「これは意図的な攻撃」-トルコ政府の「判断」鮮明に
2012年06月24日付 Milliyet 紙

(23日夜に)アンカラで開かれた安全保障会議では、シリアへの偵察飛行を行っていたトルコ軍F4機が何の警告もないまま、「事故」ではなく(シリア上層部からの)指示命令により撃墜されたという見方が主流となった。

シリアで撃墜されたトルコ軍機に関し政府が入手した具体的な情報にもとづき、昨日行われた高次の安全保障会議では、軍機が、「偶然」撃墜されたのではなく、指示・命令の系統的な決定にもとづき撃たれたものであり、トルコが国際社会の指示を得る形で厳しい対応を取る必要があるとの意見が主流をしめた。会議では、軍機がシリアの領域ではなく、国際空域で撃墜された可能性が強いとの見方が主流となっているものの、政府も軍も、この時点ではパイロットの発見にむけての、捜索救出活動が優先的に行われるべきであるという点で見解の一致をみた。

■いきなり撃たれた

ミッリイェト紙のインタビューに答えた航空関係に強い政府の高官は、シリア空軍が、偵察飛行中のトルコ軍F4機に向けて無線ではいかなる警告もおこなわなかったとのべ、飛行機がいきなり狙い撃ちされたと述べた。

トルコ軍機がシリアに対し、いかなる侵入もしておらず、定期的な偵察飛行をしていたにすぎないと強調するこの高官は、「これは、正当な理由のある事件でない。よくある間違いとは思えない。しかし、現時点では冷静であらねばならない』と述べた。

通常は偵察任務の最中にロケット攻撃をうけたF4機が、ラタキヤとハタイの間の、シリア水域に属す陸から9マイルの沖合に墜落したことは判明している。しかし、軍機が撃たれた地点は国際空域であった見方もある。

■「交戦規定」に反する

シリアがトルコ軍機を撃墜したことは、国際航空界で「交戦規定」と呼ばれる軍事・外交手順にも反している。国際関係のなかではしばしば、空域の侵犯はおこる。たとえば、エーゲ海では、トルコとギリシャの間でしばしば双方の空域侵犯は発生している。しかし、外交・軍事の専門家によれば、このような場合、当該国がまず無線で侵犯をした飛行機に警告を発する義務を有しており、その後、必要に応じ自国の飛行機により攻撃、ないしは、強制着陸をさせることになっている。シリアがこれらをすることなく、偵察用機であることが知られているF4機をただちに砲撃したことは、トルコ政府の側では、「依然、理解不能な」「挑発的」行動と受け止められている。

トルコ政府は、また、銃撃の命令が、シリア航空防衛システムを統括する下士官の判断ではなく、指揮系統を伝わって空軍のトップレベル、おそらくはアサド一族のだれがの承認をえていたものとの疑いをもっている。

■捜索・救援が優先

墜落したF4機のパイロットが生存している可能性は高くないものの、トルコは、今後48時間はさらに、捜索・救援に重点をおく。高官らによると、これと並行し、トルコが国連とNATOの枠組みでの対応を開始し、一度に過激な反応はしないものの、対応は「手ぬるい」ものとはならない、という。政府関係者や外務省関係者らは、トルコ政府が厳しい対応を控えることは、トルコの国際的なプレステージと重要性に傷をつけ、中東地域で高まっているトルコの知名度、および「地域のリーダーへ」というとトルコの構想を困難にするとの見方をしている。

■NATOの強硬姿勢を期待

国連安全保障会議が非難決議をしたにもかかわらず、NATOはこれまでシリア問題に消極的な態度をしめしてきた。しかし、トルコ政府は、今回のトルコに対する攻撃をNATOが厳しい表現で非難することを望んでいる。その後の対応は、国際法にもとづき、長期的なものとし、首相の決断のもとトルコが決定する。この中に国境への軍の配備のような軍事的な対応が含まれるのかどうかは、現時点でははっきりしていない。

■「重大な違反」

ある政府高官は、「戦争などする気はない。しかし、他国の飛行機を撃墜するなどということは、重大な違反行為だ。自国の国民を尊重しないような体制は、国際法などに目もくれない。このことは、おそらく体制が末期症状にあることを示しているのだろう」と述べた。

アンカラの軍事・外交関係者たちは、トルコ軍機がシリア側の主張のように、陸から1キロのところで砲撃されたのではなく、国際法上、完全に正しい位置を飛行していたことを強調している。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:26822 )