号を取得できる大学院が設置されている。マルディン・アルトゥクル大学のクルド語とクルド文学学科は2011年度にYÖKの決定により初めての学生を受け入れた。学生21人は2015年に卒業する予定だ。これらの学生はクルド語分野で4年間の学部教育を受けた初めての学生となる。この分野の教員として任命されるために、4年間の学部教育が条件となることから、この学生らが初のクルド語の教員となる。しかし、クルド語選択授業の決定が実施されるのが2015年より前になるなら、暫定的に「(臨時)雇い教員」と「専門教育教員」の形式を採用し暫定的に運営する。様々な(教育)コースを出て、修士課程に在籍してクルド語に関する(能力)証明書を得たものは、県と郡の国民教育局から(臨時)雇い教員と専門教育者として各学校で勤務することができる。

マルディン・アルトゥクル大学現存言語研究所内に設立されたクルド語とクルド文学修士プログラムからも2013年に初めての卒業生がでる。法的修正により、同修士課程の卒業生はその分野の教員として登用されない。しかし、修士課程の卒業生は、教職課程あるいは、文理学部を卒業した後、クルド語修士課程を終えるか、自身の卒業した分野で教員になるのであれば、「副教科」としてクルド語の授業を担当することができる。しかし、その教員の主な学問分野がクルド語であってはならない。

■共和人民党(CHP)の申請は不誠実

オメル・ディンチェル国民教育大臣は、エミルガン・コルス地区ベヤズ亭でのカイセリ県の共済組合が準備した第6回カイセリ出身者の昼食会で、メディア関係者の質問に答えた。一般的に「4+4+4」として知られる義務教育12年間として提出した第6287法を根本的に議論するために、CHPが憲法裁判所へ行った申し立てに関連した質問に対し、ディンチェル国民教育大臣は以下のように話した。

「まず、以前にもこの法律に関して憲法裁判所へ申し立てをしたことをあなたは覚えているでしょう。憲法裁判所は形式上この申し立てを拒絶しました。その時、あなたが憶えているなら、『誰もが法律を尊重しなければならない』と述べました。トルコ大国民議会(TBMM)は意思を明らかにしました。私たちもこれに従って必要な準備を行い、数年前よりこの法律に関する取り組みを始めていました。以前から裁判所はこれ(CHPの申し立て)を拒絶していますが、再申請することは、私は少し不誠実だと考えます。さらに重要なことは、以前にはCHPはこの件に関し肯定的なメッセージを出し、これに関する調整も可能と説明していました。今回の行動は、以前の主張とは異なり、矛盾し、それを否定する行動です。私はCHPに対し、議会と裁判所を尊重することを勧めます。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:26678 )