Fikret Bila コラム:いいテロリスト、悪いテロリスト―PKKの武力闘争と「和平」
2012年06月20日付 Milliyet 紙

PKK(クルド労働者党、非合法組織)がハッキャーリ県のダールジャでイェシルタシュ駐屯所を襲撃、結果8人が殉死した。殉職者と親族の皆様にお悔やみ申し上げると共に、負傷した兵士の回復を祈ります。
PKKは去年もイェシルタシュ駐屯所の工事現場を襲撃、2人の労働者が殉死している。5年前の2007年にもダールジャの軍隊に襲撃が企てられ、この時は12人の兵士が殉死、8人が攫われている。この襲撃はラバで運ばれた重火器で行われ、テロリスト一団の映像も公開された。
昨日PKKは再び同じ方法で同じ場所を襲撃した。

■映像はあるのか

今回襲撃を企てたPKKグループが無人偵察機から撮影された映像に映っていたのかどうかは、まだわかっていない。
この映像が存在するのかどうかは、昨日共和民主党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首が「無人偵察機はどこだ?」と質問したことで問題にあがった。
この問いはもちろんウルデレの悲劇にも関係するものだ。なぜならダールジャを含め失敗に終わったこの種の襲撃と、その後に行われる厳しい批判がこの悲劇が起きた原因のひとつであるからだ。
今回映像が撮影されていたとしても、「ウルデレの時と同じ過ちは犯さないようにしよう」と、テロリストグループに介入が行われなかったのであれば、それもまた疑いなく別の問題であろう。
映像があってもなくても、情報とその活用に欠落があったことはこの襲撃でも明らかだ…。

■カラユランは良くて、ヒュセインは悪い?

「良い警察、悪い警察」とは良く知られた術である。
捜査で悪い警察は拷問しながら口を割らせようとし、結果が出せないと今度は間に良い警察が入り拷問を止め、優しい言葉で話させようとする。
今PKK指導者の間でもこのような任務の役割分担が見られる。
カンディルからのニュースと、イェシルタシュ駐屯所への襲撃はこのパターンを思い起こさせる。
PKKのカンディルでのリーダーであるムラト・カラユランは「和平」メッセージを送ったが、その舌の根も乾かないうちにダールジャを襲撃したというのは、どういうわけだろうか?
カラユランは「何てことだ、和平にいよいよ近づいたというのに、スィルヴァンのPKKの分子が和平を悪化させたのかもしれない」と言い、「穏健な気質が和平への一歩だ」と述べた。一方で、シリア系PKK指導者のうちベホズ・エルダルというコードネームを持つフェイマン・ヒュセインは、「我々の検討課題は、抵抗を進化させ、高めていくことだ。ベシル・アタライ(副首相)やビュレント・アルンチ(副首相)のような者たちの言葉は全くの嘘だ」と発言した。
このようにして「良いテロリスト」と「悪いテロリスト」がはっきりとしたのだ!

■武器放棄の問題

最近の発表では、和平が近づいており、PKKが武器を放棄しえるような雰囲気が生み出されていた。
ベシル・アタライ副首相は生放送で、バルザーニがカンディル(PKK)と面会し、PKKが武器を放棄するという話にまで及ぶ話し合いが行われたと述べた。
CHPのケマル・クルチダルオール党首の首相訪問と、4つの委員会設置提案も、空気を和らげた。
その後ビュレント・アルンチ副首相はPKKが武器を放棄した場合、オジャランは自宅軟禁も考慮すると述べた。クルチダルオール党首も、「4党が合意すれば、我々にとっては問題ではない」とし、これを支持する姿勢を示した。
こうした最中、PKKは昨日ダールジャを襲撃、8人の兵士が殉死したことで「武器を放棄するなどというつもりはない」ことを示したようだ。ベホズ・エルダルはアンカラ(政府)の全員を厳しい口調で非難し、「これほど全滅を意図した襲撃が明らかである中、誰が停戦や武器放棄について口にすることができるか」と脅しを続けた。
ここ数年、「解決」と「PKKの武器放棄」説がある。
しかしPKKに武器を放棄させる解決が何であるのかは誰も口にしない。
行動的なCHPも含めて誰も…。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:26780 )