Eyup Can コラム:ラディカル版クルド問題賢人会議メンバー表を考える
2012年06月13日付 Radikal 紙

ラディカル紙のコラムニストと読者の(「賢人メンバー表」が大きな波紋を呼んでいる。そのリストを一方的だと見る者も、とことん支持するという者もいた。

[訳者注:CHPクルチダルオール党首がエルドアン首相とのトップ会談で「賢人会議」設立を提案した。それをうけ、ラディカル紙があげた、「賢人メンバー表」の記事はこちら。]
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20120612_080836.html

この賢人達とは誰のことなのか。
彼らは何を食べ、何を飲むのだろうか。
どんなことをして、どんなことをしないのだろうか。
冗談はさておき・・・
ラディカル紙のコラムニストと読者の「賢人メンバー表」が大きな波紋を呼んでいる。そのリストを一方的だと見る人も、とことん支持するという人もいた。
例えば、エルトゥールル・オズキョク氏(元ヒュッリイェト紙総編集長)は、「何故、MHP(民族主義者行動党)や(CHP支持の多い)イズミルや民族主義者の感情を代表する者がいないのだ」と述べた。
正しい。
名前の公表を望まないある政治家が私に電話をかけてきて、「宗教上のオピニオン・リーダーもこのリストに挙げてほしい」と述べた。
彼もまた正しい。実業家のセダト・アルオール氏は、ラディカル紙読者に近い賢人メンバー表を送った。
「ヤシャル・ケマル, タハ・アクヨル, ハサン・ジェマル, ジェンギズ・チャンダル, メフメト・アリ・ビランド, ズュルフュ・リヴァネリ, シャーヒン・アルパイ…」

もう一度、次のことをはっきりいっておこう。
我々が出したリストは、数名のラディカル紙のコラムニストと読者が考えた顔ぶれである。
ほとんどは、クルド問題に真剣に取り組み、このことに関して奮闘し、その代償を払ってきた人達である。
しかし、にもかかわらず、ヤシャル・ケマル以外に、このリストにおいて全ての投稿者が共通して挙げた名前がない事に私は気付いた。
つまり、これほど長年に渡って奮闘してきたにもかかわらず、ラディカル紙読者層内でさえ、ヤシャル・ケマル以外に全員が同意する名前が出せないのである。この結果は、いかに、深い感情的な亀裂が生じているかと言うことを示しているのではないのか。
いまだに、「一体、賢人達は、クルド問題において、私達の知らないどんなことをいうというのか」と言っている者もいる。
やはりトルコは、「知っていることしか言わない人たちの国」なのだ。
誰からが現れて、いつの日か、「いつもと違うこと」を言ってくれたら!という。
まるで賢人は、革新者や、発見者か!
30年間血を流し、誰もこの問題をどのように解決できるのか思いつくことが出来なかったのに、ある日、「賢人会議」が登場し、解決策をみつけるかとでもいうのだろうか。
みなさん、このようなことはないだ。
この国の血を吸い取り、政治や文化を危険にさらすとても深刻な問題があることは明らかだ。この問題にはそれぞれの立場がある。賢者達は解決策を生み出すのではない、彼らは、最重要問題において、双方の立場を、相互の信頼を基に、「仲裁」をするだけなのだ。

***

皆、自由に賢人の定義をすることができるだろう。しかし、世界でふつう認められている賢人の定義は、以下の通りである。
すなわち、問題に関し、知見と影響力を持ち、異なる立場の人々からも尊敬をえており、強い正義感と協調的思考をもつ人だ。

その考えてみると、ラディカル紙の読者とコラムニストのあげたリストは、一般的に言って、メダルの表と裏を見せている。このようなことは普通である、なぜなら、名前が示すように、これらは「ラディカル紙の読者やコラムニストの賢人リスト」だからだ。ヒュッリイェト紙、サバフ紙、ハベルチュルク紙、ミッリイェト紙、ザマン紙、スター紙、ジュムフリイェト紙、タラフ紙、ソズジュ紙も、読者とコラムニストに対し、全く異なるリストを提供すればいい。
目的はまさにこれなのだ。
その全く異なるリストから、全く違った意見のなかから、最も尊重できる共通のリストをつくるのだ。

AKPとCHPの首脳会談が最初の実を結びつつある。
クルド語はついに、学校で「選択授業」として教えられる事が出来るようになる。
クルド語教育への歴史において、これは象徴的なことにすぎないが、とても大事なステップだ。
今日の政治、市民社会、ビジネス界から賢人のリストを我々は公表した。国の西も東も関係ない、あなたも”radikal.com.tr”へ賢人リストを送って下さい。様々な意見を反映した「賢人リスト」が、あらゆる分野からの同意を以て、最終的に世に出るだろう。

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( 翻訳者:田中けやき )
( 記事ID:26698 )