クルド語選択授業化は、歴史的な一歩
2012年06月13日付 Zaman 紙

吉報は、エルドアン首相がからもたらされた。来学期、クルド語が選択制の授業になる。
エルドアン首相は昨日、(国会内のAKPの)会派会議において、「十分な数の学生が集まれば、クルド語が選択制の授業として取れるようになる」と述べ、またこの一歩は歴史的なものだと述べた。

首相がそのように述べるに相応しい状況にあると言える。クルド語は、ここのところずっと議論の的である。選択制の授業になることの予兆はこれまでにも あった。そして決定がなされたのだ。これは、疑いもなく大切な一歩である。国の各層では、かつてはクルド語というものがあるかどうか、というような議論がされていたのだ。しかし、国営TRT放送が24時間で放送を行っているクルド語チャンネルに続いて、学校においてもクルド語が選択制の授業になることは、更に段階が進んだということになる。南東アナトリ ア地域の人々の数々の要望のうちのひとつであった。それが実現するのだ。

皆の心には次々に以下のような疑問が募っている。では、どのように行うのか、準備はできているのか。十分な数の教師はいるのだろうか。使用されている他の言語も選択制の授業になるのだろうか。
詳細をこの問題の専門家に聞いた。首相のクルド語の授業についての発表の後、我々は国民教育省のオメル・ディンチェル氏と会談した。全ての質問を彼に問うた。ディンチェル氏は、「カリキュラムはすぐに決められる。新学年には間に合う」と述べた。

氏は「教科書は間に合わないかもしれない。最初の年にはいくらかの問題や不手際が起きるかもしれない。準備の年のようになるだろう……」とも述べ た。まず初めに、どれくらいの学生が授業を選択するかということが判断される。10~12人がクラスを開講するために十分な数といえる。最も深刻な問題は 教師である。学生の数によって教師が何人必要か分かる。マルディンとビンギョルにある大学と会合が開かれた。クルド系のトルコ語トルコ文学の教師は、これらの大学において、クルド語分野で大学院教育をうけたなら、教師として任命されうるという。

ディンチェル氏は楽観的だ。一年も過ぎれば新システムが落ち着くと信じている。クルド語、と一口に言ってもクルド語のどの方言を指しているのか。 国民教育省はすべての要望に対応するという:ザザ語やクルマンチェ。……更に単にクルド語の方言だけでなく、今も使われている他の言語についても有効である。チェルケス語、ラズ語、アブハチア語、ボスニア語を含む。何の制限もない。

世論はクルド語問題だけに集中しているが、要望があるならば社会において一定の話者が生きている全ての言語、全ての方言が選択制の授業になる可能 性がある。このことは、大きな豊かさである。だれが教えるのかという問題を乗り越えることができれば、昨日までタブーであり夢であった「言語問題」が、問題として扱われることから抜け出すだけでなく、豊かさに変わるのである。

教育における改革は、選択制語学科目にとどまらない。4+4+4改革により、教育システムはそもそも大きくかわった。議論の多かったテーマのひとつ「アレヴィー派」も選択授業になる。この授業は、「宗教・道徳・価値」という選択授業群に入る。カリキュラムは、アレヴィー派の宗教指導者らとともに準備される。希望に応じ、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教も、それぞれ授業になる。

ご存じのように、就学の年齢は、66か月まで引き下げられた。つまり、5歳半だ。ディンチェル国民教育相に、「5歳半というのは、学校にいくのに早すぎないか」と尋ねた。「そんなことはない」という。これへの反対は、「イデオロギー的だ」という。そして、この件でどれだけ決意が固いかを次の言葉で表現した。「66か月を満たした子供は学校に入らなくてはいけない。ケマル・クルチダルオール(CHP党首)の孫が5歳半になるなら、その子も入れる。反対するなら、行ってイギリスやオランダの例をみてみればいい。」

では、それなりの理由のあるものがいたら?ディンチェル国民教育相は、「病院の精神科からの診断書」以外は、どのような書類も認めない、という。唯一の除外要件は、「精神疾患診断書」となるらしい。ディンチェル国民教育相は、66か月から後退の意思はない。実施の決意は固い。

目下の話題は、クルド語の選択授業だ。しかし、新教育制度にはこのほかにラディカルな変革があることが、エミン・カリプ教育委員会Talim Terbiye Kurulu会長のプレゼンテーションからわかる。理科、数学、外国語の授業時間が増える。現行制度で選択制の「人権・国民・民主主義」 の授業が必修になる。民主主義が、必修になるのだ。

かつては、その存在そのものが議論されていたクルド語が選択制の授業となることは、トルコにとって、本当に、「歴史的な一歩」だ。

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( 翻訳者:村澤 歩 )
( 記事ID:26795 )