美容整形が人気なのは、文化的後進性が原因
2012年06月07日付 Jam-e Jam 紙

【サーデグ・ズィーバーキャラーム博士(政治学教授)】

 昨今、整形手術の実施回数は目覚ましく増加しているように思われる。それも特にイランにおいて顕著で、イランでは通例、この種の手術が西洋よりも多く行われているようだ。このことについて絶対的な判断は下せないにせよ、様々な証拠からみて、我が国の美容整形手術の実施回数はきわめて高いのではないだろうか。実際、日常生活やバス、タクシー、教室等々の場所で、私たちは美容整形手術を受けたことを示す「しるし」のある人たちを多く目にする。そして彼ら/彼女らの存在自体、この主張を証明していると言えるだろう。例えば、鼻の上に美容整形手術後のテーピングを貼っている若者が、最近とみに多く見られる。さらに興味深いのは、こうしたことが、かつてのように女性特有のことではなく、イランでは男性も美容整形手術に頼るようになっているようにみえることだ。

 イランで整形手術がもてはやされている根本的原因は、文化的後進性にあると私は考えている。私事だが、私は約20年間、イギリスで生活した。そこで感じたのは、この国では、特に社会的教養のある人たちにとって、美容整形は我が国のようには重要視されていないということだった。

 我が国で美容整形が人気を博するもう一つの原因としては、気軽にお金を使うことのできる富裕層の存在が挙げられる。確かにイラン国民全てがそうだというわけではないが、しかしおそらく国民の10%近くは、美容整形の施術費用などさしたる負担とはならないような状況の下で暮らしているように思われる。イラン、そして世界の多くの国々では、多くの政治家たちが美容整形手術を受けている。政治家の容姿が端麗であることは、選挙において重要である。だから、政治家が外見をより美しくみせることに関心を向けるのは、十分理解可能である。いずれにせよ、有権者の全てが立候補者の考えやプランに影響されて、その人を選ぶわけではなく、中には顔や見た目を重視する人もいるだろう。

 私自身のこと、そして美容整形手術に対する私の見方について述べておこう。私は2年前から、理髪店に散髪に行くたびに、そこの理髪師から「眉毛がまるで原始人みたいになっていますよ。短く整えた方がいい」と言われるようになったが、しかし眉をいじらせたことはない。なぜなら、美しく見えたいとか、美容のために外科手術を受けようとかいうことに、私はあまりとらわれていないからだ。

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( 翻訳者:8408127 )
( 記事ID:26757 )