サウジアラビア外相「核問題をめぐる交渉は時間の無駄」
2012年06月27日付 Mardomsalari 紙

【イラン外交部】サウド家の考え方を代弁するスポークスマンとして知られるサウジアラビア外相のサウード・アル・ファイサル氏は、イランの核問題に対する自身の最新の立場について表明する中で、「イランの核計画をめぐるイランとの交渉は時間の無駄だ」と述べた。昨年サウジの最有力者として、サウジアラビアはイランに対して石油を武器として使うと威嚇していた同外相は今回、交渉には時間制限を設けるべきだとの見解を示している。

 サウード・アル・ファイサル氏はこの発言を、ルクセンブルグで開かれたGCC(湾岸協力会議)・EU外相会議のなかで表明した。アル・アラビーヤ放送は前駐米サウジアラビア大使である同外相の発言を、次のように報じている。「われわれは政治的解決策を得るために、イランと交渉することの重要性について意見を同じくしているが、しかしこれまでの経験が示すように、イランとの交渉は結論を得るというよりも、時間稼ぎのための手段となりかねない」。

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 こうした中、イランとサウジアラビアの関係はここ1年間、きわめてこじれた状態になっている。イランが駐米サウジアラビア大使の暗殺計画にかかわっているとのアメリカの主張、バーレーン危機をめぐるサウジアラビアとイランの対立、そして石油の生産水準をめぐる石油カルテルOPEC内での両国の深刻な意見対立などによって、イランとサウジアラビアの関係は悪化の一途をたどっている。

 サウジ通信によると、ファイサル氏は5+1(国連安保理常任理事国とドイツ)がイラン核問題の平和的解決策を見つける努力を行っていることに感謝の意を表明した上で、「中東諸国は平和目的のために原子力エネルギーを求めることができるが、それは国際原子力機関の基準に則ったものでなければならない」と述べた。

 サウジアラビアとペルシア湾岸諸国は「アラブの春」の前まで、イランの原子力計画に対して慎重な立場をとっていた。この計画は彼らにとって不安を惹起するものではあったが、それを公然と批判することはなく、彼らは非公式にアメリカの友人たちに対して、こうした不安の解消を求めていると言われていた。しかし1年半前の「アラブの春」以降、アラブ諸国はイランの核活動に対して明確な立場を取るようになり、「もしイランが核を持つようなことがあれば、我々も核を持つことを辞さない」と威嚇するまでになった。

 サウード・アル・ファイサル氏は自身の発言の別の箇所で、イランが核問題の解決に向けた努力に対してきちんと反応を示していないことに遺憾の意を表しつつ、中東の非核化の重要性を強調した。イランとの交渉は時間の無駄だとのサウジ外相の主張の一方で、イスラエル当局も常日頃から同じような主張を行っている。イスラエルはイランの核施設への攻撃というオプションを依然として保持する構えであることを強調している。

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( 翻訳者:3811022 )
( 記事ID:26891 )